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2016 / 02 / 09
アマゾン ウェブ サービス ジャパン 株式会社
プロフェッショナルサービス コンサルタント
松本 照吾
【 AWS 初心者向け Webinar 】
AWS上でのDDoS対策
2
ご質問を受け付け致します!
質問を投げることができます!
• Adobe Connect のチャット機能を使って、質問を書き込ん
でください。(書き込んだ質問は、主催者にしか見えませ
ん)
• 最後の Q&A の時間で可能な限り回答させていただきます。
①画面右下のチャッ
トボックスに質問を
書き込んでください
②吹き出しマークで
送信してください
3
AWS 初心者向け Webinar のご紹介
• AWS についてこれから学ぶ方むけの
ソリューションカットの Webinar です
• 過去の Webinar 資料
– AWS クラウドサービス活用資料集ページにて公開
http://aws.amazon.com/jp/aws-jp-introduction/
• イベントの告知
– 国内のイベント・セミナースケジュールページにて告知
http://aws.amazon.com/jp/about-aws/events/
(オンラインセミナー枠)
4
自己紹介
名前:松本 照吾
所属:アマゾン ウェブ サービス ジャパン株式会社
プロフェッショナルサービス本部
セキュリティ コンサルタント
経歴:セキュリティコンサルタント (情報セキュリティ監査、ISMS、BCMS等)
好きなAWSサービス:リスクとコンプライアンスホワイトペーパー
5
アジェンダ
イントロダクション
攻撃領域を削減
スケールして攻撃を吸収
公開されたリソースを保護
通常時の動作を学習
攻撃に対する計画を作成
まとめ
6
アジェンダ
イントロダクション
攻撃領域を削減
スケールして攻撃を吸収
公開されたリソースを保護
通常時の動作を学習
攻撃に対する計画を作成
まとめ
7
DoS攻撃とは?
• DoS=Denial of Service attack
• 攻撃者がやりたいこと=サービスをさせないこと
8
DDoS攻撃とは?
• DDoS=Distributed Denial of Service attack
• 複数から攻撃すれば、より効果的な攻撃に
9
ターゲットはどこか?
分類 ターゲット 狙い 代表的な攻
撃例
割合 主な対処
Application
layer DDoS
attacks
アプリケー
ション層
アプリケー
ションリソー
スを消費
HTTP GET
Flood
15% WAFによるアプリ
ケーションレイヤ
保護、スケール
State-
exhaustion D
DoS attacks
トランス
ポート層
FW、IPS、
ロードバラン
サーなどのシ
ステムリソー
スを消費
SYN Flood 20% 有効なトラフィッ
クのみの受付
(CloudFront、
ELB)
Volumetric
DDoS attacks
ネットワー
ク層
ネットワーク
で処理が不可
能な大量のパ
ケットを送信
UDP増幅攻
撃
65% 有効なトラフィッ
クのみの受付
(CloudFront、
ELB)、スケール
10
攻撃の例:DNSリフレクター攻撃
・発信元のIPアドレスを偽装
・通信時にセッション確立が不要な
UDP
・大量の問い合わせをDNSサーバに
・問合せと応答のパケットサイズ
の差を利用
DNSを使った攻撃例
11
狙われやすい(やられやすい)環境とは?
• 攻撃を受け止めるキャパシティがない
• 単一障害点
• 攻撃対象の露出
12
AWSのセキュリティの考え方=責任共有モデル
AWS Foundation Services
Compute Storage Database Networking
AWS Global
Infrastructure Regions
Availability Zones
Edge Locations
Client-side Data
Encryption
Server-side Data
Encryption
Network Traffic
Protection
Platform, Applications, Identity & Access Management
Operating System, Network, & Firewall Configuration
Customer Applications & Content
Customers
13
AWSにおけるDDoS対策とは?
