「そば御膳」(1980円)

「鴨南蛮」(1980円)

「そば御膳」に付く「そばの実ご飯」

そば店には珍しいカジュアルな雰囲気。静かな時間が流れる

竹林を背景に立つ「そばの実 咲」。看板の案内に沿って、細い道を進むと現れる

 武雄市橘町の山沿いにひっそりとたたずむそば専門店「そばの実 咲(さき)」。そば巡りや料理が大好きだという小田美智子さんが2024年10月、地元武雄市にオープンしました。十割と二八、そば2種類の食べ比べができる「そば御膳」が魅力です。

 小田さんはミシュラン掲載店などを輩出している神奈川県のそば教室に通い、そば打ちの技術を習得。元々空き家が立っていた土地を3年以上かけて夫とコツコツと整備し、念願の店を持ちました。「これまでは自営業の夫の手伝いをしつつ、家事に専念していた。支えてもらっていた分、今度は自分が支えたい」と力強く話す小田さん。

 店内で毎朝仕込むそばは、のど越しがよく風味豊か。そば粉は長野県から取り寄せ、十割そばと二八そばでそれぞれ違う銘柄を使用しています。十割そばはほどよいコシと弾力があり、手打ちの二八そばはつるっとなめらかな口当たり。カツオ節のだしが利いた関東風のそばつゆでいただきます。「そばつゆは修業先の味を守っています。九州人好みの甘めにしようかとも悩みましたが、考えて考えて、長く愛されるならこっちかなって」

 看板メニューの「そば御膳」は、十割と二八のざるそば2種類に、ご飯と天ぷらが付きます。ご飯はそばの実入りで、モチッとした食感が特長。旬の野菜やエビを使った天ぷら7種も付き、満足度抜群です。

 量が少なめの「ミニ御膳」(1210円)のほか、「鴨(カモ)南蛮」や「鴨ざる」もおすすめ。ゆくゆくは、手作りのスイーツも提供したいとか。

 武雄には珍しいそば専門店。地元はもちろん、県外からもそば好きが訪れているそうです。「非日常を味わってもらいたい。アクセスはあまりよくないけど、ドライブがてら食べに来てもらえたら」とほほえむ小田さん。窓の外の景色に癒やされながら、ゆったりとそばを堪能しましょう。(清川千穂)

 

■DATA

住/武雄市橘町片白9023
電/0954-33-4040
営/11:00-14:00L.O. 
  ※麺がなくなり次第閉店
  ※大みそかは20:00L.O.
休/木曜、1月1~5日
駐/あり
IG/sobanomi.saki
他/予約可

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