ミュージシャンが政治を語るのが「NO」なのは日本だけ?

 アーティストの清春(52)が先日、都内で行われたトーク番組「MUSIC&TALK ジョー横溝チャンネル」(ニコニコ生放送)にゲスト出演した。

 同番組はアーティストを招き、様々な視点からトークする番組。今回はタイトル「ROCK NEVER DIE?」と題した内容で、清春は「ロック」をキーワードに武蔵大学社会学部教授の南田勝也氏、ホストMCで音楽ライターのジョー横溝氏と対談した。

 ロックについての思いを聞かれると、清春は「その時にあるものに寄り添っていたらダメ、美しくない」「主流なものはロックではない。僕は反対側にいたい」と思いを吐露。日本社会に「音楽に政治を持ち込むな」という意見があふれていることに対しては、「いまだにこういう声があるんですね。日本だけだと思います」と話した。

 なぜ日本ではミュージシャンが政治的発言をすると嫌がられるのか?

 ジョー氏は「そもそも歴史的にそういう土壌が日本にありませんでした」と解説する。

「日本のロックの発展は『ビートルズ』の影響からスタートしたが、その時代のビートルズは、まだ『アイドル』。よって、そこをまねた日本のロックがアイドル的な要素が色濃くなった。それに加えて、欧米は個人事務所が多いですが、日本は大手事務所、レコード会社に所属してないと、メディアに出ることができず売れるチャンスすらない時代だった。よって、メディアでの面倒を避けるために、自分の意見を持つアーティストは避けられる傾向にあったと思います」(ジョー氏)。

 だが、現在ではSNSやユーチューブなどのメディアも増えている。それでも「受け取る側も、アーティストが発言することに慣れてないので、まだ、時間がかかるとは思います。そういう中で、自分の意見を発言する清春さんのようなアーティストは貴重だと思います」とジョー氏。

 アーティストと政治の関係性はまだ発展途上のようだ。