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追記

ご指摘があったので追記致します。

『同人誌セレクション』に関してですが、当時印税等の支払いはありませんでした。(そもそもKさんから「製造していない」と説明を受けていたもので)

後日、A社からの裁判の協力依頼の際に、A社の方から支払うと言って頂いたのですが、私が断りました。お金を支払われる事でこの問題が解決したと思われるのが嫌だったからです。

また、この本を見かけたという方からのコンタクトかありました。

昔の話なので、今も出回っているかはわかりませんが…

ご説明させていただいたように、この本は無断で発行されたものです。 ご購入なさらないようにお願い致します。

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■無断で「同人誌セレクション」を発行された件について

【はじめに】

私がデビューしてから少し経った頃、10年ほど前の話になりますので詳細な日付は残っていませんが、当時の記憶をできるだけ思い出して、経緯をご説明させて頂こうと思います。

かなり長い間引きずったことですので、時系列が多少混乱しているかもしれませんが、その辺りを踏まえた上で「こういう事があったんだな」と思って読んでくださるとありがたいです。

また、この記事は糾弾や批判が目的ではなく、こうした事が起こりえるのだということを知っていただきたくて書くものです。

何か起こった時に名前が表に出るのは作家であり、それゆえ作家の責任だと思われていることが、必ずしもそうとは限らないこと。また、責任がなくても、作家の立場からは状況説明や言い訳をしにくい環境があることを、少しでも知っていただければと思います。

また、確実に件の担当(Kさんとします)がやったという証拠はありません。ただ、手元に物証がありますので、その件に関してKさんとやり取りした部分、説明されたこと、また私が把握している起こったことだけ説明いたします。

言葉足らずな部分や、見苦しい点が多々あると思います。また、二次創作に関してのお話も含みますので、ご理解・ご了承ください。(ジャンル名は伏せていません。)

【事実関係】

・当時A社にいた担当Kさんから、同人誌をまとめた「同人誌セレクション」を出さないかと依頼される。

私は、二次創作を書店で書籍として発行するのに個人的に抵抗があったため、返信を少し保留した後、お断りする。

・後日、アマゾンやツタヤ、その他ネット上の書店に断ったはずの「同人誌セレクション」の購入ページが作られているのに気づく。

(2006年5月発売になっている)

表記は「在庫切れ」等だった。

問い合わせたところ、Kさんから「企画書をみせたらアマゾンへの取次が勝手にやった」「一緒に行った営業が書類を置いて帰ったせいだと思う」等の説明を受ける。

そういうこともあるのかな?と思ってページの取り下げをお願いする。

後日、取り下げられてないことに気づいて再度連絡。

上司の方とKさんが私に事情説明に来る。

「実は私からの返信が来る前に企画を通してしまったので、データ上その本が存在することになっているが、実際は作っていないし流通していない」との説明と謝罪を受ける。

その後ヤフオクで、製造されていないはずの本が出品されていることに気づく。

確認のため落札。届いたものがこちら。

(二次創作絵ですが、証拠のためにそのまま載せております)

・表紙、口絵

同人誌からのスキャンしたものを版下に使っているので、本物より色が濃く、解像度も荒い

・本文

※帯に「テニス、デスノ、オリジナル」とありますが、

二次創作部分は、『テニス』は表紙のみ。『デスノ』は8ページの話が一本。後は全く別の作家さんの原稿が掲載されていました。

また、私はオリジナル同人を出していないので、「同人誌セレクション」としてもおかしい…。

…と思ったら、当時の商業誌の原稿が一部転載されていました。

※内容ですが、順番的には

1,私の『デスノ』同人(8ページ)

2,別の作家さんの『デスノ』原稿(43ページ)

※この方がどなたなのかわからないので、ページは載せられないのですが…。

3、それ以外のページはすべて私の商業オリジナル作品

4、最後のページに友人からの「発行おめでとう」コメントつきページ。

これも友人はあずかり知らぬところで、絵は多分どこかから拾ってきた絵だと思います。連絡が取れていないので該当ページは載せませんが、『三國無双』のイラストでした。コメントも捏造されています。

そして、ちゃんとこの本はISBNコードがとられています。

今も、その本の購入ページはネットで確認することができます。

【この件について】

ここからは、私個人の気持ちも交えつつお話していきます。

少し長くなります。

この本がどういう経緯でヤフオクに流れたのかは、その時出品者の方と連絡をとって確認していないのでわかりません。

これ以後、この本を見かけたことはないので、もしかすると少数製造した本を廃棄かなにかして、それを誰かが持ちだしたのかもしれませんが…。憶測なので本当のところはわかりません。

当時、別の担当さんや信頼のおける人にも相談しましたが、結局のところ私が自分で動く勇気がなく、編集部に今後一切そちらの会社には関わらないこと、またここから出した単行本はもう扱わないで欲しいので絶版にして欲しい旨を伝えて、私はそのKさんからもA社からも去りました。

数年経って、A社から連絡があり、KさんをA社が訴えていることを知らされました。

細かい順序は忘れましたが、裁判に協力してもらえないか? とメールや電話にて言われました。しかし、そもそも私の件の説明がきちんと行われていないことや正式な謝罪がないこと、製造していないと言った本が実際には存在したこと等もあり、協力はしませんでした。私が知らされていないことがこの他にもたくさんあるように思われましたし、問題が起きた時にちゃんとした対応をしてくれなかったのもあって、納得がいかなかったからです。また、自分の発言をどう扱われるかも不安でした。

