テーマ石破政権の経済政策
政府は総合経済対策の一環として、電気・ガス料金の補助を2025年1月から再開する見通しです。物価高対策としての電気・ガス代の補助は23年1月から中断もありながら続いてきました。
Q2.
物価高による実質所得の減少に対しては、電気・ガス料金など特定の財への補助よりも、低所得者向け支援を優先すべきである。
集計結果・個別の意見
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今の政権は、子どもの貧困対策含め低所得者支援は何も新しい政策をしていない。方向性さえ見えない。
特定のサービスへの料金を一律に補助するのではなく、「健康で文化的な生活」に支障のある世帯を支援するのが望ましい。
電気・ガス料金引き下げの恩恵は、低所得消費者(消費額は小さいが、家計消費全体に占める電気・ガス料金の割合は高い)だけではなく高所得消費者(消費額は大きい)にもいきわたる。料金高騰の所得への影響の激変緩和という政策目的の為には、受ける影響が大きな消費者に限って直接所得補助するのが、目的を達成するための最も効率的な手段である。
政策がなにを目的とするかによる。生活困窮者への支援が目的であれば,高所得者も利するガス・電気への補助金は効率が悪い。
最低限の生活を保障するのは社会保障の役割で、特定の財への補助は資源配分を歪める。
エネルギー補助政策は再配分を促す短期的な性質を持つべきものと考えるので、低所得向けの政策になるのが最も効果的だと考えられる。
物価高による影響がより深刻な低所得者向けの支援を優先すべきである。そしてその支援のあり方はランプサムの所得補助とすることが、市場による資源の適切な配分機能を維持しつつ低所得者を支援する方策として望ましい。
日本の問題は物価が高いことではなく賃金が低いことである。したがって、政府がやるべきは物価を抑えるのではなく賃金を引き上げること。賃上げの恩恵が及ばない人たちにたいして所得補填をするのは理にかなっている。
低所得者むけに技術的に効率的にできるのかよくわからない。
一般物価水準の上昇による実質所得の低下はすべての所得階層に影響するので、対策が低所得者支援に限定される必然性がない。エネルギー補助が対処するのはエネルギー市場の何らかの失敗であり、低所得者支援は所得分配上の問題であり、両者を物価高対策の傘の下に配するのは政策の整理として合理的でない。
低所得者向けの補助金の方が、目的にも理にもかなっている。
政策目的に対して直接的な介入の方が望ましい。
政策による資源配分の歪みが小さく、困難に直面している人々に限定した補助が可能。
「低所得」ではなく消費低下を余儀なくされる「低所得」+「低資産」層をターゲットとすべき。
低所得者支援を優先すべきだが、これまでのような低所得者全体に対する定額支給だと、支援対象にならないが物価高の影響が大きい層への支給が回らない。そもそも実質所得減少が問題なら、実質所得を増やせる取組をする必要がある。一時的高騰に対する短期間での実施しやすさ、不公平感の少なさを考えると、電気・ガス料金補助との優劣は困難。
資源配分への歪みが少ないと考えられるため。
物価高による実質所得減で影響を受けているのは低所得者だけでなく(物価上昇ほどに所得が増加していない)中所得者以上の消費者も同じであるため、より多くの消費者に対して一律ないし累進的な(低所得者により手厚くなるような)支援方法もあり得る。
一般論としては賛成であるが、その程度や方法については慎重に検討すべきだと思う。
生活困窮への支援としては給付の方が望ましい。ただし、非課税世帯イコール低所得世帯ではない。収入や資産の実態に即した給付が望まれる
特定の産業を支援するような補助金よりも、物価高の影響を比較的受けやすい低所得層に絞った所得移転の方が望ましいように思われる。
生活保護の基準受給額の調整を含めて「低所得者向け支援」は検討されるべきだが、現状の低所得者向け支援は非課税世帯への現金給付(高齢者中心)のように就労からのみで生計を立てている現役世代に十分に届いていないのではないかと思うので、どちらとも言えないです。
高所得者には物価対策は不要
低所得者向け支援は、低所得者とそうでない労働者の境界をどこに設定するかなど問題が多く、さらには賃金上昇の勢いを削ぎかねないという問題もあるが、特定の財の価格を低く抑えてしまうよりはましだと思われる。
低所得者向け支援は(非課税世帯など)区切りをつけてなされることが多く、マージナルなところでのインセンティブの歪みおよび不公平な取扱いが生じる。
特定の財への補助金は、全経済階層を対象として支援を必要としない層も含むので、効率的な配分とはいえない。物価高対策といった一時的な緊急対応よりも、常日頃から困窮者に対するセーフティネットを充実させることが重要だと思う。
