DIYに挑戦するのは、PRチームの三上。
今まで板壁材を貼ったり襖を張り替えたり、いろんなDIYをして少しずつ我が家をアップデートさせてきました。過去記事は検索窓から「築古戸建の実家アップデート」で検索して「記事」項目を見てみてください。
そんな我が家のDIYも第7弾。ラッキーセブン!
今回もお付き合いよろしくお願いします。
部屋にタイルを取り入れたいんだ。妄想開始
陶器のつやっとした質感が好きでタイルがずっと好きだった私。
今までタイルを使ってコースターを作ったり、植物置きにしてみたり、部屋の中にタイルを少しずつ取り入れてきました。
そうこうしているうちにだんだんとタイル熱が高まって来て、もっと広い範囲にタイルが欲しくなり、ついに壁に貼ってみようと思い立ちました。
今回貼ってみるのは、自分の部屋にある造り付け収納の横の壁。
前からこの場所を眺めるのが好きだったのですが、今回はそこにタイルを貼ってみてさらに好きな空間にしてみようという作戦です。
ということで、どんなタイルにするのか、目地は何色にするのか、妄想を始めました。
白いタイルにカラー目地がいいなと思ったり、カラータイルで遊ぶのもいいなと思ったり、2種類組み合わせてみるのもいいなと思ったり……。好きなものがたくさんあって何にするかとっても悩みました。
でも、写真には写っていない左側の壁をブルーに塗っていたり、ガラスの収納があったり、元々要素が多い場所だということと、この濃い木の色味が好きなのでそれが活きるようにしたいなと考えました。
ということでtoolboxの白いタイルたちを持ち帰ってきてみました。
左上から『古窯70角タイル』のパールホワイトと胡粉。『ハニカムタイル』のマットホワイト渋アイボリーと『水彩タイル』の50角コットンです。
それぞれに良さがあってどれにするか悩んだのですが、つやっとした質感がよりでるものがよかったのと、そこまで大きな範囲ではないので、そこに合うようなサイズ感にしたかったので、「水彩タイル」50角のコットンに決めました。
白いタイルにしたので、遊び心として目地はカラーに。タイルではなく、目地で色をとりいれる方向にしてみようと思います!
目地色はブルーに。タイルワークショップの時に作成したものがいい感じだったのでこちらを参考に同じ目地を購入しようと思います。
目地色は他にもグリーンやオレンジ、ピンクなどいろんな色があって、目地色で遊ぶのも楽しい。新しい世界が広がるので、目地まで目を向けてみるのもおすすめです。
今回の完成イメージはこちら。
大雑把ですがシミュレーションしてみて目地色を決めてみました。今まで写真に当てこんだことはなかったのですが、この方法はイメージしやすくてなかなかいいかもと思いました。
ここに貼るにはタイルはどのくらい必要?材料を準備
貼る場所と貼るタイル、目地が決まったので、購入していきます。
タイルにはバラ売りのものとシートで売っているものがあって、シートの中には表紙貼りと裏ネット貼りというものがあります。
今回選択したのは「水彩タイル」。表紙貼りのシートタイプのものを使用します。
前にオフィスで施工した時に、タイルを一枚一枚貼っていくのはなかなかの難易度だなということと、大雑把の私にはそこまで慎重にできないなと感じたので、今回はシート状であることを条件にしていました。シートの方が広い面を一気に貼ることができますしね。
シートタイプのものは、上記の写真のようにあらかじめ目地幅の間隔のある状態で表面に紙が貼り付いた状態で届きます。
今回採用したタイルは50角なので一つは50ミリ。目地幅は3.5mmで1シートで300×300の範囲を貼れる状態で届きます。
計算する時はタイルそのものだけでなく、目地幅も念頭に置いて考えることをお忘れなく!
まず対象となる壁の寸法と面積を計測。
そこから上記メモのように、壁の横幅や高さからタイルの数を計算してみると、今回は全部で「23シート」が必要そう。
欠けたり割れて届くかもしれないことを考慮し、少し余裕を持って購入することにして、「25シート」を注文します。
カラー目地は以前使用したことがある、ブルーの目地を購入。その他、タイル用のボンドを購入して、必要な工具は会社の工房から持ち帰りました。
この後の作業の流れで使用するものの説明はしていますが、詳しい道具を今知りたい場合は、記事の最初にある主な材料・道具をご確認ください。
クロスを剥がす!