“Amazon API エンドポイントは、Amazon を世界最大のイン
ターネットショッピング業者にしたエンジニアリングの専門知
識を参考にして、大規模で、インターネット規模の、ワールド
クラスのインフラストラクチャにホストされています。専属的
な DDoS 緩和技術が使用されています。“
(「セキュリティプロセスの概要」ホワイトペーパーより)
14
お客様によるDDoS対策
• 次の5つの観点から対策を検討・実施
– 攻撃対象領域を削減する
– スケールして攻撃を吸収できるようにする
– 公開されたリソースを保護する
– 通常時の動作について学習する
– 攻撃に対する計画を作成する
15
レジリエンシーの高いAWSアーキテクチャの活用
• サービスを提供しているアプリケーションを止
めない設計を!
16
アジェンダ
イントロダクション
攻撃領域を削減
スケールして攻撃を吸収
公開されたリソースを保護
通常時の動作を学習
攻撃に対する計画を作成
まとめ
17
東京リージョン
Amazon Virtual Private Cloud (VPC)
• 特徴 (http://aws.amazon.com/jp/vpc/)
– AWS上にプライベートネットワークを構築
– AWSと既存環境のハイブリッド構成を実現
– きめ細かいネットワーク設定が可能
仮想プライベートクラウドサービス
VPC ( 172.16.0.0/16)
既存システム
プライベート
サブネット
パブリック
サブネット
インターネット
VPN
or
専用線
ネットワークを
要件に応じて設定
インターネット
ゲートウェイ
18
Amazon VPC を使用した脅威からの保護
ウェブ
アプリケー
ション
サーバー
パブリックサブネット
ssh
踏み台
NAT
ELBユーザー
管理者
インターネット
Amazon EC2
セキュリティグループ
セキュリティグループ
Gateway
セキュリティグループ
フロントエンドプライベート
サブネット
TCP: 8080
Amazon EC2
TCP:
80/443
バックエンドプライベート
サブネット
セキュリティグループ
TCP: 1433; 3306
MySQL db
TCP: アウトバウン
ド
TCP: 22
19
SSH踏み台ホストのセキュリティグループ(例)
• インターネットや特定のイ
ンターネットアドレスのレ
ンジよりTCPポート 22に
接続を許可
• このポートに対するDDoS
攻撃があった場合は、SSH
サービスのみが影響
• 不正アクセスの可能性を最
小化するために、ネット
ワークのPublic IPのレンジ
のみSSH要塞ホストのセ
キュリティグループとコ
ミュニケーションすること
を許可
20
ELBセキュリティグループ(例)
• インターネットからのTCP
ポート80と443のみを許可
し、リクエストをウェブア
プリケーションサーバー セ
キュリティグループのEC2
インスタンスに送信可能に
21
NAT Gateway(例)
• ソフトウェアの更新等のた
めにインスタンスのイン
ターネット接続を許可する
ため、Network Address
Translation (NAT)インスタ
ンスを作成
• NATインスタンスにより、
インターネットからのイン
バウンドの接続を拒否しつ
つ、プライベートサブネッ
トからインターネットへと
トラフィックを安全に通す
22
ウェブアプリケーションサーバセキュリティグループ
(例)
• ELBからくるウェブアプリ
ケーションのリクエストの
み受け付け
• 攻撃対象領域を最小化する
取組として、これらのイン
スタンスにはVPCのサブ
ネットのアドレスレンジか
らのプライベートIPアドレ
スしかアサインされない
• ELB セキュリティグループ
からのTCPポート80及び
443とSSH踏み台ホスト セ
キュリティグループからの
TCPポート22だけを許可
23
MySQLサーバセキュリティグループ(例)
• MySQLデータベースサー
バーはウェブアプリケー
ションをホストするEC2イ
ンスタンスからのみアクセ
ス可能に
• ウェブアプリケーション
サーバー セキュリティグ
ループのEC2インスタンス
からのみTCPポート3306
の接続を許可
24
ネットワークACL(例)
• Network ACLは伝統的なファイアウォールの
ように番号順に処理されるステートレスの
allow及びdenyルールを作れるようにすること
で追加の防御レイヤーを提供
• EC2のインスタンスレベルでトラフィックを許
可するセキュリティグループとは反対に、サブ
ネットレベルでトラフィックを許可したり拒否
したりするために便利
• 望ましくない、もしくは悪用の可能性のあるイ
ンターネットのIPアドレスかレンジを識別した
場合、denyルールによりそれらをアプリケー
