ままゼロブログ

人生に退屈しているときにたまに書いている趣味のブログです。

なんかジワルあの番組「びじゅチューン!」を知るならまずこれ見ておけ10選

はてなブログ10周年特別お題「好きな◯◯10選」

はてなブログ10周年特別お題「私が◯◯にハマる10の理由」

 

10周年を記念したはてなブログお題が「推し活」を推してきている。語るなら今しかない。そこで何の脈絡もなく私のゲキ推し番組「びじゅチューン!」について語り尽くすことにした。

お題を真に受けて「好きな10選」を語り尽くせば、それはそのまま「ハマる理由10個」を語れる構図にもなりますよね。ナイス!はてなブログさん。

 

はじめに

「びじゅチューン!」はEテレで放送している美術鑑賞番組である。異論は認めない。私の中では「日曜美術館」や「美の巨人達」と同じ枠にはいっている。美術鑑賞推奨番組である。ただ、その鑑賞解説は「井上涼」という気鋭のクリエイターに創造された映像と歌によってなされる。

www.nhk.jp 世界の「びじゅつ」を井上涼さんの歌とアニメで紹介!とだけ説明があります。

 

ここではびじゅチューンで放映された作品の中から、番組の魅力を解説するのに適したタイトルを代表作に限らず新旧入り混じりにピックアップし、キラーフレーズと共に紹介をしていきたいと思う。

※なおYouTubeのNHKチャンネルが埋め込み不可だったため、リンクを挿入します。大変お手数をおかけしますがリンク先を再生しながらお読みください。

ハマる理由1圧倒的キャッチーなのに難解カルチャー

びじゅチューン!ビギナーにまず見ていただきたい導入作品としてはこちらです。

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誰もが知っているメジャーな美術作品=ここでは「モナリザ」が、覚えやすいメロディとストーリー仕立ての歌詞によって解説され、めちゃくちゃコミカルな動きのアニメーションによっていっきに視聴者にインプットされる。

しかし入口は圧倒的にポップなのに、表現されている世界観は井上涼氏のユニークな妄想難解ワールド。美術鑑賞のスタイルをとりながらも、このコンテンツ自体が新たな表現のカルチャーを生みだしている。まさにアートである。美術鑑賞に対して全力でアート的アプローチをしているのがこの番組最大の魅力なのだ。つまりまず

この番組を企画した人がえらいがすぎる。

キラーフレーズ
「丈だけがプライドね」

ハマる理由2堅苦しい「美術鑑賞」を「びじゅつ」に変換する楽しさ

2曲目は歴史の教科書にも出てくる国宝「曜変天目」をディスコに見立てたこの曲

youtu.be たった1分30秒だからとりあえず見てみよう

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世界に3点しか現存しないとされる超希少な幻の「曜変天目」の模様を、「キラキラしていてまるでディスコみたいですよね〜」って印象だけで、戸棚に入るバーチャルディスコ空間に自己解釈しちゃう自由さ。

とにかく楽しいじゃないですか。

ちなみにこの「曜変天目」の美しい瑠璃色の斑点は、窯の中で釉薬が温度や灰の当たり具合など奇跡的な条件が揃って起こる化学反応によって発生するのだが、そのメカニズムは未だに解明されていないそう。そういったウンチクも、井上涼氏の手にかかれば「るりるり♪あわあわ♪窯でハプンでミラクル♪」のフレーズだけで表現されてしまう。

とにかく楽しいですよね。

美術鑑賞って堅苦しく考えないで、自由に楽しんでいいんだなってことを、気難しい解説一切抜きで表現してくれている番組なんです。いや、とにかく

井上涼氏を連れてきてコレ企画した人がすごいしえらすぎ。

キラーフレーズ
「茶の湯も嗜むダンスフロアー(Yo〜Hen!)」

ハマる理由3アニメーションモーションの個性豊かな表現力

もうこれは一見にしかずなので再生していただくのが一番かと。

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兵庫県姫路の有する国宝姫路城が、大好きな谷くんと初デートするも、「美と武を併せ持つお城のプライド」が邪魔してなかなか素直になれないという歌。

冒頭の5秒で姫路城が谷くんとの待ち合わせにいそいそと向かうのだが、

え????凄くないですかコレ!?

