※本記事は米国で公開されたThe Future of AI Agents: Top Predictions & Trends to Watch in 2025の抄訳です。本記事の正式言語は英語であり、その内容および解釈については英語が優先されます。
1950年に誕生した初期のAIは、与えられた指示をそのまま実行するだけでした。しかし、現在のAIは全く異なり、味見や調整をしながらレシピを考案する熟練シェフのように、動的に学習し、創造的な成果を生み出せるものへと進化しています。
では、AIがさらに進化し、レシピの作成だけでなく、食材の購入や予約の手配、問題解決を行い、料理そのものを完成させることが可能になったらどうでしょうか?
これこそが、自律型AIエージェントへの期待です。AIエージェントは、特定のタスクを自律的に遂行するよう設計された、先見性のあるアプリケーションです。AIエージェントは大規模言語モデル(LLM)(英語)を活用し、リクエストやプロンプト、または自動トリガーの背景情報を分析・理解し、次のステップを自律的に判断して実行します。
現在、労働者の多くは自律型AIを完全には信頼していませんが、77%が将来的に信頼できるようになると考えています(英語)。このデータは、2025年までに企業が現実的にAIを活用して労働力を補強、拡大し、より良い顧客体験を提供できる可能性があることを示しています。
Salesforceのリーダーたちは、エージェンティックAIの時代を見据え、成功に導く戦略を構築しています。主な予測は以下の通りです。
Salesforceとは:Salesforceの経営陣が未来を見据える理由
Salesforceは、世界No.1のAI搭載型CRMとして、あらゆる規模の組織が自律的かつ信頼性の高いAIエージェントや統合データ、Customer 360アプリを活用し、AI時代に適応したビジネスへと変革できるように支援します。
Salesforceプラットフォームは、人間とAIエージェントの協働を可能にし、顧客の成功をサポートします
さらに、Salesforceのリーダーたちは、最新のビジネストレンド、革新的なテクノロジー、そして課題に精通しており、市場分析や顧客との対話から得た知見をもとに、未来を見据えた洞察を提供します。
人間とAIエージェントはどのように協働していくのか?
エージェンティックAIは、一定の自律性、目標志向性、意思決定能力を備えたシステムとして、未来に多くの可能性をもたらします。Salesforceのリーダーたちは、この画期的な技術の潜在力を次のように予測しています。
1. コモディティ化されるCopilot
「AIがメール作成や文書要約、旅程計画など、汎用的な生産性向上のためのパーソナルアシスタントとして活用されるのは、スペルチェックと同じくらい日常的になるでしょう。この技術は、すぐにパーソナルデバイスやビジネス向けAIツールに統合され、一般的なサポートを超えた業界特化型のインテリジェンスへと進化します。業界固有の課題やニーズを理解し、従業員に代わり戦略的な意思決定を行うAIが、次の革新をもたらすでしょう」ー Salesforce AI Platform担当EVP兼GM、アダム・エヴァンス(Adam Evans)
2. マルチエージェントによる複雑なユースケースへの対応
「2024年には、AIエージェントが営業やサービスといったシンプルなユースケースでの支援を始めました。そして2025年には、新製品の発売やマーケティングキャンペーンのシミュレーション・調整といった高度な課題に対応するマルチエージェントの連携が進むでしょう。Salesforceの独自技術であるAtlas推論エンジンは、複数のLLM、LAM(大規模アクションモデル)、および専門のRAGモジュールを組み合わせて活用しています。これにより、再ランク付け、絞り込み、統合など個別のサブタスクを効率的に実行し、高い信頼性を備えた最先端の自律性を提供します」ー Salesforce Futures担当バイスプレジデント、ミック・コスティガン(Mick Costigan)
3. AIに対する懐疑論から信頼へ
「経営陣が業務へのAIツール導入を急務とする一方で、デスクワーカーの3分の2以上は、職場でAIを使用した経験がないと答えています。しかし、2025年には、プロジェクトの自動化、新規従業員のオンボーディング、コンテンツ生成、ITインシデント管理など、一般的なタスクをAIエージェントと共に進めることで、AIに対する心理的な障壁が徐々に取り除かれていくことが予想されます。高度な推論能力を持つAIエージェントは、迅速な意思決定と行動を可能にし、ユーザーの働き方や顧客対応を根本的に変革します。この進化により、デスクワーカーはAIに対する信頼を高め、企業はより高いROIを実現するでしょう」ー Slack プロダクト担当SVP、ロブ・シーマン(Rob Seaman)
4. AIエージェント:顧客と企業を結ぶ新たな最適チャネル
「AIエージェントが進化し、ますますパーソナライズされた体験を提供できるようになるにつれ、消費者のAI活用は加速し、企業にとって貴重な新しいマーケティングチャネルが生まれるでしょう。AIエージェントを最大限に活用するためには、マーケティング、営業、サービス、コマース部門を統合する『エージェント・エクスペリエンス』チームの編成が必要です。このチームは、AIを活用したやりとりの最適化を図ることで、企業がより高度でダイナミックな顧客体験を提供し、カスタマージャーニー全体を通じた成長と効率化を促進するうえで、不可欠な存在となるでしょう」ー Salesforce Marketing CloudおよびAI製品管理担当シニアディレクター、ジョン・ベルコウィッツ(Jon Belkowitz)
