声優であり、いちスタッフのような気持ちで。『エロマンガ先生』和泉紗霧役・藤田茜さんインタビュー
取材・文/三浦一紀 編集/佐久間仁美
2017年春アニメの中でも話題沸騰中の作品『エロマンガ先生』。視聴者の心を大きく揺さぶったのは、なんといっても登場する女の子たちのかわいらしさ!
中でも、中学1年生のヒロイン・和泉紗霧ちゃんがかわいいと評判に。その秘密は、紗霧ちゃんをメインに、ドキッとさせるシーンを描く「紗霧ちゃん専属アニメーター」の存在にあります。そのこだわりについては、前回お届けした、竹下良平監督と紗霧ちゃん専属アニメーター・小林恵祐さんのインタビューをご覧ください。
そして、その紗霧ちゃんのかわいらしさを、さらに倍増させているのが、声優・藤田茜さんの演技です。そこで藤田さんに、とてもインパクトのある『エロマンガ先生』というタイトルのヒロインを演じることについて、そして作品への思い入れやこだわりについて、お話を伺いました。
女の子のかわいさは、手に宿ると思う
やっぱり、タイトルのインパクトがすごいですよね(笑)。でもそれだけではなくて、登場する女の子たちが、すごくかわいくて魅力的で。紗霧ちゃんの兄さんである正宗も「王道のラノベ主人公」という感じですが、熱い心を持っていたり、妹に対する優しさがあったりしてステキですね。
※紗霧専属アニメーター・小林さんが描くシーン
あと、私は女の子の二次元のお手てが好きなんですよ! 中指と薬指がくっついているように見える表現なんですが、わかりますかね? 目は口ほどに物を言うのと同じように、私は女の子のかわいさは手に宿ると思っていて。女の子のイラストを見るときは、まずお手てを見てしまいます。
気持ちが悪い「エロマンガ先生モード」の中にも、かわいさは残すように
オーディションで合格したときは、びっくりしました! 伏見つかささん原作のアニメ『俺の妹がこんなに可愛いわけがない。』をリアルタイムで見ていたので「その次の作品に出られるんだ」という驚きが大きかったですね。私は、かわいい女の子が好きなので、紗霧ちゃんのようなかわいい女の子が演じられる! という喜びもありました。
一応、マネージャーさんからは、オーディションの時に「『エロマンガ先生』というタイトルですけど、そういうやつ(いわゆる大人向けの内容)じゃないですよ」と説明を受けていたので、内容に感しては、あまり心配はしていませんでした。
紗霧ちゃんは、イラストを描くときに「エロマンガ先生モード」という、イラストに集中しすぎて、ちょっと気持ち悪い感じになるんですよね。紗霧ちゃんは「自分の目で見たものしか描きたくない」というポリシーがあって、女の子にモデルになってもらっているときは、すごいローアングルから「エヘヘ、エヘヘ」って言いながら描いているんです。そんな中にも、かわいさを残すように気をつけています。「どんなパンツ履いてるの?」ってセリフでもかわいいっていう(笑)。
──普段の紗霧ちゃんのときは、どのような感じですか?
紗霧ちゃんが普通のときは、とにかくかわいく! というのを心がけています。最初、紗霧ちゃんは「感情があまり出ない子」という印象がありました。でもお兄さんに対しては感情の振り幅が徐々に大きくなっていって、怒るときは結構怒るんです。嫉妬したり冷たくしたりするシーンでは「もっとやって」とディレクションされたので、ここまでやったら嫌われちゃうんじゃないか、と心配になるくらいやりました。
部屋に引きこもっていて、人とあまり接していないからこそ、ちょっと子供っぽいところがある。だからこそ、感情の振り幅の大きさにつながっていると思います。
なんといっても見た目がかわいいですよね(笑)。とても大事なことだと思います。かわいくて、絵がうまくて。それと、お兄さんがちょっとお金に困っているというシーンで「私が養ってあげる」と言ってしまう、ちょっと甲斐甲斐しい感じも、愛おしいなと思います。
お兄さんの働きかけや、エルフやムラマサなどの他のキャラクターと接することで、自分から部屋を出てみようと、少しずつ勇気を出して変わっていくところも、すごく好きです。
正宗は、紗霧ちゃんの気持ちを理解してくれる
──お兄さんの影響によって、紗霧ちゃんが徐々に変わってくるというお話でしたが、お兄さんの正宗は、藤田さんにはどう映っていますか?
