NIIについて / About NII
所長の挨拶
黒橋 禎夫
大学共同利用機関法人 情報・システム研究機構
国立情報学研究所 所長
AIと人間が創る未来
──競争から協創への転換を求めて
2025年現在、私たちはまさに技術革新の最前線に立っています。その中でも、人工知能(AI)の進化は急速であり、その技術的進歩は私たちの生活のあらゆる側面に影響を与えています。AI 技術は、産業から医療、教育、そして日常的な意思決定に至るまで、あらゆる分野で新たな可能性を切り開いています。しかし一方で、このような革新がもたらす影響は常に予測可能ではありません。AIの普及と社会への統合が進む中で、私たちは単に技術の利便性を享受するだけでなく、その背後に潜む倫理的・社会的な課題にも向き合う必要があります。
先日、ある知財に関する委員会で、世界的競争の激しい食料や種子に関する研究をされている方が、「(知財戦略は重要であるが)やっぱり世界中の人が美味しいものを食べられる世界を目指したい」とおっしゃいました。その言葉は、研究者としての原点である社会への貢献という考え方を改めて思い起こさせてくれました。研究者は、利益追求だけでなく、より良い社会の実現を目指していることを私たちは再認識すべきです。それはまさに、ジョン・レノンの歌 "IMAGINE." のように、私たちが望む未来を描き、それを共に目指していく姿勢を求められているということではないでしょうか。
AI 技術の急速な進歩により、今後ますますAIと人間が共存する社会が実現していくでしょう。だからこそ、私たちは現在の「競争」を主軸とした社会から「協創」を中心に据えた社会へ、排他的な利益の追求から知の共有を目指す社会へと転換していく必要があります。それは、社会全体の文化的、倫理的な選択であるべきです。私たちは、それぞれの専門分野で知恵と経験を活かし、互いに補完しあい、より良い未来を創造するために力を尽くすべきでしょう。
この視点は、オープンサイエンスにも通じます。オープンサイエンスの推進には、研究者のインセンティブ設計がしばしば議論されます。しかし、そもそも研究者が社会に貢献する意識をより強く持つことが重要です。人類全体の知識を共有し、共に進歩する文化を醸成することで、AIと人間が共に築く未来を輝かしいものにできるでしょう。理想論かもしれません。ジョン・レノン"IMAGINE." の歌詞を借りれば、"You may say I'm a dreamer" しかし、"I hope someday you'll join us and the world will be as one"です。未来はまだ先にありますが、私たちが一丸となって協力しあえば、必ず素晴らしい時代を迎えられると確信しています。
※この文章はNII 大規模言語モデル研究開発センターで構築した1,720億パラメータのLLMに400文字程度のメモ書きを入力し、その出力をわずかに手直ししたものです。
Reference LENNON, John, and Yoko ONO. "IMAGINE." JOHN LENNON [Offi cial Web Site], www.johnlennon.com/news/imagine-allthe-people-living-life-in-peace/. Accessed 12 Mar. 2025.
2025年4月