Google、会話型検索を提供するAIモードを開発中か

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Googleは、より会話的でインタラクティブな検索体験を提供することを目指し、新たな検索機能として AI Mode(AI モード)を開発中であると The Information が報じました。

対話型検索へのアプローチ

AI モードと呼ばれるこの新機能は、検索されたトピックの簡単な要約を提供する既存の AI Overview をさらに進化させたものです。
AI モードは、Google の Gemini チャットボットのウェブバージョンに似た新しいインターフェースを提供します。

AI モードへのアクセス方法

AI モードは、検索結果ページの上部、検索ボックスの下にある、「すべて」、「画像」、「動画」などのタブの左側に表示されると言われています。
ユーザーが AI モードを選択すると、新しいインターフェースに移動します。
このインターフェースは、Gemini ウェブクライアントに似た外観になるようです。

Android Authority が、Google アプリの APK(アプリケーションファイル)を分解して、AI モードを有効にしています。
📝すずき注:インターフェイス上で有効になっただけで、実際には機能しなかったとのこと

検索ボックスの下にあるアイコン群のいちばん左、星マークが付いた虫めがねアイコンを選択すると AI モードに移行すると思われます。

AI Mode

会話型検索とフォローアップ質問

AI モードでは、ユーザーが検索クエリを入力すると、回答およびそれに関連するウェブページとその URL を提供します。
このモードの重要な特徴は、フォローアップの質問をユーザーができるように設計されていることです。
トピックをより深く、より詳細に探求できます。

AI Overview の前身である SGE ではフォローアップ質問できましたが、AI Overview ではこの機能はなくなりました。

SGE追加の質問
📷SGE では、追加質問できた

また、AI モードは、テキストだけではなく音声によるプロンプトをサポートし、ユーザーにハンズフリーのエクスペリエンスを提供します。

Gemini との統合と幅広いアクセス

AI モードの開発は、Google が Gemini をより広範囲に統合するための戦略の一環であると考えられます。
アクティブユーザー数において OpenAI の ChatGPT との競争に Google は苦戦していると報じられています。

検索プラットフォームを通じて Gemini を導入することで、何十億人ものユーザーが AI チャットボットにアクセスできるようにすることを Google は目指しています。
また、この新しい AI モードが検索エンジンのパフォーマンスも向上させるとも Google は考えているそうです。

社内テスト中

現在、Google 検索の AI モードはベータ版で、社内でテスト中です。
そのため、正式な公開時期や AI モードの実際の動作については不明です。
テストだけで終了し、一般公開しない可能性もあります。

OpenAI 開発の ChatGPT の登場に始まり、Google が対抗馬としてリリースした Gemini など、AI チャットボットの加熱ぶりも一段落しました。

しかしながら、検索とは異なり、誰もが Gemini を利用しているとは言い難いのが現状です。
AI Overview は概要を生成する機能であって、インタラクティブに対話できる AI チャットボットではありません。
Google 検索の標準機能とし AI モードが搭載されれば、Gemini が一般ユーザーに浸透する進展はおおいにありえそうです。