ションに到達する前にブロック
25
アジェンダ
イントロダクション
攻撃領域を削減
スケールして攻撃を吸収
公開されたリソースを保護
通常時の動作を学習
攻撃に対する計画を作成
まとめ
26
スケールによる攻撃の吸収
• アプリケーションが対応できないレベルのトラフィッ
クを送信されるなら、受け止めてしまえばいい。
水平スケーリング:
インフラストラクチャの活用により、攻撃を広い範囲に分散
垂直スケーリング:
より多くのメモリ、CPU、およびキャパシティにより攻撃を吸収
27
スケールによる攻撃の吸収のメリット
• 攻撃は、より広い領域に分散され、影響する範囲に
ついては最小化される。
• 攻撃者は、攻撃をスケールアップするためにさらに
多くにリソースを消費する必要がある。
• スケーリングによって、DDoS 攻撃を分析し、対策
を実行するまでの時間を稼ぐことができる。
• スケーリングによって、その他の障害シナリオでの
冗長性のセキュリティレイヤーが追加される。
28
DDoS対策におけるスケーリングの活用
(1)アプリケーションに対して適切なイン
スタンスタイプを選択する
(2) Elastic Load Balancing や Auto
Scaling といったサービスを自動的にス
ケールするよう設定する
(3) Amazon CloudFront や Amazon
Route 53 など、AWS グローバルサー
ビスに組み込まれた固有のスケールを使
用する
Route
53
29
Amazon Elastic Compute Cloud(EC2)
スケールしてアプリケーション
や予期しないスパイクをサポー
トできるインスタンスタイプを
選択
拡張ネットワーキング
C3、C4、R3、D2、および I2
インスタンスでは、拡張ネット
ワーキング機能を有効に
コスト<ネットワーク接続
30
Elastic Load Balancing (ELB)
〜 AWSクラウド上のロードバランシングサービス 〜
ELBで実現できるシステム
 スケーラブル : 複数のEC2インスタンスに負荷分散
 高い可用性 : 複数のアベイラビリティゾーンにある複数のEC2インスタンス
の中から正常なEC2インスタンスにのみ振り分け
ELB自体の特徴
 スケーラブル : ELB自体も負荷に応じてキャパシティを自動増減
 安価な従量課金 : 従量課金で利用可能
 運用管理が楽 : マネージドサービスなので管理が不要
 豊富な連携機能 : Auto Scaling, Route 53, Cloud Formation… などと連携
31
Elastic Load Balancing (ELB)利用のメリット
• 特定のインスタンスのみが過負荷になるリスク
を最小限に抑える。
• インターネットへの公開はELBのみに。
• セキュリティグループやネットワークACLとの
組み合わせによる追加のレイヤーを提供
• 有効な TCP リクエストのみをサポート(UDP
や SYN フラッドなどの DDoS 攻撃は、インス
タンスに到達しない)
32
Auto Scaling
• 特徴 (http://aws.amazon.com/jp/autoscaling/)
– Amazon EC2インスタンス群を自動的に
スケール
– 耐障害性の向上(インスタンスの異常を
検知して、新しいインスタンスを起動)
– EC2インスタンスの起動料金の最適化
• 価格体系 (http://aws.amazon.com/jp/autoscaling/pricing/)
– Auto Scaling自体の利用は無料
– Auto Scalingによって起動されるEC2インス
タンスの起動料金
• Spotインスタンスとしても起動可能
EC2インスタンスを負荷またはスケジュールに応じて自動増減
Auto Scaling group
Desired
Capacity
必要に応じて
追加される
Capacity
起動設定
• インスタンスタイプ
• AMI
• Spot入札価格 など
33
Auto Scalingを活用するうえでの注意点(1/2)
• サーバーの起動と設定に要する時間
– アプリケーションの起動に 5 分以上かかる場合は、複数のインスタンスに
おいてアプリケーションを事前に実行状態にしておくか、スケーリングの
しきい値を低くすることを推奨
• アプリケーションのパフォーマンスと最も関連性が高い
メトリックスの特定
– DDoS 攻撃を示すメトリックスの例
(CPUUtilization、NetworkIn、StatusCheckFailed など)
• Auto Scaling グループの一部として使用する可能性があ
る既存リソース(EC2 インスタンスや AMI など)
– Auto Scaling グループに対して攻撃を受けている状態でもアプリケーショ
