CRMとは
更新日: 2024年12月31日
顧客管理(CRM)とは、顧客管理システム(CMS)を用いて収益の追跡確認と促進を行いながら、顧客との関係の維持と向上を導くソリューションです。 CRMを導入すると、各種チャネルでの顧客とのやり取りや営業活動を一元管理し、製品のパーソナライズやサービスの提案を通じてコンバージョン率を向上できるようになります。
営業チームはとりわけパイプラインの可視化と予測、契約や商談の管理、アクティビティ追跡、リード獲得にCRMを活用し、これらのツールを統合して併用しています。 また、CRMではワークフローやプロセス、タスクを自動化して生産性を向上させ、少ない人数でより多くの仕事を実行できるようになります。
このガイドの詳細:
CRMを必要とする企業とは
CRMでは、顧客の詳細な情報を把握できるため、大企業から小規模企業まで、製品やサービスを販売する企業は多くのメリットを得られます。 CRMには、たとえば、営業チームがリードの追跡や提案の調整、パフォーマンスの評価を行う上で便利な機能が揃っています。 さらに、カスタマーエクスペリエンス(CX)ソフトウェアと統合すると、営業担当者は詳細な情報を把握できるようになり、繰り返し顧客が対応を要請していた問題の解決策など、以前は把握していなかったニーズに対処することが可能になります。
プライベートジェットの航空券の販売と管理を請け負うSTAjetsには、高額の見積が多数寄せられます。 同社は、営業チームがパイプラインや顧客とのやり取りを総合的に確認できるようにカスタマイズ可能なCRMを探していました。 STAjetsは複数のCRMを試しましたが、ニーズを満たせるものはなく、その後、Zendeskの導入に至りました。 以前、同社はパイプライン全体を見ることができないために、リードの10%~20%を失っていましたが、 現在は速やかにすべてのリードを活用できており、コンバージョン率を高めることに成功しています。
企業にCRMが必要な理由
企業は収益をできるだけ早く増やすため、およびカスタマーエクスペリエンスを向上させるためにCRMを活用しています。 CRMシステムに搭載されたツールを使用すると、以下のメリットを得られます。
- 顧客の購買プロセスの段階と状況を詳しく把握した上で取引を進めることができます。
- 主要な顧客および見込み客の情報を一括表示して、状況に応じてやり取りを調整できます。
- 精度の高い推測やセールスパイプラインの管理を通じて営業プロセスの計画、追跡、分析を行えます。
- トリガの設定やタスクの自動化により、営業担当者は重要なタスクに注力できます。
また、企業は組織を刷新するためにCRMを活用しています。 従来のやり方やスプレッドシートなどのその場しのぎのソリューションでは、データのメンテナンス作業に時間と労力を奪われるほか、営業部門の責任者が求める詳細な分析データを得ることはできません。
たとえば、カンザス州の大手アルコール飲料販売会社のStandard Beverageでは、 営業チームは顧客の情報を紙で保管したり、記憶に頼っていたりしていたため、効率よく営業活動を進められませんでした。 そこで、同社では営業担当者がすぐに使用を開始できるように、使いやすさに秀でるZendeskのCRMを採用しました。 その結果、Zendeskの導入が営業手法の刷新を促進し、顧客数の増加率は300%に達しました。
CRMが営業にもたらす10のメリット
営業チームには、取引を成立させるため、CRMシステムのように他部署との協力やツールの統合が可能なソリューションが必要です。 CRMを使用すると、営業部門はマーケティングやカスタマーサポート、プロジェクトマネジメントなどの他部門と円滑に協力でき、その結果、時間の節約や情報の整理、商談を左右するデータの取得が可能になります。
1. 顧客のデータを整理して、1カ所で表示
顧客のデータを一元管理することで、状況を明確に把握できるようになります。 すると営業チームは顧客の詳細な情報からパターンや傾向を突き止め、広告のターゲティングや対応の引き継ぎ、営業電話など、各やり取りを調整できます。
2. 目標を設定し、進捗状況を追跡
使いやすい分析ツールを活用し、組織全体の目標を設定しましょう。 営業活動の進捗状況を追跡確認し、チームの足並みが乱れていたり、調整が必要になったりした場合は、すぐに状況を把握できます。 チーム全体を包括的に理解することで、各担当者の仕事内容を可視化し、四半期ごとの目標達成に向け特に注力すべき点などを確認できます。
3. 顧客とのやり取りをパーソナライズ
顧客とのやり取りを状況に応じて調整することで、顧客に寄り添う対応が可能になるほか、顧客ロイヤルティの強化につながり、売上に良い影響を及ぼします。 対応をパーソナライズすると、顧客とのやり取りは活性化し、顧客満足度の向上が期待できます。 顧客関係の管理に役立つCRMは、適切な情報を収集した上でメッセージを用意できるため、顧客から共感を得られる可能性は高まります。
