毎年、東南アジア全域で、陰暦9月に開催される九皇大帝祭は、道教の教えに基づく9日間の祭祀だ。タイのプーケットでは、〈テサガン・キンジェー〉もしくは〈菜食週間〉として尊ばれている。
伝説によると、現地を支配していた華僑たちが流行病で甚大な被害を受けた。しかし、みんなが菜食生活に切り替え、九皇大帝に祈りを捧げると、病が快癒したという。それを記念し、現在でもキンジェーのあいだ、地元住民は菜食生活を実践し、性行為、アルコールを慎み、白い服を着用するなど、祭祀の十戒を守っている。
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祭祀のなかには、串刺しの儀式がある。2015年9月、写真家のジゼル・ナターシャは、祭祀を体験するためにプーケットへ向かった。彼女が撮らえたのは、頬、舌、身体を串刺しにした〈マーソン(憑依された人)〉たちの姿だ。九皇大帝の魂がマーソンに憑依しているため、身の毛もよだつ儀式で身体を痛めつけてもダメージを免れる、とみんなが信じている。
串刺しにされると、マーソンは、真の心の平穏と健康を得られるそうだ。また、地元住民に話を聞いたところ、マーソンが痛みを引き受けてくれるおかげで、地域の罪が浄化されるという。何と利他的な行為だろう。
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This article originally appeared on VICE US.