ンを実行しつづけるためには、同じタイプのインスタンスまたはより高い
キャパシティーが必要
34
Auto Scalingを活用するうえでの注意点(2/2)
• Auto Scaling グループに含める AZ の数
– 最低でも 2 つの AZ を推奨
• スケールアップおよびスケールダウンを行う速度
– DDoS 攻撃は波のように押し寄せることに注意。最初の攻撃の後で
スケールダウンしたが、結局再度スケールアップしなければならな
くなる状況は避けたい。
• Auto Scaling グループでの EC2 インスタンスの最
大数
– インスタンスが追加されると、コストも増える可能性がある。
Auto Scaling ポリシーを作成するときは、インスタンスの最大数を
設定可能(最大数に達したときのアラームを設定可能)
35
Amazon CloudFront
• 高性能な分散配信
(世界54拠点のエッジサーバ) ※2016年1月時点
• 高いパフォーマンス
(業界トップクラスのパフォーマンス測定結果)
• キャパシティアクセスからの開放
(予測不可能なスパイクアクセスへの対応)
• 完全従量課金
(初期費用がなく安価かつスポットも利用可能)
• 設定が容易で即時利用が可能
(GUIからの設定で15分程度でサービス利用開始可能)
36
複数のエッジによるトラフィック分散
転送
攻撃者
AWS
リージョン
AWS
エッジ
AWS
エッジ
AWS
エッジ
AWS
エッジ
クライアント
クライアント
トラフィックのフィルタリング
(有効なTCP接続とHTTPリクエストのみ)
37
DDoSの標的としてのDNS
• DNSは単一障害点に
• アプリケーションが利用
可能でも名前解決ができ
なければ“使えない”
• DNSはUDPを利用
38
• AWSの提供する権威DNSサービス
– DNSはドメイン名をIPアドレスに変換するインターネット上の「電話帳」
– “Route 53” はDNSサーバがポート53番で動作することに由来
• AWS上で高可用性、低レイテンシなアーキテクチャを実現す
るツール
– ポリシーベースの柔軟なトラフィックルーティング、フェイルオーバー、トラ
フィックフローなどの機能により、様々な条件に基づくルーティングが可能
• 高い可用性を提供
– DNSはインターネットの根幹のサービス
– Route 53 は 100%のAvailabilityのSLAを提供
• マネージドサービスとして提供
– DNSサーバーの設計・構築・維持管理が不要
– 冗長性・性能・セキュリティ等は全てAWSにて管理される
Route
53
Amazon Route 53 とは
39
Route53によるスケーリングとDDoS対策
• シャッフルシャーディング
– 数多くのエンドポイントに DNS リクエストを分散させ、アプリケーションの複
数のパスとルートを提供します。
• Anycastルーティング
– 複数の PoP から同じ IP アドレスをアドバタイズすることで冗長性を高めます。
DDoS 攻撃が 1 つのエンドポイントを攻略した場合、シャッフルシャーディン
グによって障害が分離され、インフラストラクチャに追加のルートが提供され
ます。
• ヘルスチェックとDNSフェイルオーバー
– DNSクエリで正常なリソースのみを使用
40
アジェンダ
イントロダクション
攻撃領域を削減
スケールして攻撃を吸収
公開されたリソースを保護
通常時の動作を学習
攻撃に対する計画を作成
まとめ
41
リソース保護の概要
転送
攻撃者
AWS
リージョン
AWS
エッジ
AWS
エッジ
AWS
エッジ
AWS
エッジ
クライアント
クライアント
アプリケーションへの
エントリポイントを減らせない
Amazon CloudFront、Amazon Route 53、およびウェブア
プリケーションファイアウォール(WAF)によるエントリポイ
ントへのアクセス制限、保護が必要
42
CloudFrontによるDDoS緩和技術
• 全てのディストリビュー
ションは共有IPスペース
でユニークなコンビネー
ションを保持
• 特定のIPスペースがア
タックされた場合にどの
ディストリビューション
がアタックされたか特定
• 特定されると、DDoSト
ラフィックを他の正常な
トラフィックから切り離
し、配信基盤と顧客を保
護
CloudFront edge location
CloudFront edge location
DDoS attack
DDoS attack
users
users
distribution
distribution
distribution distribution
Distribution Signatures
43
CloudFrontによるDDoS緩和技術
