徳島県南部の山あいに位置する那賀町。人口の減少が続く中で新しい産業を創出しようと、休校となった小学校の校舎を活用して今年夏から車エビを養殖する実証実験を始めた。町の95%が森林という山間部で、海産物のエビを養殖するという意外性を売りに、町の活性化を目指す。
養殖場に選んだのは、2023年3月に休校となった町立平谷小。給食室だった場所に、幅約3メートル、奥行き約2メートル、高さ約0・8メートルの養殖用プール3基を設置。気候や気温の変化に強く、養殖が容易な国産の車エビ約1000匹を育てている。
エビの陸上養殖を手がける企業「シーサイドコンサルティング」(千葉県鋸南町)に事業を委託。スマートフォンから24時間、遠隔で状況を監視できるシステムを導入した。地元漁協の組合員が交代で餌やりを担当しており、エビは8~10カ月ほどで出荷できるサイズにまで成長する。