5. パーソナルエージェントとBYO(Bring Your Own)AIの台頭
「技術の進歩により、これまで以上に強力なAIエージェントが消費者に提供されるようになります。Apple Intelligenceや中国のスーパーアプリのAIエージェント機能などがすでに市場に登場しており、ユーザーのパーソナルコンテクストを活用して簡単にタスクを実行できるようになります。さらに、消費者がパーソナライズされたアシスタント型のAIエージェント(英語)を職場に持ち込むBYOAI(Bring Your Own AI)のトレンドが進む中、企業はAIの職場統合を迅速化する方法を模索する必要が出てきます。この動きは、スマートフォンの職場持ち込みを普及させたBYOD(Bring Your Own Device)に似ています。パーソナルAIエージェントが主流化すれば、企業と顧客の接点は大きく変化するでしょう。成功する企業は、重要な瞬間に信頼性が高く、きわめて個別化されたメッセージ、サービス、製品を提供することで、顧客との結びつきを一層強化するでしょう。また、顧客の代理として機能するAIエージェント向けに、あらゆるものを簡単に利用できるようにパッケージ化することが予測されます」ー Salesforce Futures担当バイスプレジデント、ミック・コスティガン(Mick Costigan)
6. Agentforce Inspectorsで実現するアクション可能な分析
「Agentforceにより、企業はすべての部門を横断して常に異常を監視する『インスペクターエージェント』を導入できます。この分析エージェントは、ビジネスにおけるあらゆる問題や好機を特定し、迅速にアクションを起こすことで、優れた成果を引き出します。これにより、アナリストやビジネスユーザーは、より重要な意思決定や行動に集中できるようになります。たとえば、Agentforce搭載ツールを使用する当社の営業チームでは、AIエージェントがパイプラインの閾値を下回ったことを検知し、Slackを通じて即座に営業活動を支援してくれます。このように、人間とAIエージェントが協力して成果を上げる具体例が広がっています」ー Tableau 最高経営責任者、ライアン・エイテイ(Ryan Aytay)
7. 協力し連携して動作するAIエージェント
「今後1年の間に、複数のAIエージェントが連携し、日常的なタスクやビジネス課題に取り組む光景が一般的になるでしょう。これは、アリが複雑なコロニーを築くプロセスに似ています。この進化は、生産性と問題解決の概念をこれまでにない規模で再定義します。AIエージェントは私たちの生活や仕事にシームレスに統合され、個人や組織向けに特化したAIエージェントが展開されるようになります。Agentforceのようなプラットフォームを活用することで、AIエージェントは特定のタスクに合わせてカスタマイズされ、共通の目標を達成するために協力し合います。これからの時代は、単にAIを使うことにとどまらず、戦略的なタスクや意思決定を理解し実行するAIエージェントを、協力的かつカスタマイズして創造することが、個人とビジネスの成功を左右します」ー Salesforce AI Research エグゼクティブ・バイスプレジデント兼チーフサイエンティスト、シルヴィオ・サバレーゼ(Silvio Savarese)
8. 断片化された顧客体験を解決するAIエージェント
「現在の顧客体験では、マーケティング部門がリードを創出し、ビジネス開発担当者がリードを収集・獲得し、アカウント担当者が顧客関係を育成して販売後のサービスを提供するといった形で、異なるチームが分担して担当しています。このため、部門間で会話の文脈が共有されず、顧客体験が断片化され、フラストレーションを招いています。2025年には、AIエージェントがこの状況を一変させるでしょう。AIエージェントは人間同士の引き継ぎで失われたデータや過去の会話の文脈にアクセスして、異なる機能を持つAIエージェントや人間の間でシームレスな引き継ぎを可能にします。この進化により、これまでにないレベルの顧客体験のパーソナライズが実現されるでしょう」ー Salesforce プロダクトマネジメント担当シニアバイスプレジデント、ガブリエル・タオ(Gabrielle Tao)
9. 学生が好む柔軟な24時間365日対応のAIエージェント
「新型コロナウイルス禍で孤立に耐え、車よりもiPhoneに自由を見出した多くの学生にとって、AIエージェントに質問することは、より安心で快適な選択となるでしょう。彼らは社会不安を感じることなく、いつでも気軽にAIエージェントとやり取りができ、いかなる時間帯でも迅速な回答を得られます。この24時間365日対応の柔軟性は、働きながら学ぶ学生や育児をしながら学ぶ学生にとって、理想的なサポート方法となります。しかし、AIが普及する一方で、教育機関は、学生が社会不安を克服し、学校外でも成功するための社会性を養う支援方法を意図的に設計する必要があります」ー Salesforce教育担当バイスプレジデント兼ゼネラルマネージャー、マルゴ・マルティネス(Margo Martinez)
自律型AIを信頼するために必要な要素とは?