4. ターゲット層を細分化
見込み客を特定する際はターゲットを絞るアプローチをお勧めします。 CRMが保有する過去の顧客データを用いて、オーディエンスに合わせてキャンペーンを作成できます。 さらに、CRMでは、ターゲット層を細分化できるため、適切な対処方法を理解した上で各グループへの営業に取り掛かれます。 加えて、顧客の希望や抱える課題を把握することで、同様の見込み客に接触して商談を成立させる確率を高められます。
5. 顧客の期待を超える
CRMには、顧客との良好な関係構築に必要な機能がすべて備わっています。顧客ロイヤルティを育むには、顧客との強い結びつきが欠かせません。 ただし、顧客は取引を行う企業に対して大きな期待を抱く傾向があります。 期待に添わない経験をすれば、顧客はすぐに離れていきます。一度離れた顧客を取り戻すのは容易ではありません。 したがって、顧客との商談を継続、または製品・サービスの継続的な利用を望むなら、簡単かつ円滑に会話によるコミュニケーションを取れる環境を整える必要があります。
6. 業務を柔軟に拡大
顧客のニーズや好みの変化に対応する必要があります。 そのため、営業を支援するCRMには、業務をスムーズに拡大できる機能が備わっていなければなりません。 顧客情報の一括表示、自動化、Webでのセルフサービスオプションの提供、オムニチャネルでのコミュニケーションが備わっているCRMなら、自由自在に規模を拡大できます。 顧客維持率の向上は、新しい製品やサービスを導入する際の収益低下を防ぎ、安定した事業拡大計画を立てることにつながります。
7. チーム間のコラボレーションを促進
最新の情報をダッシュボードから確認できれば、メンバー間で協力して円滑に仕事を進められます。 部門間で情報を共有することで、顧客が同じ情報を繰り返し伝える手間を省けるため、カスタマーエクスペリエンスの向上が見込めます。 マーケティング担当者と営業担当者が同じデータを使用し、企業として一貫したメッセージを発信することで、社内外の混乱を防ぐことができます。
8. 収益性を向上
顧客の状況や希望を理解していれば、アップセルが成功する確率は高くなります。 マーケティング部門と営業部門が同じ情報を共有することで、顧客への働きかけのタイミングを戦略的に決めることができ、常連客の顔を見ただけで好みのカクテルを出すバーテンダーのようなサービスを実現できます。
9. タスクを自動化
CRMを使用して繰り返し行うタスクを自動化することで、質の高いカスタマーエクスペリエンスの提供が進むほか、時間的余裕が生まれ、営業活動に注力できるようになります。 たとえば、Zendeskでは、分析による売上予測やリードの特定、見積の設定、営業電話、補足のコミュニケーションなどのタスクを自動化できます。
10. 出先でも仕事が可能
クラウドベースのCRMとモバイルアプリを併用することで、営業担当者はアポイントやタスクの管理、商談の更新、訪問の追跡、電話内容の記録などを携帯端末から実行できるようになります。 Zendeskのモバイルアプリでは、レポートや分析データにアクセスして、売上に関するKPI(重要業績評価指数)などの指標をいつでも確認できます。
CRMの主要な機能
CRMをカスタマージャーニー全体を網羅する脳にたとえた場合、その機能は、脳の中枢につながるさまざまな神経経路といえます。 たとえば、ワークフローや営業タスクの自動化、レポートの生成と分析、さらにはコールセンターに役立つ機能も備わっています。 これらの機能により、各チームはそれぞれのタスクを効果的に実施できるようになります。
以下に、CRMにおいて特に重要度の高い3つの機能を挙げていきます。
顧客情報の一括表示
Zendeskの年次調査であるCXトレンドレポート2024では、調査参加者の64%が「顧客とのやり取りを1つの画面で確認できる機能は、サポートの質を高める」と回答していました。 カスタマーサービスソフトウェアとCRMを統合することで、顧客情報を一括表示して全体像を把握し、顧客とのやり取りをパーソナライズできるようになります。
- 一元化されたプラットフォーム: プラットフォームで情報を一元管理することで、いつでも顧客の詳細な情報を確認できます。
- アプリの統合: 業務で使用するアプリをワンクリックで連係させて、ワークフローを向上させます。
- APIへのアクセス: 豊富なオープンAPIでインターフェイスの調整・カスタマイズが可能です。
- モバイルアプリ: 顧客が望む場所でやり取りを行えます。
- サブスクリプション: 顧客の経常収益やサブスクリプションの終了日を追跡・確認できます。
生産性ツール
質の高いCRMシステムには、営業担当者が効率よく仕事を進めるためのツールが揃っています。 これらには、以下が含まれます。