しかし、私のメールが私に断りなく法廷に提出されてしまい、この件に関しても私は当時とても怒ってA社に抗議しました。私のメールが開示され、私の名前が出たことを知ったのか、その後再びKさんから事情説明をしたいとメールで連絡がありました。その時には彼女は現在のB社に勤めている旨の記載もあり、事情説明時にB社の人間も連れてくるとありました。しかし、私はKさんがB社にいること自体は事前に友人から知らされていて、『過去に私はこういうことをされたんだよ』ということをその友人にも、B社の別の編集さんにも話してもいましたし、それを踏まえた上で雇っているのであればB社さんもどういうお考えでいるのかと思うと、気が進みませんでした。

当時自分の仕事がとても忙しかった上、正直な話、今までの経緯からまたKさんには適当な言い訳をされるだろうなと思ったのもあり、この件にはもう関わりたくない…という気持ちが強く、やはりお断りしました。

今更謝罪も欲しくはありませんでしたし、ただもう二度と起こさなければ、それでいいと思っていました。今度のB社は業界を代表する大きな会社だし、前のA社には訴えられているわけだし、あんな酷いことを何度も繰り返すとは思っていなかったというのもあります。

今思うと、私の対応も良くありませんでした。弱気と忙しさに逃げ、声をあげても誤魔化されたり、本当のことを知らされなかったりする事に疲れ、腹が立って、もういいやと投げてしまったのです。

当時はツイッターとかもやっていませんでしたし、こうした事を気軽に発言できる場所もありませんでした。

また、実際に『同人誌セレクション』という本の現物を確認してはいたものの、一般には流通していないことはほぼ間違いないと思われたので、世間には表沙汰になっておらず、改めて声を上げること事で注目されるのも恐ろしかったのです。

過去のトラブルで注目されて色々言われると、仕事先の方にもご迷惑がかかると思っていたし、なにより自分が予想されるいろんなことを受け止められないと思いました。対応の仕方もわからず、また二次創作に関わる件でもあったので、その時はKさんとのあれこれよりも、世間の反響のほうが怖かったんです。

多分似たように考えて泣き寝入りしてしまった作家さんもいるんじゃないかなあと思っています。

良い編集さんも、出版社さんもたくさんあります。

ですが、編集と作家はふたりきりでやり取りをすることが多く、会社がその経緯をすべて把握しているということはありません。作家には言い訳や説明をする場所が本当にないんです。

また、どんなに気をつけていても、無許可で、無断でされることは止めようがありません。

適当にごまかしたり、嘘をつかれたり、その場にいないからといって作家個人の我儘や怠慢として会社に報告され、処理されているものもあると思います。(別の出版社で別の担当でしたが、そういう経験が他にもありました) なので、何かおかしいな、理不尽だな、勝手にこんなことをされた、と思ったら、口約束や電話での対応じゃなく、メールとかにして文面を残すようにしてください。

また、契約書を必ずちゃんと確認すること。特に使用範囲等は良く相談したほうがいいと思います。そこで決めていない事には、後から言ってもどうしようもない場合があります。

謝罪や経緯説明も、本来なら正しく誠実になされるべきですが、この人は信用出来ないって思ったら、ボイスレコーダーの使用を考えてもいいと思います。

出版社側の複数の人に起こったことがわかるように事情説明をするのも有効だと思います。

そして、できるだけ早く信頼できる人に相談してください。

最初にも述べましたが、

こうした事は実際に起こりえるのだということ。

何かおかしな事が起こっても、作家は会社との窓口がその編集者しかいないので、その人が隠蔽してしまえば、作家本人もまわりも気づけない事があるということ。

作家も自分の状況を把握して、自衛する必要があるということ。

編集部はもっと個々の作家と各編集者とのやり取りに目を向けてもらいたいということ。何が起こっているかなるべく把握してもらいたいなということ。

その辺りを、お伝えしたかったからまとめてみました。

こうしたことは、出版業界やゲーム業界等、個人で活動するクリエイターさんは皆さん気をつけたほうがいいことなのではないかなと思います。

問題が起こってから後追いするような形になってしまったのと、10年近い月日がたってしまったこと、表沙汰にしたくなかったために水面下でしか動けなかったこと等、不甲斐なくまた申し訳なく思っています。

今も、こうしたことを公開することに迷いと抵抗がありますが、思ったよりたくさんの作家さんが大なり小なりトラブルに遭い、つらい思いをして黙ったままでいることを知っていますので、どうか今回の一連の件で作家さんが蚊帳の外で孤立して涙を飲むような事態が減りますようにと祈っております。

また、今回編集さんとの関係の問題点を色々述べましたが、編集さんは作家にとってはなくてはならない存在で、最初の読者であり、社会への窓口であり、作品に率直な意見を述べてくださる貴重な仲間でもあります。

どうか、良い関係でお仕事ができますようにと祈らずにはおれません。

【最後に】

はらだ先生もきちんと事情説明されたことですし、私も勇気を出して言わなくちゃと思ったので、こうして説明させていただきました。

少し感情的な文章になってしまい、読みにくいところも多々あるかと思いますが、ご容赦いただけると幸いです。

2015年10月16日

追記

今年の1月に私がツイッターで以下の発言をしたのも、流通してないはずの本が海外で販売されていることに驚き、(しかしこの件に関しての説明をする勇気はまだなく)関係者が気づいて、削除なりして動いてくれないかなと思って発言しました。知らないふりをしてしまって申し訳ありません…。

この記事を無断でまとめたりする行為は、ご遠慮ください。

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しばらくお待ち下さい。

まとめてます。

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