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解説系YouTuberが思いついたことを書きます

シリコンバレー滞在30日で分かった15のこと

このブログは、僕がこれまでWebサービスをいくつか作ってきて、失敗したり成功したり色々体験していることをまとめています。

 

シリコンバレーに来て30日が経ちました。不思議なもので、日本にいるときは、やれFacebookが上場するだの、Pintarestが流行ってるだの、情報としては耳に入ってきてはしているけれど、どこか遠い世界の話のように感じられていたのが、こちらにいると、すぐそばで起こっている身近なものとしてとらえることができて、文字だけでは伝わらない雰囲気や空気感がたしかに存在しているのだと感じます。

 

最初の1週間は、家や車、ネット環境、その他日常の生活に必要なものを揃えるのに時間を取られて、生活のペースを掴むのに四苦八苦しましたが、ようやく落ち着いて来たので、最近感じていることをつらつらと書いてみたいと思います。

 

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( Mountain View一望 )

1. 最高の気候、最高の環境

こちらに滞在している誰もがいうことですが、本当に本当に気候が最高。子供の頃から「日本には四季があっていい」という教育を受けて育ってきたので、日本が一番だと思っていたのですが、完全に「洗脳」が解けてしまいました。日本だと1年に何度かしかない快晴が本当に毎日のように続くパラダイスです。暑すぎず寒すぎず、毎年この時期に憂鬱だった花粉症も出ないし、最高です。オープンな気持ちになるのは、この気候のおかげかもしれません。

 

2. シリコンバレーは地名ではなかった

ひとくちにシリコンバレーと言っても、実はシリコンバレーという地名はなくて、だいたいこの範囲がシリコンバレーだよね、という曖昧な定義に基づいていることが分かりました。一般的には、シリコンバレーはサンタクララ・パロアルト・サンノゼ地区を指しており、Youtubeが生まれたサンマテオ、Facebookがあるメンローパーク、HP本社があるパロアルト、スタンフォード、いま僕が滞在しているマウンテンビューなどが点在しています。空いていればフリーウェイ(日本でいう高速道路)に乗って、車で30分くらいの範囲内にあります。

 

3. フリーウェイが街と街を繋ぐ大動脈

101(ワンオーワン)と呼ばれるフリーウェイが街と街を繋ぐ大動脈になっていて、ひっきりなしに車が行き交っています。基本的に片側4車線もあるにもかかわらず、通勤時には渋滞も発生するので、いかに車が多いかが分かるかと思います。東側にも280という山道を切り開いたフリーウェイがあり、こちらもサンフランシスコ市街地まで繋がる幹線道路になっています。ちなみに、フリーウェイという名前の通り、利用は無料。来た当初はしょっちゅう出口を乗り過ごしたりしたのですが、日本みたいに料金所もないので、Uターンしてすぐに無料で入りなおせます。

 

4. 車は必須、電車は1時間に1本

中心地であるサンフランシスコ市内やサンノゼに人が集まっているので、打ち合わせなどで人と会うときはどちらかの街に出るケースがあります。車がないと生活用品の買い出しもままならないので、車は必需品です。東京にいたときは、電車でほとんど用事が済ませられたので、ほとんど車に乗る機会がなかったのですが、こちらに来て生活スタイルがガラッと変わってしまいました。ただし、レンタカーは2週間で十数万円(リースだと安いところで1ヶ月5万円くらい)とお金がかかり、さらに保険も半年契約で1人10万円以上と高いので(25歳以下だとさらに倍の金額)、長期滞在する場合は、中古車の購入も検討したほうが良いと思いました。電車でもなんとか生活はできそうですが、サンフランシスコとサンノゼを繋ぐ電車は1時間に1本しかないので、1人に会いに行くだけでも往復すると半日がかりになり、本格的に暮らそうとすると現実的ではないと思います。

 