引きこもっている紗霧ちゃんを、部屋から出そうと頑張っているんですけど、学校に無理に行かせようとかは全然思っていないですよね。紗霧ちゃんの気持ちを理解しているし、無理はさせないというところが、優しい兄さんだなと思います。
あとは、紗霧ちゃんと床ドンで会話ができる、会話スキルの素晴らしさとか(笑)。お料理も上手だし、部屋から出てこない紗霧ちゃんに対して、メッセージカードをご飯に添えるなんて「なんだ、このいい兄さんは!」と思いますね。
──正宗にとってはラノベ作家のライバルである山田エルフという女の子が出てきますね。紗霧ちゃんとは性格は違うものの、こちらもかわいいですよね。
我が強い感じですが、料理も上手で。正宗に料理を振る舞うんですけど、そのときも「気になるやつに手料理を作ってあげたくなる気持ち、あんたのおかげで料理をふるまいたくなるヒロインの気持ちがよくわかったわ」なんて言ったりしてて。大胆なことをエルフはちょくちょく言っているんですけど、お兄さんはエルフの好意に全く気がつかないんだよなーっていう(笑)。
──ラノベの主人公が持つ、特有の鈍感さというか(笑)。王道でいいですよね。
紗霧ちゃんとはインドア派なところが似ているかも
──藤田さんと紗霧ちゃんを比較して、ここは似ているなというところはありますか?
私は引きこもりではないんですけど、おうちが好きなインドア派なところが似ているかな。あとは、結構頑固でワガママなところとか。親によく言われますね。
うーん、容姿(笑)。あとは、多分正宗と紗霧ちゃんは、一言足りないんですよね。どちらも気づいていないような齟齬が起きてしまっているのは、そこが原因だと思うんです。あと一歩踏み込めばわかるのに、そこを言わないところが違うのかもしれません。
──藤田さんは結構言うほうなんですか?
普通の会話では、おかしなことには「そうじゃないんだよ」って言ったりします。
──意外と、結構ズバズバ指摘するタイプなんですね。紗霧ちゃんは演じやすいキャラですか?
演技で言うと「もっと感情を出していい」とアドバイスをいただいたので、結構正宗のバカな部分に乗っかってやってしまおう! という感じなので、やりやすいと思っています。
声の感じは、地声よりも高めに出しています。辛くはないんですが、普段の声とは違うので意識はしますね。
──紗霧ちゃんは話数を重ねるごとに、お兄さんに対しては割とズバズバ言うようになってきましたよね。その他にも、友達や他のキャラクターと接しているとき、そしてエロマンガ先生モードのときと、同一キャラクターでも演技の幅が広いと思うんです。
緊張しているときとか、兄さん以外の人がいる状況で大きな声を出すとかはテンションは違いますね。
たとえば、7話で紗霧ちゃんが階段から降りてきて、兄さんが取られちゃうと思って「私のだもん!」と叫ぶシーンがあるんですが、ここは紗霧ちゃんが部屋から出るという大変さ、兄さん以外の人がいる状況で姿を現して声を出すという大変さ、そして兄さんが取られちゃう不安、さまざまな状況が重なっているので、いつもとはちょっと違うかもしれませんね。関わっている期間が長いのでいちスタッフのような気持ちです
──実際、アニメの作業現場に行ってレポートをしたりとか、4話では原画を描いたりとか、作品へ声優の枠を超えた関わり方もされていますね。
この仕事をやっていて、いろいろな企画をたくさんやらせてもらって(笑)。ここ数年でこんなことをやるとは思っていませんでした。とても楽しいです。
私は、乗り物に乗っているのも好きだし、地方でおいしいものを食べられるのですごく楽しくって。ニコ生でもリアルタイムで反応はいただけますが、ファンの方の顔は見えないじゃないですか。
「布教の旅」では、私がコメンタリーをしながら上映会をして、お客さんも声を出すスタイルでやっているので、顔が見えている状態で意見が飛んでくる面白さがありますね。あと、アニメのオープニング曲やエンディング曲を流して、私が紗霧ちゃんのコスプレをして踊ったりしています(笑)。
──最後に『エロマンガ先生』をご覧になっているみなさんに、メッセージをお願いします。
これまで『エロマンガ先生』を見ていただいた方は、紗霧ちゃんをはじめ、登場人物のみんなが成長しているのがおわかりいただけていると思います。それを踏まえて、これから紗霧ちゃんと、正宗、エルフ、ムラマサ、智恵といった他のキャラクターとの関係性がどうなっていくのか見どころはたくさんありますのでぜひ楽しみにしてください!
藤田茜さんサイン&イラスト入り『エロマンガ先生』ポスターをプレゼント!
藤田茜さんのサインと描き下ろしイラストが入った『エロマンガ先生』のポスターを、限定3名様にプレゼントします。全て違うポスターで、違うイラストが描かれていますのでお楽しみに!
応募方法は
①アニメ『俺の妹がこんなに可愛いわけがない。』&アニメ『エロマンガ先生』公式Twitterとpixivision公式Twitterの2アカウントをフォロー
②その後、こちらのツイートをRTするだけ!
みなさんのご応募をお待ちしています。
※当選連絡はpixivisionのTwitterアカウントよりダイレクトメッセージにて差し上げます。