Salesforce.com、主力サービス基盤にAmazonクラウド活用を表明。より迅速に海外展開するため。自社データセンターへの投資も継続

2016年5月27日

Salesforce.comは、Amazon Web Servicesを推奨パブリッククラウド事業者(preferred public cloud infrastructure provider)とすることを発表しました

Salesfoce.comは、同社の主力サービスであるCRMサービスのSales Cloudなどの基盤として自社データセンターを構築してきました。また、日本でのデータセンター展開では東京データセンターはNTTコミュニケーションズと契約し、4月に発表された関西地区のデータセンターはNECと契約するなど、個別にデータセンター事業者などと契約し、自社データセンターに準ずるデータセンターを開設してきました。

今回の発表は、こうした主力サービス向けデータセンターを海外展開する際に、より迅速かつ効果的に行うためのものだと、Salesforce.comの共同創業者のParker Harris氏は同社ブログへ投稿した記事「Salesforce Selects Amazon Web Services as Preferred Public Cloud Infrastructure Provider - Salesforce Blog」で次のように説明しています。

Salesforce will utilize AWS in select international markets to help bring new infrastructure online more quickly and efficiently.

Salesforceは、特定の国際市場に対して新しいインフラをより迅速かつ効果的に展開する際に、AWSを活用するつもりだ。

グローバルなデータセンター展開にAWSを活用

現在、多くの国や地域、組織が、個人情報などのセンシティブなデジタルデータが国境や地域を越えないように制約を強めています。これに対応するため、マイクロソフト、IBM、AWS、Googleといったクラウドの大手事業者は、グローバルに多数のデータセンターを設置する計画を明らかにしています。

例えばAWSは今年の1月に韓国ソウルに新リージョンを開設。現在アジアには東京、シンガポール、シドニー、北京、ソウルと5つものリージョンがあり、さらにインド、中国にもう1カ所の計画があります。

Salesforce.comは、こうしたデータセンターのグローバル展開にAWSの力を借りることを選んだと見られます。

自社データセンターにも投資継続

一方で、Harris氏は引き続き自社データセンターへの投資も継続していくと明言しています。

The company will also continue to invest in its own data centers.

弊社は自社データセンターにも継続して投資していく

おそらく米国や日本など主要な地域や既存のデータセンターを展開済みの地域は自社データセンターで、それ以外の地域についてはAWSを活用する、といった使い分けをしていくのではないでしょうか。

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