今回私がタイルを貼ろうとしているのは、ビニルクロス(壁紙)が貼られている壁。
表紙と裏紙で構成されるビニルクロス。経年によって紙の接着が弱くなっていることもあるため、剥がれやすい表紙を剥がし、裏紙を残した状態で貼るのが良いとのこと。
ただ、裏紙も剥がれやすい状態のケースもあり、その場合は新たに下地処理が必要になってきます。
我が家は剥がしたらどんなになっているんだろうとドキドキしながら……剥がします!
端から「スクレーパー」で剥がしていきます。
引っ張るとスーッと剥がれていきました!思っていたよりスムーズにいけそうです。
壁の上の方は少し壁紙が劣化していたのでしょうか、スーッと剥がれないところがありましたが、そこはスクレーパーでがりがりして剥がしていきます。
ただ、今回使ったスクレーパーは刃が厚いのでクロスのような薄紙には不向きなんだとか。使用する際はもう少し刃が薄いものを選択してもらうことをおすすめします。
最後の方はクロスがぽろぽろになりながらもなんとか除去完了!
クロスを剥がした後の壁の状態も思ったより良さそうで安心しました。
あまりにも悲惨な状態だった場合はシーラーを塗って壁面を整えようかと思ったのですが、綺麗に剥がせたので今回はこの状態のままタイルを貼っていくことに。
ボロボロ状態の紙はボンドが剥離しやすいので、そのままボンドを貼ることは避けた方が良いです。逆にキッチンパネルのようなつるつるの素材は、ボンドの水分を下地が吸収してくれないので、ボンドが硬化せずに滑り落ちやすいです。
状態が気になる方はシーラーを塗って面を整えたり、下地が酷すぎる場合は、新規に石膏ボードや合板を増し貼りして、フレッシュな下地を用意するのが良いかと思います。
どうやって貼っていく?墨出し(ガイドライン)と養生をする
まずは、張り出し位置(左から貼るのか右から貼るのか。中央から均等に貼るのか。上から貼るのか下から貼るのか)を決めます。
貼り方については数量を決める際にある程度検討されているといいです。
右側の壁に届いたタイルを当ててみると、計算通りぴったり。
よく見えるのは左側なので、左側から詰めて貼っていくことにします。
正面も貼りたい面積とタイルの枚数がシンデレラフィット。タイルをカットする必要がないのはすごくありがたいです。
正面の壁は右側の方がよく目にする角度から見えるので、右側からシートを貼っていくことに。写真では一列分タイルをカットするものが右にきちゃっていますが、シートからカットするものは最後の左側にくるようにします。
そしてここまでフィットしていると壁に寄せて貼ったらうまくいくよねと思いつつ……一応ガイドラインを引いてみることに。
「差金」を利用して、左から300mmで印をつけて。
垂直方向にも伸ばしていきます。
床や壁は必ずしも水平/垂直であるとは限らないので、墨出しの前に確認が必要です。
上の方も同様に壁から300mmで測り印をつけて。その印同士を繋ぎます。
垂直になっているかの確認は、紐とキーホルダーを活用!家にあった重めのキーホルダーに紐をぶら下げて、上の方に合わせてみます。
レーザーがあればそれを用いて確認するのが確実ですが、DIYの場合はないこともあるよねというので、今回は家にあるものを用いて確認してみました。
上の方の印に紐を合わせてみると、なんと私が引いた線と紐がぴっったり重なる!
壁の方にタイルを合わせて貼っていく予定だったので一応の確認でしたが、自信を持って次に進めそうです。
ボンドを塗ってクシ目をたてる
貼り出し前の下準備が整ったら、ボンドを塗っていきます。
後に掃除をしやすいように、コテ板に養生テープを巻きつけて、そこにボンドを出します。
今回使用したボンドはこちらのタイルエース。
ちなみにボンドの量は、今回の施工範囲はこの2kgのボンドでなんとかギリギリ足りたという感じでした。
ボンド側に目安面積が書かれていると思うので、チェックして余裕をもって購入することをおすすめします。
ボンドを塗る前にまずは養生から。
養生テープとマスカーを用いて汚れたくない場所を守ります。
準備が整ったら、コテでボンドをすくって、壁に塗っていきます。
このボンドはなかなか固くて、塗るのに力が必要です。
体重を載せながらボンドを塗り広げていきます。
この時のポイントは、ボンドの厚みを1~2mmにすること。分厚くなりすぎないように均等に引き伸ばします。
伸ばしたら、コテの逆側を使ってクシ目を立てていきます。
クシ目を立てることで、裏にあるタイルの凹凸にボンドが入りこんで、密着力があがるんだそう。
そのため、クシ目をしっかりたてることもポイントです!
