略称が今年の流行語大賞になるなど話題となったドラマ「不適切にもほどがある!」でも取り上げられた、ジェンダー(社会的性差)問題。記者も、ぼんやり遠くに小学校入学が見えてきたわが子と、親と子としてこの問題に向き合うべきか。でもどうやって? 前編は、ジェンダーをテーマとした絵本の読み聞かせ活動に取り組む宇都宮市の加藤久美子(かとうくみこ)さん(39)と考えます。

絵本を紹介してくれた加藤さん

 小学生2人の子を持ち、宇都宮市職員で任意団体「えほんみらいテラス」代表の加藤さん。同市男女共同参画推進センターに勤務する傍ら、本年度から同団体の活動としてジェンダーをテーマとした絵本の読み聞かせとワークショップをスタートした。

 活動は、自身の子育てで遭遇したジェンダーにまつわるもやもやなどがきっかけ。講座で“ジェンダー絵本”と出合い「これだ!」とひらめいた。「自分らしくやりたいことができるよう、子どもたちと絵本を通して考えられたら」と狙いを語る。

 主に市内の学童保育を会場に、小学校低学年向けに活動しているという。今回、加藤さんが薦める絵本の中から特に3冊をピックアップ。読み聞かせのポイントとともに紹介します。どの本にもたくさんの気付きがありました。

 

①「せかいでさいしょにズボンをはいた女の子」キース・ネグレー作、石井睦美訳(2020年、光村教育図書)

 この本で、まずは女性が昔、ズボンをはいてはいけなかったことへの驚きがあった記者。「主人公は周囲に非難されながらも『男の子の服ではなくて私の服を着ているの』と、常識にとらわれず社会に疑問を投げかけ、道を切り開いてくれた」。加藤さんは解説する。

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