• 独自のDDoS緩和システム
でサービスベースの防御
• 全てのパケットは検査され、
学習アルゴリズムでスコア
リングされる
• 他ユーザートラフィックは、
インラインシステムが可用
性、スループット、レイテ
ンシに影響を与えずに迅速
に対応
Customer’s
Origin
Infrastructure
(ELB, EC2, S3,
etc).
CloudFront
Route 53
CloudFront
Route 53
DDoS
Attack
Users
DDoS Mitigation
System
DDoS Mitigation
System
Edge Location AWS Region
DDoS への対処
44
最近のDDoS 攻撃排除例
• Route53の34のエッジロケーションを標的としたDNS フラッド攻撃
• ピークボリュームは今までのDDoSのトップ4%に入る規模 (source: Arbor Networks)
• 自動的に検知を行い、可用性に影響を与えることなく緩和
• 毎年数百件のアタックを鎮静化
May 6, 2015
45
最近のDDoS 攻撃排除例
• Route53の34のエッジロケーションを標的としたDNS フラッド攻撃
• ピークボリュームは今までのDDoSのトップ4%に入る規模 (source: Arbor Networks)
• 自動的に検知を行い、可用性に影響を与えることなく緩和
• 毎年数百件のアタックを鎮静化
May 6, 2015
Amazon Route 53 Response Time
46
CroudFrontのセキュリティ機能
• セキュア配信
– HTTPS対応 (強制リダイレクト / HTTPSのみ許可)
– SSL証明書
(デフォルト / 独自証明書 / SNI / Certification Manager)
– オリジン暗号化通信
– GEOリストリクション (Whitelist / Blacklist)
– オリジンカスタムヘッダー
– 署名付きURL/Cookie (有効期間指定)
– AWS WAF連携
47
GEOリストリクション
• 地域指定によるアクセス制御
– 接続されるクライアントの地域情報を元に、エッジでアクセス判定
– BlacklistもしくはWhitelistで指定可能
– Distribution全体に対して適用される
– 制限されたアクセスには403を応答
CloudFront Edge
接続クライアントの
地域情報をもとに判定
クライアント
GEO Restriction有効
オリジンサーバ
403
48
署名付きURL/Cookie
• オリジンサーバの保護
– オリジンがAmazon S3の場合、Origin Access Identity(OAI)を利用
• S3のBucketへのアクセスをCloudFrontからのみに制限
– カスタムオリジンの場合、下記の2種類が選択可能
• オリジンカスタムヘッダーを利用し、CloudFrontで指定された任意のヘッダーをオリジン側で
チェック
• オリジン側のアドレスを公開しないとともに、CloudFrontが利用するIPアドレスのみの許可させる
– CloudFrontが利用するIPアドレスは下記URLから取得可能
https://ip-ranges.amazonaws.com/ip-ranges.json
– JSONフォーマット
» Serviceキーの“CLOUDFRONT”でフィルタすることで抽出可能
CloudFront Edge カスタムオリジンサーバ
S3
クライアント
OAI
IP制限/
ヘッダ−制限
クライアント
ダイレクト
アクセス
ヘッダー付与
49
CloudFrontとAWS WAFの連携
• AWS WAFで定義したWeb ACLをCloudFront Distributionに適用
可能
– CloudFrontをサービスの前段に配置することでサイトの保護を実現
– AWS WAFでの制御
• IPアドレス制限 / SQLインジェクション / ヘッダー, クエリ等のStringマッチ
– AWS WAFの内容が即時反映
– ブロック時は403(Forbidden)を応答
CloudFront Edge
クライアント
不正なアクセスを
ブロック
オリジンサーバ
403
50
Route53によるリソース保護
ーALIASリソースレコードセット
• ALIASレコードとは
– Route 53固有の仮想リソースレコード
– DNSクエリに対して、以下のAWSサービスのエンドポイントのIPアドレス
を直接返す(通常はCNAMEを利用)
• 静的ウェブサイトとして設定されたS3バケット
• CloudFront ディストリビューション
• ELB
• ホストゾーン内のリソースレコードセット (複雑なポリシーの作成で使用)
