以前から自動車の場合は、鍵を持っていればそれを感知してドアを開けることができ、鍵をささずにエンジンがかかるようになっている。こうしたスマートエントリーシステムは自動車では当り前となっているのに、家の鍵は未だにガチャガチャ持ち歩いている。いつかはスマートエントリーな鍵に変えたいなぁと思っている時、普通の鍵も使える、簡単に設置できる、スマートフォンでも開けられるといった「Kevo」が登場したのだった。
このKevoはUniKey社を立ち上げたPhil Dumas(フィル・デュマ)CEOが、投資を持ちかけるテレビ番組でプレゼンテーションして得た資金を元に市販化を進め、錠前メーカーであるKwikset社がパートナーとなって実現した。
そして今年の夏、全米のホームセンターなどで販売を開始し、同時にAmazon.comでも展開。なんとAmazonで購入すれば日本へも送ってくれるというのではないか。さっそく考える間もなく購入手配。価格は参考までにだが219ドルに送料14ドル程だった。
国内で同様のスマートエントリーキーはほとんどなく、暗証番号型で2~6万程度、FeliCa対応であれば10万円を超えると考えると、即決した理由がわかってくれるのではないだろうか。
Kevoの特徴を上げておこう。すばらしいYoutubeもあるので参考にしてほしい。
●Kevoの特徴
・専用のプラスティック製 Kevo fob(1つ付属)も鍵代わり
・iPhoneにアプリを入れ、家族のeKeyを管理できる(Androidは対応予定)
・普通の鍵(2つ付属)でも開けることができる
・ポケットなどに入れておけばタッチするだけで鍵が開く
・オートロックとなって自動で閉めることができる。
・外出時タッチで鍵をかけることができる
面白いのは「業者や知人に一時的に利用できる電子キーとして送る」ことができたりするのだ。ベビーシッターや家族が突然やって来るとか、先に友達に入っていてもらうことが実現できる。
その他アプリでは利用をプッシュ通知設定することもできる。息子が帰ってきたとか、昼に誰が出て行ったといったところまでわかる(利用するかしないかは考えも必要だろう)。アプリが充実することで様々なことが実現できるのもわくわくしてしまう。
セキュリティも多重の暗号化とあり、詳細は明かされていない。なおスマートフォンの鍵自体は2つまで無料で、1つ追加するのに約2ドルかかる(永続的な鍵の場合)。
そして届いたKevoだったが。うちのドアにはそのままではつかないのであった。参考になるようにまとめておく。
ネジ、電池などすべて入っており、プラスドライバーがあれば取り付けられるだろう。ドアから既存のサムターンなどを外すには場合によって違う工具も必要だ。説明書によると、黒い電子キーKevo Fobは丸型電池CR2025で1年程度持つ。Bluetoothで通信している。ドキュメントはすべて英語だが挿絵がついており難しいことはないだろう。鍵の設定方法などは注意が必要そうだ。 iPhoneになれていればアプリの操作、ボタンを押して登録認証など難しくはないだろう。ちなみにBluetoothは電池消費が少ない4.0で、スマホの鍵認証ではGPSも利用しているようだ。
開封した印象は、やはりアメリカというオーラがあって少しゴツイ。余談だが、分譲マンションであってもドアは共用にあたるので事前に管理組合・会社などの許可が必要。筆者の場合は防犯上鍵を変えるとつたえると、どうぞと言われる程度だった。オートロックやその他理由で交換出来ない場合もあるのでご注意を。
さっそくDIYで取り付けよう!と準備をした。
購入前に鍵部とノブが別になっているオーソドックスな鍵だから大丈夫だろうと思っていたのだが、ケースロック式でノブと内部で連携しているものであった。しまった、と思いつつ念のためシリンダーを外してみたが、ロックが出る部分、デッドボルト部の機構が交換できず。そのままKevoのシリンダーが使えないか試すも、シリンダーを回す機構が異なるため、むなしく空回りするだけであった。またKevoのシリンダーが大きく、穴も少し拡大する必要がある。
どうしても付けたい!ということで方法はケースロックを改造DIYするとか、ドアノブなど完全にDIYするか、ドアの穴も拡大したりずらしたり。もうドアごと交換!なんという手もあるが高いので諦めた。ということで非常に大掛かりになりそうなため本日の取り付けは断念。専門業者などに相談して改めて報告したい。
国内でのKevoの正式発売は未定のようだが、ぜひとも国内でも発売してほしいし、これ以上のスマートな鍵システムが生まれてほしい。