将棋の戦法・戦略は、人生のあらゆる局面でも大いに役立ちます。故・大橋巨泉さんは、将棋で培った大局観で司会者や実業家として成功を収めました。(『将棋が強くなる81の格言』枡本秀男)
プロフィール:枡本秀男(ますもと ひでお)
公益社団法人日本将棋連盟公認将棋普及指導員、将棋五段、将棋文化検定4級、将棋式教育認定コーチ。子どもの教育や大人の脳活と、日本の伝統文化「将棋」を融合した『エデュ将棋(将棋式教育システム)』を提唱し、広島で『エデュ将棋教室』を運営している。
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今回の格言
「金底の歩岩より堅し(きんぞこのふいわよりかたし)」
将棋における意味
一段目に歩を打つことを「底歩」と言い、金の真下に歩を打つことを「金底の歩」と言います。
金は守備に適した駒であり、そこに歩が加わることによって、さらに守りが強固になることを意味しています。
人生への転用~故・大橋巨泉さんの場合
1960年代から80年代にかけて、『11PM』や『クイズダービー』などTV番組の司会者として人気を博した故・大橋巨泉さん。故・米長邦雄将棋連盟前会長とも40年の付き合いで、『巨泉流飛車落ち定跡』という本を出版するほど、将棋もかなりの腕前だったそうです。
この本は1977年に書かれた本で、内容は飛車落ちのプロを相手に勝つことに焦点が置かれています。本の中にも、「この戦法は何かを学ぶためのものではなく、プロに勝つための戦法なのである」と書かれています。
人生の戦略を立てるうえで、どこに焦点を置くか。
勝つためには、自らの強みを知り、競合の状況を把握し、独自資源を活かし、ターゲットを絞ることが肝要です。
巨泉さんは、将棋で培った大局観を見事に自身の人生に反映され、後に実業家としても成功を収められました。
今が攻めるべき時なのか、守るべき時なのか。
守る時だと判断するなら、一度は金底の歩を打って守備を固めておき、後にじっくり攻めへと転じましょう!
『将棋が強くなる81の格言』(2016年8月7日号)より一部抜粋
※記事タイトル・見出し・太字はMONEY VOICE編集部による