タワーレコードが中古CDの販売を始めたこと

土曜日にタワーレコード新宿店に行ったところ、10階の洋楽新譜コーナーがある辺りの様子がいつもと違うのでよく見たところ、棚3つに中古盤CDが割とびっしりめに並んでいました。

タワレコ、中古盤の買い取りはアナログだけでなくCDでも随分前からやっていることは告知されていましたし、アナログの販売は元々新宿店のフロアにできたTOWER VINYLで開始され、その後渋谷に移転、改装を経て割と大きく展開しています。
なので、TOWER VINYLがなくなった後の新宿店は、置いてあるアナログは全部新品で、そういう中でCDだけ中古取扱いを行っているという、何となく昨今ではいびつな感じもする展開です。

そもそもタワーレコードが1981年に自主店舗を初めて渋谷にオープンした際は、「洋楽の新品輸入盤」の専門店でした。
渋谷ハンズの斜め向かい、現在はサイゼリヤが入っている場所です。

その後洋楽国内盤もちょろちょろ置き始めましたが、大々的に国内盤や邦楽の販売が始まったのは1990年の大阪・心斎橋店。渋谷店でも1995年に現店舗に移転した際に大々的に導入されました。

タワレコでの中古盤販売は、イベント的に短期で行われたことはあったような気がしますが、基本的には新品のみの取扱いで。
なので、中古盤を大々的に取り扱い始めたのは結局2019年に新宿にTOWER VINYLができた時にアナログ盤で、ということになります。

TOWER VINYL用に買い取りを開始した時点でCDの買い取りも受け付けていたはずなので、今回の中古CD販売開始は満を持してという感じなのですが、その割には特に大きく告知もせず始まったので、集まりが悪いのか、どういう方針で行くか決めかねているのか。

「決めかねている感」は、今日渋谷店に行ってみて感じました。
新宿店では完全に中古盤は中古盤で1カ所にまとめて展開していたのですが、渋谷店の洋楽フロアはそれとは違って従来のABC順の棚に中古盤も一緒に並べる形の、いわば「ディスクユニオン・メソッド」。

ただ、洋楽フロアでそれを見て「タワーレコード規模のチェーンが、J-POPでそれをやったら各レーベル大変に嫌がるだろうな」と思いながらJ-POPフロアに降りると、ここではあいうえお順の棚には中古盤一切並んでない。
フロア中探したところ、ワゴンセールみたいに小さくまとめられていました。なるほど。

こうやって複数の展開で開始していって様子を見ながら各店舗にどう展開していくのかを考える、みたいな感じでしょうか。
ただ、直近のタワーレコード最大の課題は、特に洋楽で顕著な「カタログ不足」。

J-POP界隈もばんばんシングルCDをリリースすることは稀になりましたし、洋楽は国内盤リリースの数は正味すごく減っていますし、輸入盤は、輸入しようにもそもそも本国でもCDは作ってなかったり、作っていても海外にまとまった数を輸出できるほどではなくて日本まで入ってこなかったり。
輸入できても各店舗に配分するほど数がなかったのか、店舗に在庫がなかったのでTOWER ONLINE調べてみたら、そこには在庫あった、みたいなこともありました。

とりあえず、都市圏・地方ともタワーレコード、フロアのスカスカっぷりがかなり辛いので、中古盤をガンガン展開して何とか埋めてほしいです。