
近年 いじめ が社会的に大きな問題・関心事になっています。いじめの認知件数や学校の対応、いじめによる不登校、専門家の意見などについて、テレビや新聞で目にする機会も多いです。
しかし、いじめの被害者・加害者双方の想いやその背景、原因について詳しく取り上げられることは多くありません。
今回から3回に分けて、実際にいじめを経験した中学生10人がその実態や原因について討論したときの様子 をお伝えしたいと思います。
テーマ1 私たちのいじめ体験(今回)
テーマ2 いじめの原因は何だろう
テーマ3 いじめをなくすために必要なことは何だろう
◆ICレコーダーに録音したものを記載しています。
◆個人情報保護の観点から、人物名などは変更しています。
◆討論の参加者は、私の塾に来ている生徒10人です。
◆討論に参加した10人は普段から気の合う仲間であり、このメンバー内でいじめがあったわけではありません。
◆テーマは生徒達が自ら考えたものです。
◆男子生徒の発言には●、女子生徒の発言には〇をつけています。
◆この討論の内容が、全てのいじめの実態や原因を表しているというわけではありません。本記事を制作するにあたり、記事化の提案・サポートをして下さった皆様に厚く御礼申し上げます。
◆個人情報保護の観点から、人物名などは変更しています。
◆討論の参加者は、私の塾に来ている生徒10人です。
◆討論に参加した10人は普段から気の合う仲間であり、このメンバー内でいじめがあったわけではありません。
◆テーマは生徒達が自ら考えたものです。
◆男子生徒の発言には●、女子生徒の発言には〇をつけています。
◆この討論の内容が、全てのいじめの実態や原因を表しているというわけではありません。本記事を制作するにあたり、記事化の提案・サポートをして下さった皆様に厚く御礼申し上げます。
テーマ1 私たちのいじめ体験
●「それでは、初めに自分たちが経験したいじめについて話し合いたいと思います。」
〇「順番に発表をし、意見が合ったらその場でどんどん言っていきましょう。」
●「俺から始めてもいいですか。俺は、小学校2年生のときにいじめにあいました。原因は名前です。俺ちょっと変わった名前しているから、それで悪口を言われました。」
●「A君の名前ってポケモンの名前だからそれでってこと?」
●「うん。掃除の時間に消しゴム背中に当てられて「A、ゲットだぜ!」とか、「〇〇(ポケモンの技)をやってみせてよ。」とかよく言われたんだ。俺、この名前元々気に入っていなかったんだけど、そうやっていじめられるようになってから余計に嫌になって。」
〇「名前を侮辱されると本当に嫌になるよね。それ分かるわ~。」
●「僕の場合、チビデブとか白豚とかかな。変なあだ名つけられて同じクラスの人から毎日言われるようになった。」
〇「それっていつぐらいから?」
●「どうだろう。小学校3年生のときからかな。っていうか、小3で言われて、その後中1でまた言われるようになったって感じだね。」
●「一旦はおさまったんだ。」
●「うん。担任の先生が超怒ってくれたから。中学のときも先生は怒ってくれたんだけど、うちのクラスのある男子は先生がどれだけ怒っても全然やめてくれないんだよね。その後、お前の顔見てるとアレルギーで全身がかゆくなるとか言われて。それで学校行くのやめちゃった。」
〇「ウチと似てるね。ウチも太っているから。すごく。それで、後ろの方の席の男子の視線が嫌だったんだよね。ウチが太っているからって休み時間こっち見ているし。マジでうざかった。ホント嫌だ。しかも、こっち見た後にコソコソ男子同士で話し合って。絶対悪口言ってるって、あれは。」
●「直接何か言われたことはないの?」
〇「うん。さすがに直接言ったらマズイって思ってたんじゃないの?」
〇「今はどうなの?」
〇「分からない。ウチ今保健室登校だから。」

