【特集】時代小説 春の宴
宮城谷昌光/永井紗耶子/武内 涼/梶よう子/佐藤賢一
小説新潮 2025年4月号
(毎月22日発売)
発売日 | 2025/03/22 |
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JANコード | 4910047010459 |
定価 | 1,000円(税込) |
【特集】時代小説 春の宴
◆宮城谷昌光/掌中小説 社稷の臣〈新連載〉
――中国歴史小説の第一人者による掌編集開幕! 古代中国史に名を残す傑人達の生き様に迫る
◆永井紗耶子/長崎こんぷら万華鏡 第5回
――絢爛豪華な遊女たち。新年、彼女らが足を乗せる銅板は
◆武内 涼/東国大乱 参 転戦の公方
――鎌倉の太平と憎き仇への復讐。青年は心を揺らしながら
◆梶よう子/白糸の威 みとや・お瑛仕入帖
――初夏の気配感じる茅町。お瑛は右足に違和感を覚えて……
◆佐藤賢一/迷い鮭 釣り侍
――江戸育ちの殿様候補がお国入り。果たして魚釣りの腕前は
【『結論それなの、愛』刊行記念対談】
◆麻布競馬場×一木けい/孤独だったあなたが語れなかったこと
――男と女はどうしたら“通じ合える”のか。港区の中心とタイの片隅から見えた答えとは――
【特選読み切り三本立て】
◆須藤古都離/ベレズ神父と彼女の動物教会
――動物と意思疎通が可能になった未来。人間たちは必死に
◆相川英輔/リトル・フィンガー
――妻に別居された私の新たな相棒は……喋る小指!?
◆森バジル/転じる、櫛田
――憂希の誘いで演じた一人芝居。楽しかった、けれど……
【大好評! 「しゃばけ」シリーズ】
◆畠中 恵/あやかしたち
――勝負に負けたら、長崎屋に住めなくなっちゃうってぇ!?
【連載第二回】
◆群ようこ/じじばばは生きている
――郵便局の長い待ち時間――その原因は傍若無人なじじばば達?
◆ガク(真空ジェシカ)/饅頭以外ぜんぶこわい
――小学生の僕は知らなかった。己が伝説の剣の持ち主だと
【バラエティコラム】
〈わたしの東京〉愛野史香
〈そのとき(わたしの)歴史が動いた〉カモシダせぶん
〈あのとき聴いた音楽〉小原 晩
【連載エッセイ・ノンフィクション・マンガ】
◆彬子女王×池辺 葵/赤と青のガウン
◆いしいひさいち/剽窃新潮 最終回
◆角幡唯介/43歳頂点論 最終回
◆くどうれいん/くどうのいどう
◆西原理恵子/ねこいぬ漫画かき
◆酒井順子/ヒノエウマってどんな馬?
◆東村アキコ/おんな追分
◆山脇りこ/ソロソロ、ひとり 私のためのひとりじかん
◆本の森――新刊文芸書から、選りすぐりを紹介
〈仕事・人生〉吉田大助
〈SF・ファンタジー〉北村浩子
〈ノンフィクション〉東えりか
【好評連載小説】
◆朝井まかて/少女時代
◆あさのあつこ/シクヌノ
◆伊吹有喜/灯りの島
◆今野 敏/分水 隠蔽捜査11
◆長浦 京/ソリスタ
◆結城真一郎/ある夏の日のABC
【新作映画紹介】
◆紙の上の映画館
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この号の誌面
編集長から
女と男、それぞれの「タワマン文学」
一木けいさんの新刊『結論それなの、愛』はタイ王国が舞台。駐在員の妻として異国で暮らさざるを得ない女たちが、夫以外の男と愛に似た関係を切り結ぶ――そんな物語は一部で「駐妻のタワマン文学」と称されるほど生々しさと切なさに満ちています。本書を読んで「一週間、仕事が手につかなかった」と興奮気味に語るのは本家タワマン文学の騎手・麻布競馬場さん。出世競争と過剰な自意識に苛まれる現代日本の男性を描いた自著『令和元年の人生ゲーム』を引き合いに出し、「二作は表裏一体。タワマン文学では書けなかったことの答えがここにある」と熱い推しの一言。まぶしいほど率直な二人の語りは本誌でどうぞ。
特集は春の時代小説。長編『公孫龍』完結も記憶に新しい宮城谷昌光さんの新連載が始まります。作家がこれまで出会った中国古代の傑人たち、その人生の最もきらめく瞬間を写し取る、その名も「掌中小説」。ご期待ください。
小説新潮編集長 西麻沙子
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雑誌から生まれた本
小説新潮とは?

小説新潮は戦後まもない一九四七年に創刊されました。以来、文学史に名をとどめる作家で、小説新潮に登場したことのない名前を探すほうが困難なほど、数多の文豪、巨匠、新進気鋭による名作、名シリーズが誌面を飾ってきました。
時代は変わり、新しい作家、若い書き手も次々に現れます。変わらないのは「小説を読む楽しみ」を大切にすること。現代小説、時代小説、ミステリー、恋愛、官能……。ジャンルにこだわらず、クオリティの高い、心を揺り動かされる小説を掲載していきます。
小説と並ぶ両輪が、エッセイと豊富な読物です。小説新潮では、毎号、ボリュームのある情報特集や作家特集を用意しています。読み応えは新書一冊分。誰かに教えたくなる情報が、きっとあります。
目指すのは、大人の小説、大人の愉しみが、ぎっしり詰まった雑誌です。経験を重ね、人生の陰翳を知る読者だからこそ楽しめる小説、今だからこそ必要とされる情報を、ぎっしり詰め込んでいきたい。
言葉を換えれば、「もうひとつの人生を体験する小説誌」。時には主人公たちの息遣いに寄り添い、またある時には人生の新たな側面を見つけるささやかなヒントになれば――そう願っています。
ほんの少しかもしれませんが、小説新潮で毎月の生活がきっと変わるはずです。