• ALIASレコードを使うメリット
– DNSクエリに対するレスポンスが高速
– Zone Apexが利用可能
– ALIASレコードに対するクエリが無料(S3, CloudFront, ELB)
エイリアスリソースレコードセットと非エイリアスリソースレコードセットの選択 - Amazon Route 53
http://docs.aws.amazon.com/ja_jp/Route53/latest/DeveloperGuide/resource-record-sets-choosing-alias-non-alias.html
51
Route53によるリソース保護ープライベートDNS
• プライベートホストゾーンとは
– VPCに閉じたプライベートネットワーク内のDNSドメインのレコードを管理するコンテナ
• VPC内のDNSドメインに対して、どのようにトラフィックをルーティングするかを定義
– インターネットにリソースを公開せずに、名前解決が可能
– 1つのプライベートホストゾーンで、複数のVPCをサポート
• 複数のVPCネットワークで、同じホストゾーンを利用可能
• 複数リージョンのVPCでも、同じホストゾーンを利用可能。ただしVPCが相互にアクセスできることが必要。
– パブリックホストゾーンと合わせて、スプリットビューが設定可能
• 制約・注意点
– Route 53 ヘルスチェックは利用できない
– ALIASレコードは、ホストゾーン内のRoute 53リソースレコードセットのみサポート
– プライベートホストゾーンを使用するには、以下のVPC 設定を trueに設定する必要がある
• enableDnsHostnames
• enableDnsSupport
52
ウェブアプリケーションファイアウォール(WAF)とは?
• Web Application Firewall (WAF) は、HTTPトラフィックを
フィルタなどの制御をするためのアプライアンスや、サーバプ
ラグインなどのルールセットのこと。
• WAFは以下4つで提供されることが多い
• Pure Play: スタンドアローンのアプライアンスやソフトウェア
• CDN: Content Delivery Networkへのバンドル
• Load Balancer: ロードバランサへのバンドル
• Universal Threat Manager (UTM): 統合セキュリティ管理
(UTM)の一部として提供
53
ウェブアプリケーションファイアウォール(WAF)の活用
• WAFは、Webサイトやアプリケーションが、攻撃されてダウン
したりデータが流出したりすることがないように手助けをする
• WAFの一般的なユースケース
• SQL Injection (SQLi) 、Cross Site Scripting (XSS)対策
• Webクローラ、スクレイピング等のBOT対策
• DDoS緩和 (HTTP/HTTPS floods)
• ガートナーのレポートによると、導入理由の25-30%はPCI-
DSS対応のため
• Magic_Quadrant_for_Web_Application_Firewalls.pdfによる
54
WAFによるDDoSへのリソース保護
• HTTPレート制限
– 特定の期間にわたりエンドユーザーごとにサポートされる HTTP
リクエストのしきい値を確立
– エンドユーザーがそのしきい値を超えると、WAF は新しいリクエ
ストをブロックまたはバッファリングし、他のエンドユーザーがア
プリケーションにアクセスできるように
• HTTPリクエストの検査
– 通常のパターンに準拠しないものを識別
– Ex.文字制限を超えているログインを防止、全件検索を防止
– 応答がコンピュータでないことを確認するテスト(Completely
Automated Public Turning test to tell Computers and Humans
Apart (CAPTCHA) テスト)や IP 評価リストの実装
55
AWS WAF
カスタムルールに
よるフィルタ
SQLインジェクション、
XSSなどの
よくある攻撃への対策
モニタリング
AWS WAF
• Amazon CloudFrontとの併用
• クラウドベースの防御
• セルフサービス、簡単なデプロイ、
使った分だけのお支払い
• オートスケール
• DevOpsと相性がいい
• “Do it yourself”
AWS WAFとMarketplaceの併用について
Marketplace WAFs
• EC2インスタンス上で動作
• マネージドサービス、BYOL、1時間単
位など様々
• スケールさせるには別途設定、変更点、
特別作業等必要
57
WAFサンドイッチ
58
ターゲットはどこか?
