幕内優勝4度の関脇貴景勝(28=常盤山)が21日、引退会見を開いた。

「私、貴景勝は引退します。年寄湊川として後進の育成に精進します。燃え尽きました。小3から相撲を始めて、横綱になることだけ夢見てやってきた。体力と気力がなくなって引退しました」

今場所は「頸椎(けいつい)椎間板ヘルニア」で3日目から休場しており、12日ぶりの姿となった。

前日20日に師匠の常盤山親方(元小結隆三杉)が、日本相撲協会に引退届を提出。理事会で年寄「湊川」襲名とともに承認されていた。28歳1カ月での引退は、平成以降の横綱・大関では最年少。今後は常盤山部屋の部屋付き親方として後進を指導する。

貴景勝は埼玉栄高から貴乃花部屋に入門し、14年秋場所で初土俵を踏んだ。16年夏場所で新十両、17年初場所で新入幕。暴行問題の影響で部屋を移籍した後も順調に階段をのぼり続け、18年九州場所で幕内初優勝。19年春場所後には、58年以降の初土俵では9位の若さで大関に“年少昇進”。大関では魁皇の5度に続き、2番に多い4度の優勝を飾った。

一方で、175センチ、165キロの体には大きな負担がかかった。突き、押しを武器に、頭からあたるスタイルを確立。慢性的な首の痛みに日々悩まされた。大関昇進後に12度休場。今年、15日間土俵に立ったのは名古屋場所だけだった。成績は5勝10敗に沈み、通算30場所在位した大関から陥落した。

今場所は10勝以上を挙げて特例での大関復帰を狙ったが、初日から2連敗を喫した。3日目に「頸椎(けいつい)椎間板ヘルニアで3週間程度の安静加療を要する見込み」として今年4度目の休場。大関復帰は消滅していた。

前日20日には師匠の常盤山親方(元小結隆三杉)が引退の経緯を説明。11日目(18日)の夜に本人が部屋を訪れ、「引退します」と伝えたという。

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