ロシア、停戦拡大は経済制裁解除が条件と主張…米は「黒海の安全確保」で3か国合意と発表

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 【ワシントン=池田慶太】米ホワイトハウスは25日、ロシアによる侵略を受けるウクライナでの停戦に向け、ロシアとウクライナ両政府と、黒海における船舶の安全な航行の確保や武力を行使しないことなどで合意したと発表した。停戦の範囲をエネルギー施設から黒海にも拡大するものだが、ロシア側は合意の発効は対露制裁解除が条件としており、黒海での部分停戦が実現するかどうかは不透明だ。

黒海でウクライナの穀物を運ぶ貨物船(2022年11月、ロイター)
黒海でウクライナの穀物を運ぶ貨物船(2022年11月、ロイター)

 23~25日に米国がロシア、ウクライナとそれぞれ実施した実務者協議の結果として公表した。それによると、米国とロシア、ウクライナは武力行使の排除のほか、商業船舶の軍事目的での利用を防ぐことでも一致した。

 3か国で合意済みのエネルギー施設への攻撃停止を巡っては、合意を着実に履行するための措置を策定することを確認した。合意の履行を支援する「第三国による仲介を歓迎する」とも表明した。

 米国はロシアとの間では、ロシアの農産物や肥料の輸出回復を支援することで一致した。ウクライナとの間では捕虜交換やロシアに連れ去られた子供たちの帰国を支援するとしている。

 トランプ米大統領は協議終了後の25日、ホワイトハウスで記者団に「大きな進展があった」と歓迎した。

 ただ、露大統領府は25日、米国との協議結果に関する発表で、黒海での安全確保や武力を行使しないことなどについては、米欧による経済制裁の解除後に発効するとして要求をつり上げた。

 具体的には、ロシア農業銀行など食品や肥料の貿易業務に携わる金融機関の国際銀行間通信協会(SWIFT)への復帰や、食品や肥料の生産者・輸出業者に対する制裁の解除を求めた。

 SWIFTは世界最大級の国際決済網で米欧は対露制裁の一環で、ロシアの金融機関を排除している。ロシアは、ロシアに融和的な姿勢の目立つトランプ政権の仲介につけ込み、譲歩を引き出す狙いとみられる。

 ロシアが黒海での安全航行などに条件を付けたことについて、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は25日のビデオ演説で、「ロシアは合意をねじ曲げ、仲介者(の米国)や全世界を欺こうとしている」と批判した。ロシアが合意を履行しない場合は制裁や圧力が必要だとも訴えた。

 ウクライナ国防省は25日の声明で、合意事項の履行や監視に関する詳細を詰めるため、追加的な協議の早期開催を求めた。

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