5. 交通ルールの違い

観光で来ていて、日本で免許を持っていれば、アメリカで運転するための国際免許は、3000円ちょっとのお金を払えばすぐに発行してもらえます。車の運転は、最初は右車線を走るのに違和感がありすぎて、「ここはアメリカだ!」と肝に銘じて運転しないと、ふとした瞬間に逆走行したりして、とても危ない状況になります。特にスーパーの駐車場などでは気が緩み、逆走してしまうことがありました。ただ、それ以上に、赤信号でも右折は一時停止後に進んでよしという交通ルールには、なかなか受け入れがたいものがあります。駐車違反もこちらでは成果主義になっているらしく、非常に厳しいです。止めてはいけない場所(歩道に赤いペンキが塗っていたりするだけ)に10分くらい止めていると、違反の紙がすぐに貼られます。交通ルールの違いは、事前にはよく分からなかったので、毎日とまどいの連続です。

 

6. 食べ物は普通に美味しい

これは住んでいる場所と、人によって違うようですが、食べ物は全体的に美味しいです。カレーぽいのにピーナッツバターみたいに甘いとか「ハズレ」もなくはないですが、いまのところ日本食が恋しいと思うような状況には陥ってないです。日本にいた時も、もともと外食が多かったので余計そう感じるのかもしれません。思ったより食べ物が美味しいのと、カロリーが高いものを食べているせいか、こちらに来て少し太りました。

 

7. パーカー最強

シリコンバレーには湿気がほとんどないので、日中は暑いくらいの日差しなのに、夜になると半袖だと寒くて震えるくらいまで気温が下がってきます。来る前は半袖+短パン+裸足でビーチサンダルでOK、と思っていたのですが、Tシャツの上にパーカーを羽織るとちょうどいいので多用しています。足元も冷えるので、ちゃんとソックスを履いてます。

 

8. 日本との時差は絶妙にもどかしい

シリコンバレーはサマータイム込みで日本とはマイナス16時間ということで、こちらが朝10:00なら日本は深夜2:00、こちらが夕方16時なら日本は朝8時と、ちょうど働いている時間帯が日本の睡眠時間にあたるので、メールのやり取りや直接の連絡は、なかなかもどかしい状況になります。ただ、こればっかりはしようがないので、早朝深夜にかかわらず、メールやスカイプなどを駆使してコミニケーションを図るようにして対策するのが良いのでしょう。

 

9. 英語は若いうちにマスターするべき

シリコンバレーに限ったことではないですが、こちらに来てしみじみ思うことは、英語ができないというのは世界の半分以上を知らないこととイコールだということです。学生時代にこういった経験ができていれば、英語の学習意欲も増してたのになぁと思うこともしばしば。世界経済を考えた場合、これまでは日本国内だけで一定以上の市場があったので、日本語という言語の壁に守られた経済圏を確立できていたのですが、ことWebサービスについてはグローバル化、ボーダレス化が非常に容易なので、これからWeb業界でやって行きたい人には、絶対に英語の学習をおすすめします。英語の学習カリュキュラムも一味違うようで、シリコンバレーで著名な日本人の渡辺千賀さん曰く、外国人が英語を喋れるようにするためにはどういう学習方法が良いかを研究されているくらいよく整備されているので、もし本格的に英語を勉強する場合は、事前に調べたほうが良いと思います。

 

10. 日本とは桁が違うお金が動いている

こちらで色々と見聞していると、Facebookがインターネット系企業の最後のIPOになるんじゃないかという話が出るくらい、いま米国で上場を目指すのは難しい状況になっているそうです。そのせいもあって、シリコンバレーのスタートアップのほとんどはゴールをバイアウトに設定していることが多いと感じました。バイアウトの金額は日本だとせいぜい数億円、跳ねても数十億円が限界ですが、シリコンバレーでは50億円くらいまでは日常茶飯事でバイアウトされているようです。最近でも、Draw Somethingで大当たりを出したOMGPOPが約150億円でZyngaに売却されるなど、跳ねるとインスタグラムのように数百億円単位のお金が動いてしまうのがシリコンバレー。こういうハイリターンな環境だからこそ、世界中から優秀な人が集まって、切磋琢磨しつつ素晴らしいサービスが生まれているのだと痛感しています。