- メールインテグレーション: 既存のメールをCRMに取り込むことで、営業プロセスの全容を可視化でき、またアラートやテンプレート、自動化などの機能を通じて生産性の向上が期待できます。
- 営業エンゲージメントツール: リードリストの作成と見込み客へのアウトリーチの自動化により、有望な見込み客への接触および補足、そして、状況に合わせたコミュニケーションのアレンジが容易になります。
- タスクプレーヤー: タスクプレーヤーは各タスク、リード、商談の詳細な情報を一元管理します。そのため、顧客への連絡など繰り返し生じるアクションを合理的に実行できるようになり、営業に注力することが可能になります。
- メッセージング、チャット: テキストやSNS、チャットなどから送られたリードや取引先のメッセージをその場で記録し、保存できます。
- スマートリストとテンプレート: リードの細分化と絞り込みを行った上で、よく見る顧客データを「スマートリスト」として登録することで即座にアクセスできるようにします。 したがって、何度もビューを調整する手間を省けます。
- シーケンス登録: シーケンスを作成し、間隔を設定して自動的に見込み客にメールを送信できます。
- パワーダイヤラー: パワーダイヤラーにより、コールリストを作成し、自動的に顧客に電話をかけられます。
- 一括アウトリーチ: 複数の取引先にメールを一括で送信できます。
- セールストリガ: トリガによるアクションを設定して、ワークフローの一部を自動化することで管理作業の負担を軽減します。
レポート生成と分析
基本的な機能に絞ったシンプルなCRMであっても、営業や顧客に関して核心的な情報を得る上でレポート生成と分析機能は不可欠です。 レポートと分析機能をニーズに合わせて調整し、活用できます。
- 精度の高い推測: 取引の数量や収益の増加を推測し、営業戦略を調整します。
- パイプライン分析: 商談の進捗状況を可視化・分析し、障がいや改善が必要な領域を突き止められます。
- 高度な分析: リアルタイムおよび過去のデータをもとに傾向やパフォーマンスを正確に把握できます。なお、既成のダッシュボードをそのまま使用することも、カスタマイズして使用することも可能です。コラボレーションに役立つ機能も併せて使用するとよいでしょう。
- アクティビティレポート: レポートを作成して電話をかけた回数やメールによる営業の成果などの指標を追跡し、営業活動の一環として行うアクティビティの状況を確認します。
- パフォーマンス指標: パフォーマンス指標を追跡することで、目標達成が可能か、あるいはパイプラインの調整が必要かを明らかにできます。
- カスタマイズ可能なダッシュボード: ウィジェットを活用してパフォーマンスの目標やアクティビティ、タスクをモニタリングします。
CRMの導入費用
小規模なスタートアップに特化したCRMもあれば、大企業をターゲットにしたCRMも存在します。価格もベンダーによって異なります。 たとえばZendeskでは導入・統合をスピーディーに実施し、短期間で価値を創出できるため、投資に対するメリットを早い段階で実感することができます。 実際に、Zendeskユーザーの70%は導入後8週間以内に使いこなせるようになり、66%は導入後半年以内にZendeskへの投資から利益を得ています。
ティア | 最低料金 | 最適な運用規模 |
---|---|---|
Team | ユーザー1人あたり月額19ドル | 立ち上げたばかりの小規模な営業チーム |
Growth | ユーザー1人あたり月額55ドル | 規模の拡大を開始した営業チーム |
Professional | ユーザー1人あたり月額115ドル | 効率と生産性の向上を通じて規模を拡大したい営業チーム |
Enterprise | ユーザー1人あたり月額169ドル | エンタープライズ向けの高度な機能が必要な複数の部門で構成されるチーム |
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よくある質問
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Zendeskは使いやすさとカスタマイズの柔軟性に秀でたCRMシステムを提供しています。メールの自動送信やパワーダイヤラー、分析機能、セルフサービスポータルなど、さまざまな機能を搭載しています。 CRMの導入を成功させるには円滑に使い方を学べる環境が必要です。そこでZendeskでは、24時間365日体制で製品を熟知したエキスパートがいつでもお客様をアシストできる環境を整えています。 また、Zendeskの営業支援ソリューションとカスタマーサービスソリューションを統合することで、カスタマージャーニーを隅から隅まで把握できるようになります。
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