分類 ターゲット 狙い 代表的な攻
撃例
割合 主な対処
Application
layer DDoS
attacks
アプリケー
ション層
アプリケー
ションリソー
スを消費
HTTP GET
Flood
15% WAFによるアプリ
ケーションレイヤ
保護
State-
exhaustion D
DoS attacks
トランス
ポート層
FW、IPS、
ロードバラン
サーなどのシ
ステムリソー
スを消費
SYN Flood 20% 有効なトラフィッ
クのみの受付
(CloudFront、
ELB)
Volumetric
DDoS attacks
ネットワー
ク層
ネットワーク
で処理が不可
能な大量のパ
ケットを送信
UDP増幅攻
撃
65% 有効なトラフィッ
クのみの受付
(CloudFront、
ELB)
59
アジェンダ
イントロダクション
攻撃領域を削減
スケールして攻撃を吸収
公開されたリソースを保護
通常時の動作を学習
攻撃に対する計画を作成
まとめ
60
攻撃を受けていることを検知しよう
早期の発見=アラームが対応を加速
アプリケーションの正常と異常の切り分
けとベンチマーク化
61
Amazon CloudWatchとは
• AWSの各種リソースを監視するサービス
– AWSリソースの死活、性能、ログ監視 (監視)
– 取得メトリックスのグラフ化 (可視化)
– 各メトリックスをベースとしたアラーム(通知)、アクションの設定が可能
62
DDoS攻撃の推奨アラートメトリクス(1/2)
サービス メトリクス 説明
Auto Scaling GroupMaxSize Auto Scaling グループの最大サイズ。
AWS の請求 EstimatedCharges AWS 使用量に対する予想請求額。
Amazon CloudFront Requests すべての HTTP/S リクエストに対するリクエスト数
Amazon CloudFront TotalErrorRate HTTP ステータスコードが 4xx または 5xx であるすべ
てのリクエストの割合。
Amazon EC2 CPUUtilization 割り当てられた EC2 コンピュートユニットのうち、現
在使用されているものの比率。
Amazon EC2 NetworkIn すべてのネットワークインターフェースでの、このイン
スタンスによって受信されたバイトの数。
Amazon EC2 StatusCheckFailed StatusCheckFailed_Instance と
StatusCheckFailed_System の組み合わせで、どちら
かのステータスチェックが失敗したら報告します。
63
DDoS攻撃の推奨アラートメトリクス(2/2)
サービス メトリクス 説明
ELB UnHealthyHostCount 各アベイラビリティーゾーンの異常なインスタン
ス数。
ELB RequestCount 受信され、登録されたインスタンスにルーティン
グされた、完了したリクエスト数。
ELB Latency リクエストがロードバランサーから送信され、応
答を受信するまでの経過時間(秒)。
ELB HTTPCode_ELB_4xx
HTTPCode_ELB_5xx
ロードバランサーで生成される HTTP 4XX または
5XX エラーコードの数。
ELB BackendConnectionErrors 成功しなかった接続の数。
ELB SpilloverCount キューがいっぱいなため、拒否されたリクエスト
の数。
Amazon Route 53 HealthCheckStatus ヘルスチェックのエンドポイントのステータス。
64
CloudWatch Metrics
CloudWatch Logs
Amazon Linux Ubuntu
Windows Red Hat Enterprise Linux
CloudWatch Logs
CloudWatch Alarm SNS
Log Agent Log Agent
Log Agent Log Agent
• サーバ、アプリケーションリソースの監視
65
CloudWatch Logsを使ったログ監視
• デフォルトのメトリクスに加え、CloudWatch Logsを使っ
