11月14日(火)邪念や感情を捨てて目指すこと
9時半に出社。
急いで11月刊行の新刊、北村薫『神様のお父さん』の新刊〆作業。今回はトーハンの「en CONTACT」の事前注文を忘れずに吸い上げることに成功する。いつも注文データをアップロードするときに気づき、データを作り直すという二度手間をしていたのだ。大いなる進歩。
午後、矢部潤子さんが出版流通学院で講演されるということで、その司会進行のため日販のイベントスペース「オチャノバ」へ。
「誰が本を売るのか」と題して、矢部さんの本を売るということの具体的な方法やスタッフ教育についてお話いただくが、矢部さんの話は、とにかくお客様に本を買ってもらう、という目標・目的に収束するのだった。
ふと思い出したのは先日訪問した日本橋のタロー書房で、大ベテランの店長Sさんからお話を伺った際に、書店の厳しい現状について話された後に、私に向かって「売れる本を作ってくださいね」と頭を下げられたのだった。
本屋さんが「お客様に本を買ってもらう」という一点に集中しているならば、出版社である私は「売れる本を作る」ということ一点に集中しなければならない。
邪念や感情を捨て、そこのみを目指していこう。
帰宅すると、今朝あげた図書カードで、娘がたくさん本を買ってきていた。
その中に角田光代さんの『対岸の彼女』があったので、「父さん、その上から2番目に積んである作家さんと飲んだことがあって、「杉江さん、お寿司は無理して食べないでいいけれど、ピザは食べられるようになった方がいいと思う」って真顔で言われたんだよ」と自慢げに報告したところ、尊敬と侮蔑の半々の眼差しを向けられる。