改竄の有無について、参院予算委員会理事会で、6日に「調査中」などと「ゼロ回答」に徹した。8日の理事会には、何と改竄後の文書をそのまま「原本」として提出した。
野党が猛反発し、審議を拒否したことも理解できる。財務省の対応は「確信犯」のようで、国会を愚弄する行為だからだ。
「官庁中の官庁」とは思えない、今回の対応をどうみるか。
前出の官邸周辺は「財務省による『安倍官邸への反逆』と受け取る向きが多い。安倍政権になった2012年以降、悲願である消費税増税を2回も延期され、『財務省が蔑ろにされている』と不満をためていた。麻生氏に対しても、増税先送りを容認し、財務省の影響力を低下させたため『力がない大臣』『無能』と見下しているようだ」と分析する。
麻生氏への不満は、財務省の対応に如実にあらわれている。
国交省が改竄の可能性を報告した翌6日には、安倍首相や菅義偉官房長官には内容が伝わっていたが、麻生氏には「すべてをまとめて、11日に報告した」(太田氏)という。
所管官庁を掌握していない麻生氏も問題だが、財務省側の対応も尋常ではない。
麻生氏は、早ければ4月上旬にも辞任するとの見方が浮上している。
自民党関係者は「麻生氏も内心、財務省に激怒している。省内の病巣を一掃する強い決意を持っている。辞めるのは、それからだ」と話す。
「官邸vs財務省」「麻生氏vs財務省」のバトルが、本格化するのか。