エージェンティックAIの未来を実現するには、信頼が不可欠です。現在、世界の労働者の54%(英語)は、人間とAIが共同で作業タスクを行うことに信頼を寄せています。しかし、同じタスクをAIが完全に自律的に実行する場合に関しては、信頼を示す回答が限られています。Salesforceのリーダーたちは、自律的なAI時代において信頼を維持するための戦略や、AIエージェントがどのようにセキュリティ関連のタスクを支援できるかについて、具体的な見解を示しています。
1. エージェンティックAI時代に信頼を構築
「エージェンティックAIの時代において、AIに対する信頼は重要な転換期を迎えています。消費者の60%が、AIの進化によって企業の信頼性がさらに重要になると認識しています。AIシステムへの信頼を維持することは、企業にとって最優先事項となり、人間とAIがうまく連携できるよう、誰もがこのテクノロジーにアクセスできる公平な競争の場が創出されるようになるでしょう。これに対応するため、企業は説明機能やユーザーガイダンスを通じた信頼構築、テクノロジーの理解とアウトプット改善のためにフィードバックループを活用できる学習機会の提供、人間を中心としたAI設計への移行といった戦略を採用して信頼構築に取り組むでしょう」ー Salesforce 倫理的および人道的利用最高責任者、ポーラ・ゴールドマン(Paula Goldman)
2. 企業のセキュリティの最前線を守るAIエージェント
「AIエージェントは、セキュリティ脆弱性の検出やセキュリティ体制の強化、プロアクティブな対応において人間を凌駕し、組織の主要な防御役となります。しかし、悪意のある犯罪者がAIエージェントを使って高度な攻撃を仕掛けるリスクも増大しています。そのため、適応型のリアルタイム検出と対応をサポートするセキュリティエージェントが必要です。これにより、セキュリティ専門家はより高度なアーキテクチャ設計に集中できるようになるでしょう」ー Salesforce プラットフォーム担当EVP兼ゼネラルマネージャー、アリス・スタイングラス(Alice Steinglass)
3. CEOレベルの優先事項となるAIガバナンス
「APIを活用することで、AIエージェントはタスクの実行、データアクセス、業務プロセス管理を効率的に行えます。円滑な企業運営と事業目標の達成において、APIとAIエージェントは不可欠な要素となっています。そのため、API管理と同様に、AIエージェントの管理も組織にとって必須となります。2026年までには、AIエージェントのトピックやアクションを監査・管理・保護するAIガバナンスが、CEOレベルの優先事項となるでしょう。適切なAPIとAIエージェントのガバナンスが実現すれば、企業はAI技術をより広範囲かつ効果的に活用できます」ー MuleSoft チーフ・ビジネス・オフィサー、アヨン・アン(Ahyoung An)
4. エージェンティックAI時代におけるサイバーハイジーンの維持
「エージェンティックAIの時代において、従来のセキュリティ対策を徹底することが、これまで以上に重要になります。たとえば、自動車への侵入を防ぐ最善策がドアの施錠であるように、AIとは無関係の脅威に対する既存の防御策はAI攻撃への有効な対抗手段として機能します。効果的な戦略として、信頼とセキュリティを重視した企業文化の構築、ユーザー認証にハードウェアのルートオブトラスト(RoT)の導入、多要素認証(MFA)の義務化、SMSやその他のメッセージングプラットフォーム経由のAI技術を使ったフィッシング詐欺に対する防御策として信頼できるチャネル(例: Slack)の利用、ソフトウェアを常に最新状態に保つためのパッチ適用などが挙げられます」ー Salesforce チーフ・トラスト・オフィサー、ブラッド・アーキン(Brad Arkin)
5. 官民協力による信頼できるAIの実現
