フジテレビ系ドラマ「silent(サイレント)」で話題になった音声認識アプリに使われているのが、アドバンスト・メディアの技術だ。音声認識専業の企業として初めて株式上場し、黒字化したという同社。鈴木清幸会長兼社長(71)は、「GAFA」と呼ばれる米巨大IT企業も追いつくのは難しいと自負する。さらに対話型人工知能(AI)「チャットGPT」の先の時代も見据えているという。
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ドラマで話題の「UDトーク」
――テレビドラマ「silent」で登場人物が使うアプリ「UDトーク」が話題になりました。スマホに話しかけると文字起こしされ、コミュニケーションを支援しています
「うちの音声認識技術『AmiVoice(アミボイス)』が使われています。UDトークの話を出すと、『この会社ですか』と分かっていただくことが増えました。経団連などの情報交換の場でも役に立つことが多いですね」
――音声認識技術はどのような状況で威力を発揮しますか
「コールセンターで電話のかけ手と受け手のやり取りを文字化することが可能です。難しい住所や日本語特有の同音異字などの入力も実現しています。これはGAFAにはできないところです」
――医療機関でも使われているとか
「コロナの環境下では、クリニックの先生が残業時間を使ってデータ入力しているとニュースになりましたが、住所や氏名、記号などの入力もオペレーターがしゃべるだけで全部できます。ほかではそこまでの精度は出ていません。これがうちがトップシェアの理由です」