参拝客でにぎわう鎌倉市内屈指の古刹・長谷寺の境内に、何やらベールに包まれた場所があることが分かった――。
その名は「長谷寺文庫」。仏教関連書籍に特化した予約制図書館として昨年5月に開館したが、その「マニアックさ」もあり、存在に気付いている人はごくわずかという。知られざる全貌について同寺文化財室主席学芸員の三浦浩樹さんに話を聞いた。
専門書から漫画まで
長谷寺文庫があるのは、数年前に完成した境内書院の2階。40年ほど前に非公開で開設した「潮音(ちょうおん)文庫」を前身に、先々代住職の個人蔵書を少しずつ拡大していったという。「実は一般公開したいという考えは以前からあり、少しずつ準備を進めてきました」と三浦さん。約2年をかけて蔵書を整理し、昨年5月にオープンした。
現在、公開している蔵書は約1万冊。「仏教関係者なら誰もが知る」(三浦さん)という仏教が伝播した各地の漢訳仏典を網羅した『大正新脩大蔵経』(全88巻)など、そのほとんどは専門書だが、仏教の教えなどを子どもにも分かりやすいように漫画でまとめた『仏教コミックス』(全108巻)など、一般向け書籍まで幅広く取り揃えている。
懐かしのカード目録
専門書籍だけではなく、室内に備え付けられた木製の棚にも注目だ。小さな引き出しの中にはカード目録がギッシリ。過去に蔵書を管理していた司書がすべて手書きでまとめたもので、著者名や書名、キーワードなど、種類ごとに分類されている。
同文庫には現在、一般的な図書館で使われているオンライン目録や検索システムは導入されていない。目当ての本を探すには書庫を見て回るか、このカード目録を見るしかないため、「今時珍しくアナログなんです」と苦笑いする。
「大きな声では言えませんが、宣伝をしていないため、オープンからの利用者はまだ一桁台です」と打ち明ける三浦さん。その専門性もさることながら、定員は午前・午後各3人、1週間以上前にインターネットでの予約が必要という限定性も「知る人ぞ知る」となっている理由の一つ。市内の高齢者は福寿手帳で無料になるため、「気軽に利用していただけたら」と呼びかける。
詳細・予約は、長谷寺の「観音ミュージアム」ホームページ内「長谷寺文庫」のページへ。午前は9時から、午後は1時から3時間利用可能。現在は週末を中心に予約を受付中。拝観料(300円)が必要で、貸出不可。
問い合わせは同ミュージアム【電話】0467・22・6100へ。
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