老若男女が利用するLRT。沿線地域では車を使わない生活が可能になっている=13日午後、宇都宮市東宿郷5丁目

 宇都宮市と芳賀町を結ぶ次世代型路面電車(LRT)は26日、開業1周年を迎える。想定を上回る利用が続き、累計で400万人以上が乗車した。沿線の商業施設などへの波及効果は依然大きく、JR宇都宮駅西側延伸への関心も高い。この1年間の変化や課題、今後の展望を描く。

 路面電車の街になって1年。車社会とされる地域に変化が現れ始めている。

 「LRT沿線で完結するので暮らしやすい」。駅東公園前停留場近くの賃貸マンションに住む小林愛夕佳(こばやしあゆか)さん(22)は、新生活の印象をこう話す。

 この春、作新学院大大学院に進学した。県外出身で東京の大学を卒業して宇都宮市に移り住んだ。東京では、移動手段は地下鉄だった。車はなく運転免許も持っていない。大学まで距離があるが「LRTで通学できるからと(不動産店に)JR宇都宮駅の東側を紹介してもらった」と明かす。

 沿線の新興住宅地「ゆいの杜(もり)」に住む川手麻衣(かわてまい)さん(34)は4月、結婚を機に福岡市から移住した。月に数日、同駅方面へ買い物に行く。福岡の頃は地下鉄を利用した。今は夫が車を持っているが「私は使わない。LRTがなければ自分の車を買ったけど、今のところ必要ないかな」。

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