国際機関で働く職員の志に触れたジュネーブでの2週間
上智大学では毎年多くの学生が日本を飛び出して世界各国に留学しています。言語、文化、生活習慣の違いを乗り越えた先に見えたものとは。留学した学生たちの声を集めました。
プログラムに参加しようと考えたきっかけは何ですか。
関西から上京し上智大学に入学し、「せっかく東京にある上智大学にまで来たのだから、大学のプログラムの中から海外に行くことができるものはないか」と考えていたのがきっかけです。世界中から多くの人が集まるジュネーブという土地で、国連などの国際機関で働く人々がどのような人で、どのような志を持っているのか全く想像がつかず、興味を強く持っていたことが理由です。
留学前に不安に感じていたことはありますか。
中学3年生の時にフィリピンに語学留学をした時以来の留学であったことや、実践型プログラムという名前から英語で実践的なやり取りを行うのではと想像し、自分の英語力に不安を持っていました。一方、留学のために準備したこととして、とりわけ強く興味を抱いていたWIPO(世界知的所有権機関)を中心に事前学習をしました。ただ、軍縮会議日本政府代表部など、国連における日本の取り組みなどもう少し幅広く事前学習をしておけばよかったなと思っています。
大学や学生の雰囲気はどうでしたか。
実践型プログラムのため、現地で話す方の多くは国連やその他国際機関の職員さでしたが、多種多様な人種が集まるジュネーブという土地柄もあって、非常にオープンな雰囲気で丁寧に話を聞いてくださいました。ジュネーブにある国際機関は多くが17時で終業するため、19時ごろに日が沈むまでの2時間弱の間に観光をしたりピザやチーズフォンデュを食べたりして交友を広げていきました。
授業の様子、学習内容、試験などは日本と比較して違いがありましたか?
実践型プログラムのため、授業形式ではなくブリーフィングと質疑応答、就職案内、職場見学が中心でしたが、積極的な質疑応答を受け入れる雰囲気が日本よりもあったと思います。また、授業以外でも現地の職員の方との対話に力を入れました。カフェテリアや移動時間にも隙間を見つけてお話を聞いたりしました。
留学先ならではの魅力や、新たに気付いた点は何ですか?
徒歩圏内に主要な国際機関が多くあるジュネーブの特性上、一日に複数の国際機関に訪れることができるのが魅力です。第二言語として英語を学んだ人がほとんどのジュネーブは英語力を鍛えるという点でも非常に意味のある場所であると気づきました。
最も印象に残っている出来事や、衝撃を受けたことは何ですか?
とにかくごはんが美味しかったです。プログラムは非常に充実したものであるのは間違いないのですが、ピザ・チーズフォンデュ・ショコラ・パスタ・パンどれもが非常に美味しかったです。一方で、物価の高さと円安には少々苦労しました。ちょっとしたサラダも日本円で600円ぐらいと、食費に悩まされましたが、ホテルにキッチンがついており備え付けのフライパンなどの調理器具も充実していたため、プログラム参加者同士で料理をして楽しみながら乗り越えました。
留学の前後で比較して、成長できたと実感する点や意識が変わった点はどこですか?
国連職員の方の経歴が皆さん多種多様でありその経歴が自分自身で選んできた結果であることや職員の方に話しかけに行ったり料理を作ったり早朝にランニングをしたりなどの体験を通して、自分で考えて自分でする・学ぶ・楽しむことの重要性を強く認識するきっかけになりました。
留学経験は今後の人生にどう影響しそうですか?
「とにもかくにも留学するなら英語圏、アメリカ・カナダ・イギリス・オーストラリア!」という固定観念が変わっただけでなく、多くの職歴を経て国連職員になった方々の話を聞いて、何事においても前を向き進み続ける・変わり続ける生き方を今後の人生において貫いていこうと決心しました。
留学に行こうか迷っている人に一言
インターネット社会である現代で、間違った行動を晒され中傷されたりキレイ・カッコイイ・カワイイそんな完璧風な人や物を見る機会が多かったりして、完璧であることが求められているような気持ちになりやすい時代かもしれません。でも、「迷ったら進もう・進んでから考えよう」というのもいいと思います。