会議のため中断したので夜になってしまったのですが、広い面も同様に進めます。
全て平均的に塗布されることが重要なので、特に端部など塗り残しのないようにボンドを塗り広げましょう。
タイルを貼る!
半分くらいボンドの工程が完了したら、タイルを貼り付けていきます。
ちなみに、ボンドのポイントをもう一つ。ボンドの量は最初に引いたガイドラインが見えるくらいであることをおすすめします。
参考にならなくて申し訳ないですが、私はガイドラインがよく見えなかったので、出来上がりが良くなって欲しい右側の壁に合わせてシートを貼っていきます。
シートに矢印が書いてあるのでそれを右上にして持って。
右の壁に合わせて貼り付け。
位置を確定できたら、壁にタイルの裏面がしっかりと付くよう、全力で壁に向かってぎゅっぎゅと押して、ボンドとの密着を良くします。(プロはゴムハンマーで一枚づつ叩いてしっかりと密着させるそうです)
後ほどこの茶色のシートは剥がすので、タイル一枚一枚がしっかりつくように全体的にまんべんなく押します。
一枚できたら、次のシートも同じように。
シートの堺で目地幅が変わってしまわないように、シート同士の隙間も3.5mm幅になるように貼ります。
ちゃんと定規などで測った方が正確でしょうが、私は感覚でやってしまっていました。
位置を決めたらぎゅっと。
ぎゅっと押したあとにずれがないか最後に確認します。
ボンドはすぐに乾燥するわけではないので、最後の調整が可能。
タイルが重かったり一枚ずつ貼り付けるタイプだと、タイルの重みで勝手にずれてしまうこともありますので、しっかり乾くまではタイルの感覚をこまめに確認することが大事かなと思います。
シート一枚分に満たない部分はちょうどいいサイズにカットして貼り付けます。今回はまさかのシンデレラフィットでしたが、タイル自体のカットが必要な時がほとんどかもしれません。
だいぶ夜になってきましたが、この作業の繰り返しで、上まで全て完了しました!
冬だったのですが、力を使うので半袖でもなんとかいけました。
最後の一段を貼り付け!
今回はタイルをカットすることなく、貼りたい場所に一面タイルを貼り付けられました。
タイルカットは専用の大きな機械が必要。手に入れやすいタイルニッパーは試したことがあるのですが、私の力だと角をかけさせることしかできませんでした。
今回使用したような小さめのタイルの方が調整が効きやすいんだろうなと思いました。
ボンドを乾燥させ、シートの紙を剥がす
ボンドはすぐに乾かないので、1日放置して2日の朝です。
ボンドが乾いたので、タイルの表面に糊でくっついている紙を水分を含ませて剥がす作業を行います。
タイル用の大きなスポンジを使って。水を湿らせてある程度絞ってから紙に水分を与えます。
わかりやすく濃い色に変化していくので、しっかり湿らせたら剥がしていきます。
しっかり湿らすことができているとスルスルスルーーと剥がせます。
この時の感覚は結構楽しい。
隠し釘の頭を落としたりするのもそうですが、DIYをやっていると、「この感覚癖になるな」みたいな作業が結構あると思います。それが作業を楽しめている所以かもしれません。
紙が取れたら最後に布巾で表面を拭き取って、次の作業に移ります。
目地材を練って詰める
最後の仕上げ!目地詰めを行います。
ここでなぜ目地が必要なのかということから。目地が必要な理由は何点かあります。
製品の寸法誤差や施工による誤差の調整、下地の動きから緩衝材としてタイルや石材を守る。接着の補助。外部からの水・埃などの侵入を防ぐ。などがあげられます。
今回選択した目地はカラー目地。
一般的な目地材は粉を水で練るものですが、今回のカラー目地は更に色粉を混ぜる必要があり、カラーの液体と粉が別々の状態で送られてきたので、それらをしっかりと混ぜ合わせていきます。
今回は説明書をしっかり読んで。
最初にバケットにカラーの液体を混ぜます。
そしてそこに少しずつ粉を入れていきます。
一気に混ぜ合わせてポロポロになってしまったことがあるので、今回は少しずつ加えながら混ぜ合わせます。
粉が増えれば増えるほど重くなってきて、これも意外と力が必要。でも、完成が綺麗になるように頑張ってかき混ぜます。
混ぜ終わった最後の感触はこんな感じ。他のものに例えるとするならば、ホットケーキミックスの生地よりも硬くてクッキーの生地よりも少し柔らかいといったところでしょうか。
混ぜたら、詰めていきます!