 

11. スタートアップ界隈ではAngel.coの影響力大

こちらに来て驚いたのは、日本ではあまり馴染みのない「Angel List」というサービスの知名度と影響力が大きいことです。ひとことでいうと、スタートアップ版LinkedIn。「Angel List」はスタートアップにとって必須サービスになっているようで、シリコンバレーで出資を受けようと思ったら、「Angel List」に会社やサービスの情報を公開して、エンジェルやVCの出資を受ける流れができています。日本でもあったらいいのにな、と思いました。シリコンバレーでは振り返ればエンジェルがいる、ではないですが、エンジェルやVCの数も多く、こうしたサービスを使って投資家向けにプロモーションする場所というニーズが有るのだと思います。

 

12. スカイプは主要インフラ

上でも説明したように、サンフランシスコ市内とサンノゼの間を走る電車は1時間に1本なので、日本のように直接ミーティングしてさくっとオフィスに戻る、というような移動のしかたはなかなかできません。物理的にそうした制約があるので、打ち合わせはなるべくスカイプで済ませようという共通認識もあり、結果として合理的な時間の使い方になっています。

 

13. 学生ベンチャーはあまり多くない

FacebookやGoogleのイメージが強いので、シリコンバレーには学生ベンチャーが多くいるように錯覚しがちですが、けっしてそんなことはないと感じています。年齢層でいうと30代がボリュームゾーンで、上は50代まで幅広くいます。世界進出を果たすために、自国で成功を収めてから勝負をしにくるスタートアップもたくさんいます。人種も様々で、中国や韓国、インドネシア、インドなどアジアは勢いがありますが、逆に日本人の存在感はかなり薄いという印象です。(個人的には英語さえできればシリコンバレーでも日本のプロダクトは十分通用すると思います)

 

14. これを日本で展開したら流行りそう、というサービスがごろごろしている

まだまだすべてのサービスを見きれているわけではないですが、日本にいるときよりは、段違いに新しいサービスに触れる機会が増えました。空気感として、Webだけで完結するサービスやソーシャル系は一段落している雰囲気があり、O2Oサービスがこれから増えてきそうな感じです。リアルと連動している分、地域性がともなうので、タイムマシーン経営が成り立つジャンルだと思います。そうした流れとは別に、日本ですでに流行っているサービスを世界向けに逆ローカライズしていく方向もまだまだありそうだという印象を持ちました。

 

15. プロモーションはみんな地道に行なっている

僕がシリコンバレーに来ているひとつの理由は、世界的規模に成長するサービスが、どのようなプロモーション手法を活用して、大きくなっていったか/いくかを知りたいからです。これまで見聞きした限りでは、リーンスタートアップの理念に従って、ユーザーの声を聞きながら、サービスを進化させていくことが大前提としてあって、その上で、ターゲットとなるユーザー層が集まっているコミュニティやブロガーに地道にアプローチする、というような至極まともな話しが多いです。一般的なプロモーション手法以外はなかなか表に出てこない部分でもあるので、引き続き調べていきたいと思います。

 

 

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会社名のメーヴェはドイツ語でカモメのこと。僕らは渡り鳥のように世界のどこにいても仕事が行えるスタイルを目指しています。いまいくつかの企画が進行中で、これから海外の人たちと一緒にWebサービスやアプリケーションを作っていこうと思っています。もし僕らと一緒に働くことで修行したい学生の方がいたら、hajimeataka[a]gmail.com までプロフィールをお送りください。英語やプログラミングスキルがある方を優先しますが、なにより”やる気”がある方を最優先します。