「AI、特にエージェンティックAIの急速な進化に伴い、テクノロジー企業は政策議論に積極的に関与するようになります。イノベーションの促進と公共の安全の確保というバランスを取るためには、民間企業が技術的専門知識を議論の場に提供することが極めて重要です。こうした協力は、画一的な政策ではなく、AI技術の用途や利用状況を考慮した政策枠組みを策定する上で不可欠なものとなるでしょう」ー Salesforce グローバル・ガバメント・アフェアーズ担当エグゼクティブバイスプレジデント、エリック・ローブ(Eric Loeb)
6. ロイヤリティ構築に必要なAIエージェントファースト
「将来的に、すべての業界や分野の組織がAIエージェントファーストのアプローチを採用するようになるでしょう。顧客がブランドとやり取りする際や、市民が政府に働きかける際には、まずAgentforceのようなAIエージェントが対応することが主流となります。この変化に適応するため、企業や組織は迅速な進化を求められるでしょう。AIエージェントを開発する際、ブランドは自社の優先事項や価値観に基づき、顧客中心の倫理観をすべてのやり取りに反映させるべきです。さらに、顧客が自分がAIと対話していることを明確に認識できる仕組みを整える必要があります。適切に設計されたAIエージェントを活用し、信頼性と透明性の高いデジタル体験を提供する企業は、顧客のAIとの最初の接触を長期的なブランドロイヤルティへとつなげ、業界の新たな基準を築くことが期待されます」ー Salesforce プレジデント兼最高法務責任者、サバスチャン・ナイルズ(Sabastian Niles)
AIエージェントは働き方をどう変えるか?
従業員の労働時間の41%(英語)が、反復的で生産性の低い作業に費やされていると推定されています。Salesforceのリーダーたちは、AIエージェントがこうした反復作業を肩代わりすることで、人間が収益につながる戦略的な関係構築や重要な業務に集中できる未来を描いています。
1. AIの進歩が、シンプルさと活性化を促進
「日常的なビジネスアプリケーションへのAIの実装がますます簡単になることで、特に顧客データとビジネスデータを包括的に把握している企業では、AIエージェントをネイティブに統合し、安全なデータ活用で特定のプロセスを支援できるようになります。AIがより実用的になると、基盤データに基づきリアルタイムかつ大規模にイベントやアクションをトリガーし、生産性を高め、従来達成できなかった成果を実現できるようになります。この使いやすさと実用性のかけ合わせにより、AIの信頼性、利用率、そしてビジネスにおける価値が大幅に向上するでしょう」ー Salesforce Marketing Cloud担当 エグゼクティブバイスプレジデント兼ゼネラルマネージャー、スティーブ・ハモンド(Steve Hammond)
2. 当たり前となる分析
「2025年までに、分析によるインサイトの25%がAIによって『当たり前』の形で提供されるようになるでしょう。これらのインサイトは、ユーザーがあらたまって『分析をしよう』と意識することなく、日常の作業や生活にシームレスに統合されます。たとえば、会議ツールに表示される推奨事項、メール作成中にAIエージェントがさりげなく提供するアドバイス、スマートデバイスに通知されるリアルタイムのインサイトなどが挙げられます。データがいつどこででも利用可能になるにつれ、アナリストの役割は、こうした当たり前の体験を形にし、AIが提供するインサイトをキュレーションし、洗練させることで、それらが文脈に適合し、即座に実行可能な状態であることを確認する方向へとシフトしていくことになります」ー Tableauプロダクトマネジメント担当バイスプレジデント、ネイト・ニコルズ(Nate Nichols)
3. 新しいアプリケーションであるAIエージェント