ハケですくったら、タイル面へべたっと。(本来はここでスポンジゴテを使用するのが良いそうです)
今回の目地は固形感が割と強かったので、目地幅に詰めようとしても、ぽろぽろと床に落ちていってしまいます。意外と詰めるのが難しい……。
カラー系は色粉を混ぜるからなのか、通常の目地材よりボソボソしやすい印象です。
最終的には手で隙間に詰めていく方が楽かもと思い、手でやってみました。
手でやる方が目地が入っていく感覚がつかみやすいですし、指を使って隙間に詰めていきやすかったなと個人的には思いました。
この詰める時にポイントになってくるのは、隙間を作らないこと。表面上は目地で埋まっているように見えても奥まで入りこんでないこともあるので、何度か押し込むようにしてしっかり目地が詰まるようにします。
分厚いタイルだとこの現象がよりおきやすいので注意です!
手でやってしまうのは正しいやり方ではないかもしれないですが、作業を進めながら自分にとってやりやすい方法でできたら良いのではないかなと思ったり。
詰められたら最後は指で仕上げます。表面が綺麗になるように指の腹を使ってすーっと整えます。
この時着用している手袋が大きめだと指先の感覚がつかみにくいので、なるべくぴったりサイズのものを着用することをおすすめします。
落ちたものを広いながら埋め込んだのですが、終わったらこの目地の落ちよう。捨ててもいいものだったのでいいのですが、靴下の裏にもたくさんついてしまいました。
そして、実は事件がありまして。目地材が足りないことが発覚しました。
タイルのサイズによって必要な目地の量も変わってきたりするので、事前にうまく計算できず、足りるかなと思ったら全然たりませんでした……。
完成できたのは左側の広い面のみ。
今回は自宅を自分でやっているということもあり、一気に完成させなくてもいいよね!という風に言い聞かせて、右側は一旦そのままにして後日目地詰めをやることにしました。
DIYでやる際はなかなか一気に時間が取れなかったり、疲れてしまったり、材料がたりなかったり。そんな時にそのままにしておいてまた後でやるという選択が取れて、時間をかけて完成まで進んでいけるのがいいよななんて思います。
気軽に。できる時に少しずつ楽しみながらできたらなと!
ですが、道具を洗ったり養生をしたりもう一度やらないといけない部分もあるので、一気にできるに越したこともないかもしれないですが……。
目地材を拭き取る
目地が詰められたら、最後に目地材を拭き取ります。
説明書には10分ほど経ったら拭き取りと書いてあったのですが、広い面を一気に詰めてしまったが故にだいぶ時間をオーバーしてしまいました。
最初にやったところを触るともう乾いている……。とりあえず乾燥を防ぐために、急いで暖房を消してみました。左官材は乾燥と共に硬化してしまうので時間との勝負。
目地材は半乾きのうちに拭き取るものなので、すでに時遅し感がありますが、急いで拭き取り作業に取り掛かります。
先ほど使用したタイル用スポンジを濡らして絞る。
水をふくませすぎるとついていて欲しい目地材までも取れてしまうので、なるべくぎゅっと絞っておくのがポイントです。
もう乾燥が始まっているので、表面についたものをぽろぽろと落とす感覚。このタイルは磁器なので、少し固まっていても無事に綺麗に拭き取ることができました。
最後に養生を剥がします。
目地のことを考えず、壁壁との境目のギリギリに養生をしてしまったので、多少手こずりましたが、カッターも用いて、なんとか除去!
完成!
そして完成!!!
キッチンや洗面など水回りでよく見かけることの多かったタイルですが、部屋の中に取り入れるのもすごくいいなと実感。
光が差し込んでつやっと輝くタイルに惚れ惚れしています。
右側の目地詰めはまだ終わってないのですが引いてみると目地色とボンドの色が似ていたので案外わからないものですね。熱が冷めないうちにやるようにします!
今回もハプニングはありつつも出来上がってみたら、とっても満足な仕上がりに!予想以上にうまくいって撮影してくれたスタッフと自画自賛して盛り上がりました。
また次回のDIY挑戦もお楽しみに!
紹介している商品
過去記事はこちら。