姫路城が初デートの待ち合わせに嬉しくても素直になれずにいそいそ駆け寄る動きって

そんな状況をたった5秒のモーションで?視せられます?いや、そもそも城だし!

でもわかるんだ。ここだけで、谷くんと待ち合わせにウキウキ急いで駆け寄るけど、嬉しさを押し殺している城の気持ちが。たった数秒でわかるのである。しかもかわいい。城なのにかわいい。だって初デートにそんな気持ちできてる女子なんだもんかわいいに決まってる。

この天才的モーションこそが井上涼その人の技巧表現によるものである。

井上涼的モーション表現はパターンがいくつかあるがどれも見ていてとても楽しく、エンターテイメント性と表現力がめちゃくちゃ高い。でありながらユニークでクセのある独自性により中毒性も強いのだ。

なんだただの天才じゃないか。

 キラーフレーズ
 「難攻不落の私を許して」

ハマる理由4ジャンルを選ばないメロディラインとディテールへのこだわり

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ここまでの3曲をちゃんと見てくださった方はこの曲での音楽性の方向転換に驚かれるかもしれないが、いきなりこんなファンキーに振り切っても彼らしく仕上がるのが井上涼氏の音楽性なのである。どんなジャンルでも「井上涼」にはめてくる。その間口の広さがキャッチーさそのものである。実は作曲やアレンジは井上涼氏が1人でやっている。初期に多かった打ち込み系テクノポップに比べると近年の作品はかなり多様化してきていることから、アレンジへの新陳代謝にはかなりの鍛錬を重ねているに違いない。並々ならぬエンターテイメントへの情熱を感じる。

言わずもがなイラストも歌入れもアニメーションも彼1人で制作しており、その一貫性が作品の世界観を強固なものにしている。要するにただの天才。

要するにただの天才なんです。

ちなみにこの歌は、カラーの仙人は猫派でモノクロの仙人は犬派なのよああ見えて派閥があるから気をつけてねと侍従の先輩が新人さんに教える歌です。。。

キラーフレーズ
「波はどちらでもなかった・・・」

ハマる理由5連発されるキラーフレーズ

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そろそろ皆さんもお気づきであろう、言葉のチョイスがうますぎることに。惜しみなく出てくるキラーフレーズの数々、とにかくどの歌詞にもスキがない。どこをどう切り取っても全部がキャッチコピーみたいなんだよ。

「落としたい試したいあの洗顔メソッド」とか「残業終わりにはさすがにベトベト」とか。

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井上涼さんはもともと広告屋らしいので、言葉選びのセンスはその辺の実績からきているのだろうか??わかりやすさと思わず言いたくなっちゃう語感の良さが絶妙で。おまけに喩えられるモチーフは誰しもスッと共感できるシチュエーションで音楽とのはまりもぴったり気持ちいい。

「素顔は隠す方針、そのほうがパフォーマンス…上がる」とか「お昼休みにネットで見つけてしまった」とか。

もうこの歌は写楽式洗顔フォームのCMとして動画広告流せばこのまま再生回数とコンバージョン相当叩き出せると思うんです。

井上涼氏は言葉の魔術師でもあるんです。


キラーフレーズ
「すっぴん後すぐなんらかのパック(写楽!)」


ハマる理由6攻撃性の低いネガティブ表現

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この歌は、源氏物語で嫉妬のあまり生き霊と化す鬼女として有名な六条御息所をモチーフとした作品・上村松園作「焔」が題材。見るだに恐ろしい、嫉妬と情念をオーラにまとうかのような生霊女が話しかけてくるのだ。。。

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…あなた、あなたそう、あなたです…

嫉妬に苛まれていらっしゃる…?