てOS、アプリケーション等のテキストログをモニタリング
• エージェント経由でログメッセージをCloudWatchエンドポ
イントに転送
• 例えば・・・
• アプリケーションログの特定の文字列「NullReferenceException」をモニタリング
• ログデータの特定の場所での任意の文字列(例: Apache アクセスログの「404」ス
テータスコード)の発生数をカウント
66
アジェンダ
イントロダクション
攻撃領域を削減
スケールして攻撃を吸収
公開されたリソースを保護
通常時の動作を学習
攻撃に対する計画を作成
まとめ
67
対応計画をたてよう
攻撃されているときに対応戦略を立てても、効果は期待で
きません。
• アーキテクチャを検証し、インフラストラク
チャにとって有効な手法を選択する。
• 弾力性を高めるためのコストを評価し、防御の
目標を理解する。
• 攻撃が発生したときの連絡先を明確にする
68
攻撃と課金(コスト)の問題
• AWSのリソースによる吸収=コストはかかる
• コストに対する許容度は組織により異なる
• コストと業務継続のバランス
• 異常を判定し、あらかじめ対応を考える
69
DDoSだけが“攻撃”とは限らない
• DDoSに紛れて他の攻撃が行われている可能性も。
• アクセスコントロールとアラート、ログにより、
“何が起きているか”を判定
• サービスを“止める”決断も必要かも
70
AWSサポートの効果的な活用
DDoS 攻撃の際により高いレベルのサポートを必要とす
るお客様は、次のメリットに基づいてエンタープライズ
サポートレベルをご検討ください。
テクニカルアカウントマネージャー(TAM)による
専属的なサポート
71
アジェンダ
イントロダクション
攻撃領域を削減
スケールして攻撃を吸収
公開されたリソースを保護
通常時の動作を学習
攻撃に対する計画を作成
まとめ
72
まとめ
• 責任共有モデルに基づき、AWSとお客様それぞれが対策を
実施する必要があります。
• AWSの様々なサービスの組み合わせにより、DDoS対策を
実現することが可能です。
• 攻撃を分散、許容する対策と、リソースを攻撃から保護し、
正当なトラフィックを許容する対策を組み合わせましょう。
• 対策の費用対効果を考えた実装をしましょう。
73
参考資料
• DDoSに対するAWSのベストプラクティス
– http://media.amazonwebservices.com/jp/DDoS%20White%20
Paper_Revised.pdf
• セキュリティプロセスの概要
– https://d0.awsstatic.com/International/ja_JP/Whitepapers/AW
S%20Security%20Whitepaper.pdf
• 「Amazon CloudFront から Edge Services へ 〜CDN
を再定義する AWS の新たな取り組み〜」(AWS Summit
Tokyo2015)
– http://media.amazonwebservices.com/jp/summit2015/docs/T
E-09-Tokyo-Summit-2015.pdf
74
Q&A
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詳しくは、http://aws.amazon.com/training をご覧ください
メリット
• AWS について実習や実践練習を通じ
て学習できる
• AWS を熟知したエキスパートから直
接 AWS の機能について学び、疑問の
答えを得られる
• 自信をもって IT ソリューションに関
する決定を下せるようになる
提供方法
e ラーニングや動画
セルフペースラボ
クラスルーム
トレーニング
AWSトレーニングでは様々な学習方法をご提供しています
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• AWSクラウド導入に関するご質問、お見積り、資料請
求をご希望のお客様は、以下のリンクよりお気軽にご相
談ください
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