経済動学
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/24 02:46 UTC 版)
「一般化モーメント法」および「経済成長理論」も参照 一方で新古典派マクロ経済学は、ケインジアンに対抗しつつ新しい古典派の研究として結実した。その過程において、経済動学を扱うモデリングを必要とすることが明らかになり、動学的最適化の手法がマクロ経済学にとって必要不可欠となった。現在の経済動学における数理経済学は、差分方程式を用いつつ離散型力学系のモデルを援用した動学的計画法における多期間最適化を議論することになる。例としては最適成長モデルや世代重複モデルなどの議論があるが、世代間の個人消費や異時点間でどのように資源を配分して個人が消費を決定するかなどを想起すると分かりやすい。有名なリカードの等価定理や等価定理を拡張したロバート・バローの中立命題は、動学的なモデリングがもたらすインプリケーションの好例となる。また、確率過程を導入した合理的期待や条件付行動などの応用は、ランダムウォーク解釈やマンデルフレミングモデルにおける財政政策および金融政策の有効性・無効性など、その応用や拡張は現実の経済にも影響を及ぼしている。また、従来は避けられる傾向にあった計量経済学といった分野との並立も、その可能性を広げている。特に、新しい古典派モデルにおける確率過程の援用や、カリブレーションと呼ばれるモデルから予想される予測値と実際のデータとの比較によって、議論が陶冶されている。
※この「経済動学」の解説は、「数理経済学」の解説の一部です。
「経済動学」を含む「数理経済学」の記事については、「数理経済学」の概要を参照ください。
経済動学と同じ種類の言葉
- 経済動学のページへのリンク