運動関連で新年の抱負はありますか?
デッドリフト? マラソン? 好みの体型になること? どれもなかなか野心的です。
その目標を限定的で合否判定のチェックボックス方式になるSMARTゴールに変換してしまわないようにしましょう。
とはいえ、私はSMARTゴールが役に立たないと言うつもりはありません。
夢を持たせてくれて、やる気が出る「ドリームゴール」と、夢に向かう道筋をたどるための「SMARTゴール」という2種類のゴールが必要です。
「SMARTゴール」と「ドリームゴール」の違いとは?
SMARTゴールは、目標設定のためのライフハックとして長い間推奨されてきましたが、実は、管理職が自社のノルマなどを設定するために考案されたものです。
ですから、フィットネスや自己啓発における有用性はかなり限定的です。
今日フィットネス業界で話題になっている「SMARTゴール」とは、具体的(Specific)、測定可能(Measurable)、達成可能(Attainable)、関連性がある(Relevant)、期限付き(Time-bound)で成り立っています。
要するに、期限を定めて、その期限までに具体的で測定可能な成果を達成することを期待するという意味になります。
言い換えれば、合格・不合格のテストに変換するということです。
そして、その合否判定テストで不合格になることは避けたいので、適切な「SMARTゴール」を設定するには、ハードルを低く設定する必要があります。
思い出してください。目標は達成可能でなければなりません。
そう考えると、SMARTゴールは、日々前進し続けるための大きな夢という意味で私が考えるような目標ではありません。
だからこそ、私が「ドリームゴール」と呼ぶもう1つのタイプの目標が必要なのです。
「ドリームゴール」とは、本人が本当に望むものです。達成可能かどうかに関わらず、その人を鼓舞するもの。
500ポンドのデッドリフト、アパラチアントレイルのハイキング、ボストンマラソンへの出場、あるいは、ボストンマラソンで優勝することなどを夢見てもいいじゃないですか。
それを「SMARTゴール」の枠組みに無理やり当てはめる必要はありません。
しかし、その大きな夢に向かって努力する過程で、トレーニングの指針となるベンチマークやプロセスゴールとして、いくつかの「SMARTゴール」を設定してもいいでしょう。
プロセスゴールを設定しながら大きな夢を持つ方法
以前にも書きましたが、SMARTゴールは過大評価されているものの、正直に言えば、プロセスゴールの枠組みとしてはかなり優秀です。
「プロセスゴール」とは、自分で完全にコントロールできるもので、定義上「達成可能」です。
たとえば、週に3回ランニングに行くことはプロセスゴールです。毎食野菜を食べることや、毎週火曜日にデッドリフトを8回×5セット行うメニューを実施するのもプロセスゴールです。
そして、プロセスゴールの目的は「ドリームゴール」への道筋をつけることです。
私ならこんなふうに考えます。
「ドリームゴール」は、遠く離れた大きな山です。
その山がそこに存在することは知っていますが、それがどれだけ遠くにあり、旅がどれほど厳しいものになるのかは正確には知りません。
プロセスゴールは、その山に向かう道筋を辿るためのものです。
荷物を詰めること。一歩一歩足を前に出すこと。
あるいは、ペロトン・インストラクターのTunde Oyeneyinさんが言うように「目標は願望であり、基準は私たちに責任を課す」です。
私たちには両方とも必要なのです。
大きな夢を見ることを自分に許すことがどれほど重要であるかは、強調してもし過ぎることはありません。
「今年の5キロマラソンで1分タイムを縮める」という目標は達成可能ですが、なぜそれだけに自分を限定するのでしょうか?
「5キロを20分以内で走る」というのは、とんでもなく大きな夢です。しかし、努力する価値は十分にあります。
その山を登る道のりは長いかもしれませんが、自分で歩かずに登れるものではありません。