新潟県十日町市は6日、同市本町6の越後妻有里山現代美術館MonET(モネ)に展示していた作品2点が4月に、修学旅行で訪れた新潟市内の中学生に壊されたと発表した。新潟市教育委員会と学校から謝罪を受けたが、美術館の運営団体は十日町署に被害届を出しており、十日町市も新潟市に損害賠償を請求する方針だ。

 2点は、鉄道模型から放った光で壁に影を投影する「LOST#6(ロストシックス)」(クワクボリョウタさん作)と、水面の波紋をスクリーンに投影させる「Wellenwanne LFO(ヴェーレンヴァンネ・エルエフオー)」(カールステン・ニコライさん作)。共に十日町市所有で、4月29日に開幕した「大地の芸術祭」の出展作品でもあった。

 十日町市などによると、4月21日に複数の生徒がロストシックスをほぼ全損させ、ヴェーレンヴァンネの作品の一部であるパイプを曲げた。当日に被害が判明し、5月2日に被害届を出した。学校での聞き取り調査などに時間がかかり、発表が遅れたという。

 ヴェーレンヴァンネは仮修復が完了し、芸術祭開幕前に展示を再開。ロストシックスは修復困難で、同じ作家の新作を7月中に公開することを目指す。

 関口芳史市長は6日の記者会見で「大変残念な出来事。監視体制を強化したい」と述べ、監視カメラを設置する方針を示した。新潟市教委は「十日町市に大変ご迷惑をおかけした。損害賠償請求は応じる方向で協議していく」とした。