1月5日放送
政治家が最も恐れる男

「政治とカネ」をめぐる事件が後を絶たない。

自民党派閥の政治資金パーティーを巡る裏金問題が明るみになる1年前、正月返上で膨大な政治資金収支報告書をひとつひとつ調べ上げていた男性がいる。神戸学院大学教授の上脇博之さんだ。

「どう考えても単純なミスではありえない。組織的に行われている」

東京地検特捜部が問題の解明に向けて動き出したのは、上脇さんの刑事告発がきっかけだった。

鹿児島県出身の上脇さんは3浪の末に関西大学に合格。学生時代は酒と麻雀に明け暮れた。その後、憲法研究者を目指し2浪して神戸大大学院に進学。1994年に北九州市立大学の講師になった。以降、研究者として長年変わらないバンダナ姿で「政治とカネ」の問題を徹底的に調べ追及し続けてきた。

大学で教鞭をとりながら、時間があれば収支報告書に目を通す。これまで書き上げた告発状は150件を超える。時間をかけて告発状を書き上げても不起訴になることも多い。けれど、上脇さんは絶対にあきらめない。

なぜ刑事告発を続けるのか―。その真意に迫り、闘い続ける上脇さんの姿を追う。

製作:MBS
ディレクター:吉川元基