●「俺はそれの逆バージョンだわ。去年俺のクラスにニキビ気にしてる奴がいたんだよね。それで、なぜかいきなり「俺がいじめてくる。」とか言い始めてさ。」
〇「何したの?」
●「なんにもしてないぜ。マジで。ただ他の友達と喋っているときに、たまたま目があっただけ。でも、「嫌な目つきをしてくる。」っていじめアンケートに書いたみたいでさ、先生に呼び出されたわけ。」
〇「ほら、それが良くないんだよ。女子はそういうの気になるから。」
●「でもたまたま目が合っただけだぜ?先生にも事情を聴かれてさ、たまたまですって言ったわけよ。本当だから。俺確かに見た目悪いけど、一応ちゃんとしてるから先生も分かってくれたみたいで、その後B子に「そんなつもりじゃなかったみたいだから気にしなくて大丈夫。」みたいな感じでいってくれたらしいさ。」
●「良かったね。」
●「いや、良くないんだって。B子のやつ、その後も何回も先生に「私いじめられています。」とか言ってさ。休み時間とかこっち睨みつけてくるわけ。それで、「また目が合った。嫌だ。」とかコソコソ言ってさ。ぶっとばしてやろうかと思った。そしたら、B子保健の先生とか国語の先生にも相談してたみたいなんだけど、ある日B子の親に呼び出されてさ。」
〇「うそ、どうなったの?」
●「校長室でB子の親がギャーギャー言ってるわけ。「ウチの子がCにいじめられているって言っている。あんたいい加減にしなさいよ。」とか言ってさ。俺は何もしていないし、先生たちも事情を説明して今B子のケア?をしているって言ったさ。でも、「ウチの子はいじめられているって言っているのに隠そうとするな。」とか騒いで俺に謝らせようとするわけ。先生たちは俺をかばってくれたんだけど、その後何人かの親で担任の先生に色々言って、結局先生辞めちゃった。そんで、俺も謝らされてさ。なんか、全部俺が悪いみたいな。バカらしくなって学校行くのやめたわ。」
●「C君の場合それが不登校の原因だったんだ。」
●「ああ。言ってなかったよね。だってやってらんねーもん。いじめてないのにB子も親も俺を犯人扱いして。先生も辞めさせられたし。」
〇「そっか。」

〇「私は、LINEの仲間外れかな。あとは変な噂。私学級委員とかやっていたんだけど、真面目ちゃんとか言われててね。それは別に気にしてないし、私正しいことしてただけだから。でも、クラスのLINEのグループから外されて。仲良かった子からも、○○のグループが何かしてるみたいだから気をつけてって教えてくれて。それからそのグループ内で私の悪口言い合ってて。」
●「そうなんだ。」
〇「それでどうなったの?」
〇「それから、私が理科の先生と付き合ってるとか噂が流れて。」
〇「うそ、やばくない?」
〇「実際に付き合ってなんかいないよ。ただ、私理科が苦手だから昼休みとか先生に質問に行ってたの。ただそういう噂とかすごくショックだったし、先生も色々言われたみたいで気まずくなっちゃって。それで、学校の先生じゃなくて理科は塾で勉強することにしたの。」
〇「結局噂の原因も、そのグループの子なの?」
〇「うん。「先生のこと狙ってたのに残念だったね~。」とか言われたから。」
●「性格悪。最悪だな。」
〇「私もネットによるいじめかな。うざいとか学校に来るなとか書き込まれたり。私はそういうの周りの人に知られたくなかったから、自分居場所ないなって本当に思っていた。学校に行かなくなったし、夜公園でフラフラしてることも多かった。そこで知り合った友達と一緒にグループつくって朝までしゃべって。その方が学校や家にいるより楽だったから。その時は、なぜか大人は全員敵だって思っていたな。いじめてきたのは同じクラスの子だけど、心配してくる先生や親が敵に思えて。」
〇「うん、言ってたね。」
●「どうやって立ち直ったの?」
