[速報]アドビ、PhoneGapを買収。モバイルのクロスプラットフォーム対応へリベンジ

2011年10月4日

米アドビシステムズは、HTML5、CSS、JavaScriptなどWeb標準の技術で作成したモバイルアプリケーションを、iPhoneやAndroidなどのデバイスにインストール可能なネイティブアプリケーションへと変換するフレームワーク「PhoneGap」を開発する企業「Nitobi」の買収を発表しました

PhoneGap

Adobe AIRのつまづきをPhoneGapでリベンジ

アドビはこれまで、「Adobe AIR」でHTMLやJavaScriptなどのWeb標準やFlashなどを用いて、PCからモバイルまでOSやデバイスにとらわれないクロスプラットフォームなアプリケーションを実現しようとしていました。

しかしアップルのiOSがFlashに対応せず、一時はFlashから変換したアプリケーションの実行も禁止したため、Adobe AIRによるクロスプラットフォーム対応はつまずいてしまいました(追記: Package for iOSの投資はいちど停止しましたが、その後アップルのライセンス変更により開発が再開。AIR 2.6からはiOSアプリの書き出しに対応するようになっており、現在ではiOSアプリの開発も可能です)。

PhoneGapは、WebアプリケーションをiOSやAndroid、BlackBerryなどのOSに対応したネイティブアプリケーションに変換(現在のところ、正確にはラップによりネイティブ化している)します。アップルはPhoneGapで変換したアプリケーションの実行をiOS上で禁止していないため、アドビがAdobe AIRで実現しようとしていたクロスプラットフォーム対応をPhoneGapは新たなアプローチで実現していることになります。アドビが買収に動いたのもうなずけます。

そしてアドビにとってPhoneGapが魅力的に映ったであろうもう1つの理由が、「PhoneGap Build」です。

PhoneGap Buildは、PhoneGapのコンパイルをサービスとして提供するもの。通常は開発者が手もとのデスクトップマシンで行わなければならないアプリケーションのコンパイル作業が、PhoneGapのサービスとして提供されるため、開発者はローカルでのコンパイル環境が不要になります。

これは今日、アドビが発表したクリエイターのためのクラウドサービス「Creative Cloud」のコンセプトとも一致します。近い将来、Creative CloudのサービスとしてPhoneGap Buildが提供されることになるのではないでしょうか。

Adobe MAX 2011

あわせて読みたい

HTML/CSS Web技術 Web標準 開発ツール Adobe モバイル




タグクラウド

クラウド
AWS / Azure / Google Cloud
クラウドネイティブ / サーバレス
クラウドのシェア / クラウドの障害

コンテナ型仮想化

プログラミング言語
JavaScript / Java / .NET
WebAssembly / Web標準
開発ツール / テスト・品質

アジャイル開発 / スクラム / DevOps

データベース / 機械学習・AI
RDB / NoSQL

ネットワーク / セキュリティ
HTTP / QUIC

OS / Windows / Linux / 仮想化
サーバ / ストレージ / ハードウェア

ITエンジニアの給与・年収 / 働き方

殿堂入り / おもしろ / 編集後記

全てのタグを見る

Blogger in Chief

photo of jniino

Junichi Niino(jniino)
IT系の雑誌編集者、オンラインメディア発行人を経て独立。2009年にPublickeyを開始しました。
詳しいプロフィール

Publickeyの新着情報をチェックしませんか?
Twitterで : @Publickey
Facebookで : Publickeyのページ
RSSリーダーで : Feed

最新記事10本


<!- script for simple analytics events -->