セコムは、同社の「セコムドローン」を使った新サービス「巡回監視サービス」の実証実験を、山口県美祢市にあるPFI刑務所「美祢社会復帰促進センター」で実施することを発表した。 「セコムドローン」は、2015年12月より提供開始されたサービスで、契約先の敷地内の不審な車両や人が侵入した際に、対象に接近してナンバープレートなどを撮影し、同社のコントロールセンターに送信することで、追跡や確保に役立てるというもの。 今回、実証実験される「巡回監視サービス」は、契約先の敷地内において、これまでは人が直接巡回していたものを、自律飛行するドローンが代わりに、定期的に巡回し、ライブ映像による監視を行うというものになる。 人を巡回させるには広すぎて負担が大きい敷地なら、従来よりも効率的な定期巡回を実現でき、ドローンならではの俯瞰映像により固定設置の監視カメラよりも死角が少なくなるなど、メリットは多いという。 運用イメージとしては、人的な巡回の一部に同サービスを組み込むことで、建物の屋根や屋上など、人間が歩いて巡回する際には気付きにくい場所の異変を安全かつ効率的に監視することができる。 実証段階のため、まだ映像のリアルタイム配信に止まるが、今後は画像処理技術やAIなどを活用することで、異常の自動検知といったサービスの発展も視野に入れているそうだ。 なお、実証実験が行われる「美祢社会復帰促進センター」は、2007年4月に開所した官民協働の刑務所となっており、セコムが代表企業として参画している。敷地総面積は約28万平方メートルで、初犯者を対象に受刑者1,300名の収容が可能な広大な施設となる。