NTT西日本 加齢臭がする支店で全員有休全消化――思っていたより「まったり」な職場
B:不良企業予備軍
(仕事2.0、生活3.7、対価2.6) |
- Digest
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- リクルーターとしての仕事は「サビ残」扱い
- 在籍する大学によって甘くなる評価
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リクルーターとしての仕事は「サビ残」扱い
例年、2月ごろに、学生から年齢の近いアラサー以下の社員が招集され、リクルーター向けの説明会を開催。その年の新卒採用における競合状況や、採用ターゲット人数、選考の進め方などについて、人事部の部課長から説明を受ける。
大学別に入社4~5年目の人がチームリーダーに任命され(メンバーは10人以下)、リーダーが、どのリクルーターをいつ送り込むのか、を決めていく。労組が強いことで有名なNTTだが、これは賃金のつかない業務。「リクルーターは『時間外労働』にあたりますが、残業手当も休日出勤手当も請求できません。労働組合は老人のための政治団体化していて、若者を一切守ってくれないですね」(元社員)
リクルーターは、基本的に「学生の応援係」という建前。その大学出身のOB・OGが、現役生のNTT内定を応援する建前だが、もちろん同じ大学の後輩なら誰でもよいわけではなく、ダメな人を早めに落としたり、NTTへの本当の志望順位や他社進行状況を聞き出す、といったスパイ的な機能を期待されている。
「土日で○人に会う、というように、リーダーに稼働報告をします。1日7~8人会うのも普通で、1回あたり約1時間。各自に評価をしてコメントを書いて、人事部や次のリクルーターに引き継ぎます。学生の人生を左右するので、心理的負荷も大きい業務ですが、完全ボランティアワークで、会社からは、交通費と、お茶代1人800円が出るだけです」(若手社員)
在籍する大学によって甘くなる評価
リクルーターは、NTT西にエントリーしてきた学生に対し、『うちは仕事内容が複雑だから、説明したい』などと、選考であることを伝えずに、愛校心溢れるおせっかいで気の良い先輩面して会うことになっている。
学生1人に対して、リクルーター2人が別々に面接し、必ず評価を下す。1人目ではこういうことを聞いた、という引き継ぎを2人目にするが、これは、ウェブシステム上に入力して情報を共有する。同じことを聞いて、受け応えに進展があったかを見るためである。
評価は、「SA」「A」「A-」「B+」「B」「B-」「C」「D」の8段階と、かなり細かい。B以上が「通したい」で、B-はOK、まあまあ、という感じだ。Cは「通したくない」でアウト。Dは「全然ダメ」。最初にDがつくと、2人目のリクルーターにも会えない。ある大学のリクルーターは昨年、4人に1人の割合でCとDをつけたという。
この評価は、どの大学の学生なのかによっても、意味合いが異なる。「私立大の学生でB-がつくと×で、ほぼ次の面接には進めませんが、国立大だと、B-でも、面接に進めます。これは、国立大出身者をなるべく採りたいから。ほかに、地域別の偏りをなくす観点から、福岡県ならば九州大学から何人採りたい、などが内々にあるため、候補者が少ないと甘くなります。ただ、このターゲット人数は、2014年度の選考からは明示的には撤廃されました」(若手社員)
このウェブシステムには「特質」という区分もあり、リクルーターは、「論理的である」など、その学生の特徴を記入する。共通の物差しは
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2010年に新1級と新2級に階層を簡素化した際の、資格賃金の変化
特別手当制度の見直しを伝えるNTT労組の号外(2013年11月26日)
入社1年目~4年目までの年収推移(源泉徴収票)
NTT西日本のキャリアパスと報酬水準
アラサー社員の給与明細
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読者コメント
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