「モバイルアプリケーションがインタラクティブ性やコミュニケーション、生産性を変革したように、AIエージェントはテクノロジーへのアクセス方法を再定義し、日常のビジネス課題に対応します。これらのAIエージェントはカスタマイズ性が高く、適応能力と自律的な意思決定力を備えており、ニーズを予測し、タスクを最適化し、パーソナライズされた支援を提供します。AIエージェントは、ユーザー主導のセッションでは会話形式で、組み込まれたワークフローでは自律的に動作します。これにより、さまざまな業界で業務プロセスを拡張し、生産性を向上させ、組織はより効率的かつインテリジェントに業務を遂行できるようになります」ー Salesforce AIプラットフォーム担当EVP、ジェイッシュ・ゴビンダラジャン(Jayesh Govindarajan)
4. 自律型AI時代に求められる新たなスキルセット
「未来の仕事で、特にAIやAIエージェントを活用する業務においては、技術的スキル、ヒューマンスキル、ソフトスキルの3つのスキルセットが必要不可欠になります。技術的スキルとは、データ分析、プログラミング言語、グラフィックデザイン、会計原則など、タスクを遂行するための専門知識を指します。ヒューマンスキルとは、共感力、回復力、創造力、感情的知性など、個人の性格や人格に根付く能力となります。ソフトスキルとは、コミュニケーション、時間管理、問題解決、不一致の解決など、対人関係を効果的に管理する能力を指します。AIで成功する企業は、これらのスキルを従業員が習得できるよう支援していくでしょう」ー Salesforce 人材育成および開発担当EVP、ロリ・カスティーリョ・マルティネス(Lori Castillo Martinez)
5. 2025年のビジネスを左右する非構造化データのナビゲーション・分析・活用
「非構造化データは、その名の通り複雑さゆえに理解が難しいものの、企業において最も価値のある情報の一部でもあります。調査会社ガートナーによれば、企業データの80%が非構造化データです。2025年には、この非構造化データを効率的に処理し、AI対応のインサイトを得るツールや技術を持つ企業と、そうでない企業との間で明確な差が生じるでしょう。これらのツールを活用する企業では、顧客の感情分析、競争力のあるプラン作成、さらにはブログ投稿の生成まで、幅広い分野でより深いビジネスインサイトを得られるだけでなく、チームやAIエージェントはより効果的に意思決定し、行動できるようになります」ー Slack 最高執行責任者、サラ・ウォーカー(Sarah Walker)
6. 従業員のスキルアップが急務となる2025年
「AIの急速な進化により、全く新しい職種が生まれるとともに、既存の仕事もAIエージェントによって変革されます。この変化に対応するため、2025年は『スキルアップの年』になるでしょう。すべての企業は、従業員が取り残されないよう、AIやAIエージェントを従業員が利用しやすい形で提供する方法を模索する必要があります。同時に、従業員自身も、これからのキャリア開発に必要スキル習得をサポートをしてくれる企業を選ぶようになるでしょう」ー Salesforce プレジデント兼最高人事責任者、ナタリー・スカルディーノ(Nathalie Scardino)
7. AIによる従業員体験の再定義
「AIエージェントは、従業員がオフィスで過ごす体験を劇的に変革します。AIとAIエージェントは、従業員がオフィススペースをどのように利用しているか、会議室の予約方法、チームの集合場所を把握することで、雇用主が最適なタイミングで適切なスペースを提供できるようサポートします。さらに、AIはオフィス運営に関わるデータを活用することで、企業が世界中で必要なオフィススペースの種類を特定し、不動産ポートフォリオをより効率的に設計できるよう支援します」ー Salesforce 不動産・施設運用管理本部担当EVP、レリーナ・ブルチャンダニ(Relina Bulchandani)
AIエージェントは、産業にどのような影響を与えるか?