〇「親に無理やり塾に入れられて。最初は「勉強なんかしねーよ。」「こんなところに来ても変わらない。」とか言ってたけど、ここでほら、1年生(小学校)や幼稚園児にひらがな教えたり、一緒に縄跳びや折り紙で遊んだりするやつあるでしょ。それをやっているときに、ちっちゃい子どもから「教えて。」とか「分かった。」とか「一緒にやろう。」とか言われて。あ、私にも居場所あるんだってね。そしたら楽になって、親とも普通に話せるようになった。」

〇「私はいじめた側だけど、ムカつく奴に「うざい。近寄るな。」って言った。あとは物隠したり。」
●「その子と何かあったの?」
〇「別に。ただうざかっただけ。私の学年崩壊してたから、みんなそんな感じだった。窓から給食投げたり配膳台を階段から落としたり。クラスみんなで授業始まるときに寝たふりしてそのままみんなで1時間寝たり、コンビニ行ってカップラーメン買ってきて食べたりとかもあった。週に1回は窓ガラス割れてたもん。」
●「○○中って荒れてるって有名だもんね。」
●「俺は、いじめられるのもいじめるのもどっちも経験あるな。小学生の頃は、物壊されたり嘘のラブレターを机の中に入れられてからかわれたり。」
●「ラブレターは嫌だね。」
●「負けたら告るとかもなかった?」
〇「あったわ~。」
●「そう、それ最悪だった。それで中学に入ったら、俺の学校〇〇小と××小の2つの小学校から来るんだけど、××小の生徒ってクラスに4人くらいしかしないんだ。それで、いつも1人でいる××小の男子がいたんだよね。その子、頭が坊主でじょりじょりしてたんだ。」
〇「バリカンでガーって感じ?」
●「そう。だから、俺が「頭すごいね。はげてるじゃん。なんでその頭なの?」って聞いたら、「安心して下さい。生えてますよ。」とか言うわけ。」
〇「何それ。ウケる。」
〇「あ~。お笑い芸人の?」
●「それですごい面白かったから友達に「あいつ面白いぜ。」って言って、みんなで言うようになったんだ。(「はげてるよ。」と)そしたら、毎回「安心して下さい。生えてますよ。」ってやって、俺らの中だといじられキャラになったんだよ。休み時間もそれをネタに遊んだりしてたんだけど。」
●「それ良かったね。1人じゃなくなったんでしょ?」
●「うん、俺も良かったって思ってたんだけど、なんかそれが嫌だったみたいで。少ししてから「なんでそうやっていじめてくるの?やめてよ!」って泣きながらめっちゃ言われた。」
〇「うそ。やば。」
●「良いと思ってたんだけどね。いじめだったらしい。」
●「きっと頭のこと何かあって嫌だったんだよ。」
この討論の続きは、後日別の記事で掲載いたします。次回のテーマは「いじめの原因は何だろう」です。
こちらの記事も参考にしてみてください
・それはSOSのサインです!思春期の子どもの口癖から分かる心理と対処法
・子どもがいじめられている!?そのとき親が行うべき対応とは
・新中学生の親が直面しやすい3つの問題とその対処法
・やっぱり不登校に家庭教師は効果的だった!子どもに与える2つの影響
・不登校でも高校受験は可能?その真実をお話しします
・「頑張れ」は絶対ダメ!?不登校の子どもへの正しい声かけはこれだ!
・思春期の不登校の3つの状態と子どもが親に望む2つのこと
・思春期のうつ病の症状と家庭でできる正しい対処法とは
・それはSOSのサインです!思春期の子どもの口癖から分かる心理と対処法
・子どもがいじめられている!?そのとき親が行うべき対応とは
・新中学生の親が直面しやすい3つの問題とその対処法
・やっぱり不登校に家庭教師は効果的だった!子どもに与える2つの影響
・不登校でも高校受験は可能?その真実をお話しします
・「頑張れ」は絶対ダメ!?不登校の子どもへの正しい声かけはこれだ!
・思春期の不登校の3つの状態と子どもが親に望む2つのこと
・思春期のうつ病の症状と家庭でできる正しい対処法とは