バイトの後輩のが仕事覚えるの早くて先にお店になじんでるのね

ワカリマス〜

その思い お習字に ぶつけてみませんか? 「焔」

 

さて、美術鑑賞とはなんでしょうか?時として芸術への眼差しは自己の内面性の表出であったりもします。だからびじゅチューンはちゃんとネガティブも取り扱う。しかし井上涼氏の手にかかれば、全ては内向的ネガティブに変換され、突き詰めるとあらかたシンプルな劣等感やら自己嫌悪に集約されてしまうのです。人間に普遍的なドロドロ感情を取り扱いつつも、誰をも傷つけないシチュエーションに置き換えてサラッと表現してしまうのがびじゅチューンの良さなのである。

芸術を取り扱う限り、ポジティブ一辺倒だとなんとも白々しくなってしまう、かと言ってこの作風かつEテレであまりにも辛辣なのもいただけない、そこで絶妙な塩梅で「自己嫌悪」という毒を差し込んでくるこのバランス感覚がとにかく秀逸。だから見る側も絶対的な安心感でびじゅチューンのネガティブに身を委ねることができる。

 

 キラーフレーズ
 「心が焼けててまう〜〜」

 

ハマる理由7ダイナミックにスケールするポジティブ展開

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「あ〜わからないわからない〜何を削るべきかわからない〜」

街を彷徨う社長の嘆きから始まるこの歌は、変わりゆく世界情勢の中(19世紀パリ大改造の頃)、経営不振に悩む個人店社長のコスト削減への苦悩がうかがえる。しかし次の瞬間、従業員に言われた社長は気づくのだ。

削るべきは「床」である、と。

すると、従業員の表情が和らぎお店に客が入りやすくなり、さらにカンナ屑の香りは客を誘い込み業績がうなぎのぼり、驚くべきポジティブ展開が訪れる。

 

そして最後には「床削り、上半期、下半期、未来、その先の誰も見たことない光」へとダイナミックにスケールしていくのだ。

 

このポジティブ展開こそが井上涼氏の精神性だと私は信じて疑わない。あるいはこれは視聴者への愛だ。メッセージなのだ。コレぞ井上涼。このように途中でスケールがダイナミックに急転してポジティブ展開するカタルシスはびじゅチューンではよくあって、私がかなり好きなポイントのひとつです。

 

キラーフレーズ
「どちらが前かもわからない時は床を!(床を)床を!(床を)床をーー!!!」

ハマる理由8カメオ出演

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この歌を知るまでフリーダ・カーロ自体を知らなかった私ですが、おかげですっかり覚えてしまいました。メキシコの画家で自画像を多く描いており、モチーフとなったこの絵では親愛なる夫ディエゴがおでこに浮かびあがっています。

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そのフリーダカーロを厳正な審判に見立てたこの歌、実は他のびじゅチューン作品で登場した面々が選手として数多くカメオ出演してくる。(今回紹介した中では姫路城とデートしていた谷くんがバッターとして登場しています)

 

自分がびじゅチューン沼にハマった主要因がこれで、この番組を長らく見ていると、既視感のあるキャラクターがカメオ出演しているのがわかるようになります。すると、気になりますよね。あのキャラクターってあの時のあの人では?って思います。それでYouTubeで確かめます。そのまま他の動画も続けて見てしまいますよね。するとさらに別のカメオ出演を発見したりします。このキャラクターは…!?その繰り返しで気がつくと小一時間はびじゅチューンを見ちゃうのです…そして気づけば知らない作品がなくなってるという沼がそこに広がっていたのですね…VIVA LA VIDA!(ビバラビダ!)

もちろん、知らなかった美術作品やアーティストと出会えるというのもこの番組の魅力のひとつであります。


キラーフレーズ
「集めたデータを総合すると見える真実の輪郭…ダ!」

ハマる理由9詰め込んで詰め込んで2分!