AIが支援できるタスク、課題、目標の種類は、業界によって大きく異なります。Salesforceのリーダーたちは、AIエージェントがさまざまな業界に思いがけない方法で利益をもたらす可能性について語っています。
1. AIエージェントで大手競合を凌駕する中小企業
「中小企業や成長企業は、AIエージェントを活用することで、大手競合他社に追いつくだけでなく、凌駕する可能性を秘めています。AIエージェントは、業務の効率化、顧客エンゲージメントの向上、パーソナライズされたマーケティングアプローチの実現を支援します。また、自律型AIエージェントの導入により、サプライチェーンの管理、営業案件のフォローアップ、カスタマーサポートといった業務を効果的に行いながら、迅速に事業規模を拡大し、競争力を強化することが可能になります」ー Salesforce Sales Cloud、セルフサービス&グロース製品担当エグゼクティブバイスプレジデント兼ゼネラルマネージャー、クリス・ビルマイアー(Kris Billmaier)
2. 2025年、煩雑な非営利団体の年次報告書が姿を消す
「AIの普及で情報要約のスピードが加速する中、非営利団体は自らの活動の証拠や具体的な成果を提示し、潜在的な寄付者に対してリアルタイムの洞察を提供できるようになり、個々の寄付者は関心のある活動により自律的に参加するようになるでしょう。その結果、煩雑な年次報告書は消滅し、寄付者は団体と直接関わることで、ミッションの影響を即座に理解できるようになります。さらに、AIエージェントを活用することで、自らの寄付やボランティア活動がミッションにどのように役立つかを具体的に把握し、簡単に寄付を行えるようになります」ー Salesforce 非営利団体担当バイスプレジデント兼ゼネラルマネージャー、ローリ・フリーマン(Lori Freeman)
3. 小売体験を変革するAIエージェント
「AIエージェントの導入により、小売業者は買い物客のニーズに応じたパーソナライズされたサービスをタイムリーかつ効率的に提供できるようになり、ホリデーシーズンを含む小売業全体に大きな変革をもたらす可能性があります。実際、今年10月と11月のデータでは、AIによる商品推奨が全販売の16%に影響を与えたことが明らかになっています。さらに、デジタル小売業者がAIをパーソナルショッパーエージェントとして活用することで、消費者は必要な商品を素早く正確に見つけ、購入プロセスをスムーズに完了でき、その他にも小売業者の新たな可能性を切り開くことが期待されています」ー Salesforce Commerce Cloud担当SVP兼GM、マイケル・アフロンティ(Michael Affronti)
4. 非営利団体の影響力を拡大するAIエージェント
「非営利団体はAIをいち早く採用した分野であり、90%(英語)がエンゲージメントの促進にAIを活用しています。AIエージェントは、非営利団体の人材ニーズや優先事項を評価し、インパクトのあるボランティア活動の役割を共同で創出することで、組織内に有意義な変化をもたらす力となります。さらに、AIエージェントを活用することで、ボランティアプログラムを運営する企業は、変革をもたらすスキルを特定し、従業員に地元の非営利団体でボランティア活動に参加する機会を提供することができます」ー Salesforce 雇用ブランドおよび採用マーケティング担当バイスプレジデント、モーリー・フォード(Molly Ford)
5. 他に先駆けて教育分野で急速に広がるAIエージェントの活用
「AIエージェントは、教育機関が日常業務の経済性をより深く理解する手助けをします。これにより、従来の部署ごとの人員コストに焦点を当てる考え方から、学生からの問い合わせ対応など、活動レベルのコストを重視する考え方へとシフトが進みます。この変化により、教育機関はコスト削減と影響力の拡大を両立できるようになるでしょう。また、スタッフの負担が大学の運営を不安定にするリスクがある中で、AIエージェントはさまざまな面で役立つ存在となります。アポイントメントのスケジュール管理や入学手続きのサポートに加え、繁忙期や新学期のようにスタッフが不足しがちな時期には、一時的な人員補充をサポートする役割も果たします。教育関係者はこうしたAIエージェントのサポートを歓迎するでしょう」ー Salesforce 教育担当バイスプレジデント兼ゼネラルマネージャー、マルゴ・マルティネス(Margo Martinez)
6. AIエージェントで政府サービスと給付金をより利用しやすく
「自律型AIは、その効率性、コスト削減、生産性の向上、市民へのより良いサポート提供の能力によって、史上最速で採用が進むテクノロジーになるでしょう。2025年末までには、市民が政府支援を受ける際に、AIエージェントと直接やりとりすることが一般化されると予測されます。米国全土の連邦および地方機関では、パスポートの更新、職業免許の取得、自動車の登録など、さまざまな手続きを迅速かつ簡単に実行できるAIエージェントが配備される予定です。さらに、AIエージェントは、利用可能な給付金の種類、資格条件、申請方法についてわかりやすく案内し、市民は必要な支援をより簡単に受けられるようになりします」ー Salesforce 公共部門担当エグゼクティブバイスプレジデント兼ゼネラルマネージャー、ナシ・ジャザエリ(Nasi Jazayeri)
詳細情報:
- Agentforceについてさらに詳しく知る。
- エージェントの未来(英語)についてさらに詳しく知る。
本記事、または公式に言及されている未提供のサービスや機能は現在利用できないものであり、予定通りに、または全く提供されない可能性があります。お客様は、現在利用可能な機能に基づいて購入をご判断くださいますようお願いいたします。