【楽天森井社長コラム】ドラフト前夜「くじ」の研究…右手40%左手は20%/前編

楽天の森井誠之球団社長(50)によるコラム第2弾です。今回のテーマは、森井社長がくじ引き役を務めた昨秋のドラフト会議です。5球団競合の末、ドラフト1位で明大・宗山塁内野手(21)の交渉権を獲得しました。

全2回でお届けします。前編は、ドラフト当日の朝を迎えるまで。

プロ野球

◆森井誠之(もりい・まさゆき)1974年(昭49)7月26日生まれ、川崎市出身。明大卒業後の99年4月にオリコムに入社。07年1月に楽天野球団に入社し、13年3月から執行役員に就任。18年2月から楽天ヴィッセル神戸に出向し、19年7月から副社長などを歴任。22年3月に楽天グループを退職。同年7月から仙台89ERSで会長を務め、23年8月から楽天野球団へ帰任し社長に就任。

いいご縁=おさい銭は115円

明大・宗山の交渉権を獲得してガッツポーズする楽天の森井誠之球団社長(壇上右から2人目)

明大・宗山の交渉権を獲得してガッツポーズする楽天の森井誠之球団社長(壇上右から2人目)

今年のドラフトを振り返ると、野手で言ったら宗山選手、ピッチャーで言ったら金丸選手、もうとにかくずぬけている2人がいるというのがスカウトの皆さんの評価でした。

「絶対にいきたい」とみんなが言う素晴らしい選手がいるのであれば、「もうチャレンジしていこう」と。チャレンジせず、他球団にその戦力を奪われたくないという思いがあったので、大きく分けると競合する選手を狙いにいくという方針になりました。

僕はドラフトの2日前から東京に行く予定がありましたので、自分がくじを引く、引かないはさておき、チームの代表としてドラフトに出席する以上は、ちゃんと礼を尽くさなければいけないという思いがありました。

元社長の立花(陽三)さんが、仙台の榴岡天満宮でお参りをされていたので、それを継承しようと。「いいご縁が一番いいですよ」という職員の勧めもあり、おさい銭は115円で、お参りしてから東京に向かいました。

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