ここまでありとあらゆる多くの要素を解説してきたわけですが、これだけのエンターテイメントを詰めっつめに詰め込んでおいて、1〜2分にまとめあげるというコンパクトさがお手軽すぎてその優しさにもう涙出そう。見るハードルが低すぎる。しかし内容は濃すぎる。飽きずに楽しめるのにもほどがある。結局、何が起こったのかわからなくて何度も見ちゃう。とにかくここまでまだ一回も再生していないひといたら、一度は見てくれ。頼む。2分もかからないんだ。

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作品としてすごくおもしろいこともさることながらモチーフの作者マティスへのリスペクトがすごい。もう本当にすごいんだ。動きのひとつひとつがマティスの表したかった「躍動感」への井上涼氏なりの応えみたいになっている。差し込まれるカット割りトランジションや動作に1秒も隙がない。奥さん、あの皿の柄を見ました?あれひとつひとつがマティスが晩年取り組んだ切り紙絵の柄なんですよ。寿司を回しながらも「フォーヴなんて呼ばないでほしい」と言ったり、時折差し込まれる客たちの唖然とした表情、「メロンはうちはやってないんですよ」なんて台詞もシュールそのものでおもしろい。よく1分30秒にまとまってんなこれ。傑作かよ

あ、ちなみに登場している人たちみんなカメオ出演ですので探してみてよろしく。

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 キラーフレーズ
「回れ世界とマイボディ!」

ハマる理由10ご本人曰く「ヘタウマ」な歌声

いかがでしたか?もうこれ以上語ることはないだろうと思いましたが、おそらく、皆さんもどうしても気になっていると察しますゆえ歌について最後に言及させてほしい。これだけ計算づくの隙のないエンターテイメントコンテンツなのに、どこか、ゆるくてホッとする。それはこの抜け感のせい。

ヘタウマな歌の持つ絶妙な抜け感。

どう考えてもこれが無いとこの番組は成り立たないのです。こんなに情報過多だとフツー疲れちゃうのです。ここまでエンタメ突き詰められると人間、見ていて気が抜けないし嫌になっちゃう。もし歌までめちゃくそうまかったら何度も続けて見てられないかもしれない。この歌声のなんだか完璧じゃないほんわかした抜け感がすごく親近感わいていい塩梅なのです。だからずっと見ていられる。飽きない。つまり井上涼氏が素晴らしい。井上涼サイコー。

井上涼BEベラボー!

 

最後はそんな「ヘタウマ」歌唱力を堪能できるこちらの代表曲をどうぞ

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 キラーフレーズ
「何を選んでもそれは進化」

おわります

最後はやはり宣伝でしめます。びじゅチューンの世界を体感できる立体型ミュージアム「びじゅチューン!EXPO」が横浜で11月29日まで開催中です。遊びに行ってください。

bijutune-expo.com

 

私も行ってきました

 

今回紹介した「ダンス寿司」「犬派はモノクロ猫派はカラー」「私たちが削るべきは床」も収録されている、祝100曲!感謝特大号DVD販売中です。買え。

「審判はフリーダ」「曜変天目ディスコ」収録CDです買おうね!

「何にでも牛乳を注ぐ女」「写楽式洗顔」「ダンス寿司」収録CDです買おう!

びじゅチューン!CD 「への字口編」(特典なし)

「お局のモナリザさん」「姫路城と初デート」収録です買ってね!

びじゅチューン! CD WEST

びじゅチューン! CD WEST

  • アーティスト:井上涼
  • ポニーキャニオン
Amazon
びじゅチューン! CD EAST

びじゅチューン! CD EAST

  • アーティスト:井上涼
  • ポニーキャニオン
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最後に私の個人的に大好きな曲3選も

youtu.be åœ°å…ƒãŒå¿«æ¥½ã®åœ’〜♪宿命〜

youtu.be 環境適応型ボディは粛々と

youtu.be ç”Ÿãã‚å¼·ããã—て弱く

 

以上になります、ただの自己満足で書き始めたけどようやく気が済みました。ありがとうはてなブログ。ありがとう井上涼。読んでくれた皆さんもありがとう。来年もブログがんばります。はてなブログもあと10年頑張れ。おわります。

 

だいぶ前に更新していたやつ

arenannikki.hatenablog.com