渡辺棋聖、飛車角4枚猛攻も及ばず 藤井七段の終盤力に脱帽「凄い鋭い」

[ 2020年6月9日 05:30 ]

第91期棋聖戦5番勝負第1局   〇藤井聡太七段  ●渡辺明棋聖 ( 2020年6月8日    東京・将棋会館 )

対局を振り返る渡辺棋聖(日本将棋連盟提供)
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 最終盤、飛車角4枚を手にした渡辺が猛攻を仕掛けた。角捨てに始まり、1度引き揚げた竜を敵陣へ送り込む。しかし届かない。両者合わせて30手以上の連続王手で迫ったが、静かに投了を告げた。

 「終盤、いろんな変化があったのでしょうがお互いに時間がなかった」。力を出し切った渡辺は、17歳の終盤力に「凄い鋭いですね」と脱帽した。矢倉の戦型選択には「意表を突かれたところはあった」。藤井が得意の角換わりを採用せず手探りで進めた進行に光は見いだせなかった。

 「後に節目と思うタイトル戦になる」。戦前そう意気込んだのは挑戦者の存在ゆえだ。36歳にして竜王、棋王の永世称号を持ち、タイトル獲得25期が歴代5位という栄光の棋歴にして特別な1日。羽生善治九段ら羽生世代との戦いにひと区切りをつけ、後輩棋士との戦いという第2ステージへ本格突入した。

 今後は過密日程とも闘う。9日に三重県鳥羽市へ移動し初挑戦する10、11日の名人戦7番勝負第1局に備える。2日制の名人戦が今月3局立て込む中、藤井とも戦う。「2局目からは手番が決まっている。準備して臨みたい」。先手番の第2局へ、切り替えに努めた。

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