雲上ブログ〜謎ときどきボドゲ〜

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一般文芸全体とライトノベルを図解

あと、“文壇”というのだろうか、純文学やら一般文芸やらの構造がわからない。
ラノベなら、大手レーベル3つ*1、中堅レーベル3つ*2、新規レーベルが3つ4つ*3、というのがコアにあって、電撃ハードカバーや富士見のStyle-Fがあって、隣国として講談社ノベルス・BOXやハヤカワみたいなのがあって。という分かりやすい構造になっている。
一般文芸はどうなってんだろう。桜庭一樹や有川浩はいまどのあたりに立っているのか。さっぱりわからんのよなぁ。模式図とかないだろか。

http://d.hatena.ne.jp/sunanotori/20070806/1186327583

 説明しよう!
……と、格好よく説明することができれば格好いいのですが、秋山も一人前に語ることができるほど詳しいわけではありません。とは言え、ライトノベルを専門的に読んでいる方に比べたら、すこしは知っているので、自分の知識を整理しつつ、以下に諸々まとめてみました。

ライトノベルのフローチャート

段階 シリーズの状態
第7段階 アニメ化される(2回目〜)
第6段階 ゲーム化される
第5段階 アニメ化される
第4段階 マンガ化される
第3段階 ラジオドラマ化・CDドラマ化される
第2.5段階 グッズが作られる*1
第2段階 2巻が刊行される、シリーズ化
第1段階 1巻が刊行される

 上記はライトノベル作品にとって、理想的と思われる形態を、段階を追って記したものです。シリーズの巻数を積み重ね、メディアミックスを進めることが、各シリーズの目標と思われます。

ライトノベルのレーベル

規模 レーベル名
大手レーベル 電撃文庫
富士見ファンタジア文庫
角川スニーカー文庫
中堅レーベル ファミ通文庫
MF文庫J
スーパーダッシュ文庫
新規レーベル HJ文庫
GA文庫
ガガガ文庫
ゼータ文庫

 id:sunanotori:20070806:1186327583を参考にさせていただきました。

一般文芸の内側


 作品は、その作品が掲載された雑誌によって分類されます。

文芸誌 中間小説誌 大衆小説誌
文學界(文藝春秋)
新潮(新潮社)
群像(講談社)
すばる(集英社)
文藝(河出書房新社)
オール讀物(文藝春秋)
小説新潮(新潮社)
小説現代(講談社)
小説すばる(集英社)
野性時代(角川書店)
小説宝石(光文社)
別册文藝春秋(文藝春秋)

等々
S-Fマガジン(早川書房)
ミステリマガジン(早川書房)
メフィスト(講談社)
ミステリーズ!(東京創元社)
怪(角川書店)
幽(メディアファクトリー)
電撃hp(角川書店)
ドラゴンマガジン(角川書店)
ザ・スニーカー(角川書店)

等々

読み替え表

ライトノベルの様式 → 一般文芸の様式
レーベル → 出版社
シリーズ → 作家
メディアミックスの進行度 → 文学賞をどれだけ受賞しているか

文学とエンターテイメントにおけるフローチャート

段階 文学作家の状態 エンターテイメント作家の状態
第7段階 ノーベル文学賞を受賞する
第6段階 純文学の文学賞の選考委員になる 大衆小説の文学賞の選考委員になる
第5段階 純文学の公募新人賞の選考委員になる 大衆小説の公募新人賞の選考委員になる
第4段階 芥川龍之介賞を受賞する(文藝春秋主催) 直木三十五賞を受賞する(文藝春秋主催)
第3段階 三島由紀夫賞を受賞する(新潮社主催) 山本周五郎賞を受賞する(新潮社主催)
第2段階 野間文芸新人賞を受賞する(講談社主催) 吉川英治文学新人賞を受賞する(講談社主催)
第1段階 新人賞を受賞しデビューする 新人賞を受賞しデビューする

 よりイメージしやすいように基本となる賞を書きましたが、第2段階と第3段階は絶対に必要なものではありません。ライトノベルがときにラジオドラマ化やマンガ化といった工程を飛ばして、アニメ化されるように、芥川賞と直木賞以外の文学賞は必ずしも必要というわけではありません。

一般文芸の出版社

規模 出版社名
大手 文藝春秋
新潮社
講談社
中堅 集英社
角川書店
光文社
河出書房新社

 出版社の御三家と言えばジャンプ・マガジン・サンデーをそれぞれ持っている集英社・講談社・小学館です。上記の表は、企業の規模ではなく、一般文芸における規模を表にしてみました。

ジャンル小説の賞&ランキング

ミステリ系 SF系 その他
日本推理作家協会賞
本格ミステリ大賞
このミステリーがすごい!
本格ミステリ・ベスト
週刊文春ミステリーベスト10
日本SF大賞
星雲賞
SFが読みたい!
本屋大賞
キノベス
BOOK OF THE YEAR*2
ライトノベルサイト杯
Booksランキング*3

 うえのフローチャートで言えば、第1段階と第2段階の間にある賞&ランキングです。

桜庭一樹に関して

 以上を考慮すると、桜庭一樹は推協賞を受けたことでミステリ界に認められ、吉川新人賞および直木賞の候補に挙げられたことで、今現在、代表的な若手大衆小説作家と言えると思います。

有川浩に関して

 以上を考慮すると、有川浩は星雲賞とSFが読みたい!の常連であることから、注目されている若手SF作家と言えると思います。

謝辞

 フローチャートにおける各段階の進行度、および一般文芸の出版社における規模は、秋山の主観によるものです。不快感を覚える方もいらっしゃるでしょうが、分かりやすさを重視したと捉えていただければ助かります。また、データ的な部分に関しては、主にWikipediaを参考にさせていただきました。
 誤り等ありましたら、慎んで訂正させていただきますので、ご指摘をいただければ幸いに存じます。
 興味のある方が多いようであれば、面白い作品を書いているエンターテイメント作家の探し方や読み方、応援の仕方などについても書いてみようかと思います。
 最後までお読みいただき、ありがとうございました。

*1:図書カードや抱き枕、等

*2:ダ・ヴィンチ主催

*3:amazon主催