目的が低所得者対策ならば、対象を絞った支援を行うべきで、電気・ガス料金補助で価格をゆがめるべきではない。また、後者は事業者にとっても手続きが煩雑で、困っているという話を聞く。
インフレと共に所得が伸びる職種、業界で就業している者と、そうでない者の格差が広がることで、社会の不満が高まる。それを抑える為には、低所得者を優先した物価高対策を講じることが効果的だと考える。
そもそも物価高による実質所得減少に対しては、物価高に対応した名目賃金の引き上げや、リスキリング等を通じた生産性向上等が求められる。そのうえで、低所得者への一時的支援が必要な場合には、特定の財への補助の形でなく行うことが求められる。
一般論としてはその通りだと思う。一方、現在の日本の制度では、「低所得者向け支援」として迅速にターゲティングできる仕組みが(「住民税非課税世帯」などのカテゴリ以外に)ほぼない。「手段」がなければ「優先」することもできない点には留意する必要がある。
低所得者層への支援に集中することで、限られた予算を効率よく活用し、財政負担を軽減できるメリットがある。しかし、現在の低所得者向け支援は一時給付金など、行政コストが高くつく方法が主流である。そのため、税控除や所得控除の拡充、また将来的にマイナンバーを活用した直接振り込みが可能になれば、行政コストを抑えながら効果的な支援が期待できると思う。
エネルギー代補助と低所得者支援を両立する可能性を探るということで「どちらともいえない」とする。エネルギー代の補助、もしくは基準値からの節約量あたりのリベートの額を家計所得に逆進的にする形で、低所得層支援につなげられないか。
理論的には価格補助より直接給付のほうが効果的と考えられるが,例えば低所得者対策の場合,具体的にどのような仕組みで低所得者のみをターゲットにして効果的に<実施>できるかは難しいところだろう.
低所得者の方が電気・ガス料金の支出に占める割合が高いため、電気・ガス料金への補助は低所得者向け支援になるが、一律の政策ではこの効果が薄れるため。
基本的な方針としては賛成。ただし、電気・ガスへの依存度が大きく、短期的な代替が難しいような家計・企業に対しては、追加的な支援を検討しても良いのではないか。
適切に低所得者に向けた支援が実際にできるのであればそちらを優先すべきだが、住民税非課税世帯への一律給付のような粗いやり方なら生活必需品に対する補助(軽減税率適用の食料品の税率をさらに下げるとか)のほうがましだと思う。
所得が正確に把握できればそれが望ましい。
電気・ガス料金も含め、生活必需品への補助金は低所得層をターゲットにすべき。全世帯をターゲットにするのは効率的な資源配分とはいえないのではないか?低所得層をターゲットにする効果を見るためには、全世帯の所得を補足するデータの存在が必須。
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石破政権の経済政策
電気代補助の再開 「不適切」77% 経済学者47人に聞く
政府は総合経済対策の一環として、電気・ガス料金の補助を2025年1月から再開する見通しです。物価高対策としての電気・ガス代の補助は23年1月から中断もありながら続いてきました。
物価高対策として電気・ガス料金の補助を再開するのは適切である。
物価高による実質所得の減少に対しては、電気・ガス料金など特定の財への補助よりも、低所得者向け支援を優先すべきである。
103万円の壁上げ「望ましい」4割超 経済学者47人調査
税金や保険料の負担が増えないように労働時間を抑えてしまう「年収の壁」が政策課題となっています。国民民主党は、所得税がかかり始める「課税最低限」を現在の103万円から引き上げるよう求め、与党と協議をしています。過去の最低賃金の上昇を反映して所得控除額を引き上げることにより、働く人の手取り収入を増やすのが狙いです。一方で控除額の引き上げは税収減にもつながります。
所得税の課税最低限の引き上げは、パートやアルバイトの労働供給を増やす。
所得税の課税最低限は現状の103万円よりも引き上げるのが望ましい。
政府目標は正しいか 最低賃金1500円、経済学者の評価拮抗
石破首相は自民党総裁選中に、全国加重平均で現在1055円の最低賃金について、2020年代のうちに1500円まで引き上げる目標を掲げました。
2%程度の物価上昇率(CPI総合)が続くと仮定して、2029年までに最低賃金を1500円まで高めた場合、人件費の上昇等により雇用は減少する。
政府が最低賃金の中期的な金額の目標を示すのは適切である。
日経エコノミクスパネルは経済の見通しや政策への賛否について、経済学者の意見分布を示す試みです。財政や金融、デジタル化についてパネリストの考え方も紹介し、ビジネスや暮らしと経済学との橋渡しを目指します。
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