日活青春スターの山内賢さん死去…がん闘病8年

[ 2011年9月25日 06:00 ]

68年6月、楽屋でたばこをくわえながらギターを弾く山内賢さん

 映画「悪太郎」などに出演した俳優の山内賢(やまうち・けん、本名藤瀬賢晁=ふじせ・のりあき)さんが24日午前4時53分、肺炎のため都内の病院で死去した。67歳。東京都出身。通夜は25日午後6時、葬儀・告別式は26日午前10時30分から、いずれも東京都杉並区永福1の8の1、和田堀廟所=(電)03(3323)0321=で。喪主は妻敦子(あつこ)さん。

 山内さんは03年夏、右肺にがんが見つかり、除去手術を行った。その2年後には食道や左肺に転移が見られ、入退院を繰り返した。07年にも再発し、闘病していた。脳にも転移していたという。

 敦子さんによると、この数年は自宅で療養していたが、9月13日に急に発熱して入院。そのまま自宅に戻ることはできなかった。22日には、敦子さんと息子2人に「みんなに感謝」と話したのが最後の言葉となった。最期は家族に見守られ、静かに息を引き取った。敦子さんは「俳優からリポーター、ミュージカル、歌といろいろやらせてもらい、本人は十分満足だったと思います」と話した。

 55年に映画「あすなろ物語」に主演した兄で俳優久保明(74)の少年時代を演じて銀幕デビュー。当時は久保賢の芸名で子役として活動し、高校卒業と同時に日活と専属契約を結んだ際、山内賢に改名。「雲に向かって起つ」(62年)で本格デビューを果たした。翌年には鈴木清順監督の「悪太郎」で不良少年役を好演した。

 「交換日記」(63年)などで和泉雅子(64)と共演し、日活を代表する青春スターに。66年には和泉とのデュエット曲「二人の銀座」も大ヒット。テレビ東京「いい旅・夢気分」など旅番組のリポーターとして活躍した。

 ◆山内 賢(やまうち・けん)1943年(昭18)12月9日生まれ。東京都出身。血液型A。趣味は登山で、著書に「山はいいなぁ元気になるよ」(98年)。

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