デスクワークが多いと、腰(背中の下のほう)のコリが気になる人も多いはず。
手軽にストレッチできたらいいですよね?
今回の記事の本題である4つのストレッチについてお話ししましょう。
「猫と牛のポーズ」
このポーズが定番になっているのには、れっきとした理由があります。
このポーズには、2つの効果が期待できます。以前に背中上部のストレッチを紹介した記事でもこのポーズを紹介したのは、それが理由です。
このストレッチをするときは、伸ばしたい体の部位に集中しましょう。
今回は背中下部が焦点となるので、骨盤を傾けて、背中下部を丸めたり伸ばしたりすることを意識します。背中の上部や肩だけを動かすことのないように気をつけてください。
猫と牛のポーズのやり方は、以下の通りです。
- 両手と両ひざを床につけて、四つんばいになります。この時、手は肩の真下に、ひざは股関節の真下になるようにします。こうすると、安定感が得られるはずです。床がフローリングで硬い場合は、ヨガマットやクッションをひざの下に入れましょう。
- 猫のポーズ:ここでは、「ハロウィーンの猫」をイメージしてポーズをとりましょう。何かを怖がって、空にかかる虹のように背中を丸める猫です。クランチをやっている時のように、腹筋に力を入れ、背中の下部が伸びているのを感じてください(こうすると、背中の上部も伸びてくるかもしれませんが、今回はこちらは集中すべき場所ではありません)。
- 牛のポーズ:これは、猫のポーズのちょうど反対です。体の真下にある腕と足でしっかり胴体を支え(4本の柱をイメージしてください)、腹部の力を抜いてたわませ、背中を反らします。
- 猫と牛のポーズを交互に数回繰り返します。それぞれのポーズで、1~2回呼吸ができるくらい、じっくり時間をとってください。
「子どものポーズ」からのサイドストレッチ
こちらは、背中下部を伸ばしながら横方向に動かすポーズです。
- まずは「子どものポーズ」をとりましょう。正座してから、両手を床につけて腕を伸ばし、上半身を前に倒して顔を床に近づけます。両ひざの間を少し空けて、より楽にポーズをとってもかまいません。このポーズをとるだけでも、背中の下部が伸びていると感じられるかもしれません。痛みを感じない範囲で、できるだけ前に手を伸ばしましょう。
- このポーズのまま、両手を左側にずらしましょう。体の右側が伸びるのを感じるはずです。1~2と呼吸する間、手はこのポジションをキープします。
- 次に、両手を右側にずらして、体の反対側を伸ばします。
- 必要なだけ、左右のポジションを交互に繰り返します。
「ジェファーソン・カール」
ジェファーソン・カールは、ウエイトを使って、ストレッチと筋トレを組み合わせたエクササイズです。
「背筋で持ち上げる」のは腰に悪いとさんざん注意されてきた記憶がある人は、この動きに違和感を覚えるかもしれません。
でも、持ち上げるウエイトが重すぎなければ、たいていの人にとっては安全な動きです。
もちろん、「重い」かどうかは、その人の筋力のレベルによって異なります。
ジェファーソン・カールをやっている人の中には、非常に筋力が強くて、重いバーベルを持ち上げる人もいます。でも、少なくとも今回は、そこまでやる必要はありません。
ジェファーソン・カールのやり方:
- 階段や、安定したベンチ、ボックスの上に立ちます。これは、床が手につかないようにして、深い前屈姿勢をとるためです。ウエイトを使う場合は、両手で持ってください。
- 立った状態から、体を丸めるようにして前屈姿勢をとります。最終的には、手でつま先に触れるようなポジションになるはずです。ただし、背中は丸めたままにしてください。
- 自分の体の重さで(ウエイトを使っている場合はその重みも加えて)、床に引っ張られるようにしてください。
- 丸めていた胴体を真っ直ぐに戻しながら、ゆっくりと起き上がります。これは、ヨガのレッスンで「背骨を1つずつ意識しながら起こす」と指示された時のような動きです。
- 何度かこの動きを繰り返します。
上達してきたら、前屈したときに手をもう少し下げて、体をさらに伸ばせるようになるはずです。
また、筋力もついてくるので、これまで自重だけでトレーニングしてきた人なら、ウエイトを加えることもできます。ウエイトを使ってきた人も、重さを増すことができます。
これをある程度長い間続けてきた人なら、プライオボックス(トレーニング用の台)の上に立って、ケトルベルを持ってやることもできます。
でも、家にある椅子や階段を使って、手元にある、ウエイトの代わりになるものを使うのでも(あるいは全くウエイトなしでも)かまいません。
なんちゃって「コブラのポーズ」
純粋にヨガを追求している人からは、「この説明は正しくない」と言われるかもしれません。
しかし、「うつぶせで背中を伸ばすポーズ」と言っても、誰もわからないでしょうから、ここでは「コブラのポーズ」という名前で説明させてください。
ここでのポイントは、背中の力を抜いて、先ほど説明したジェファーソン・カールと全く反対の方向に曲げることです。
- 足の甲を床につけるかたちで、うつぶせに横たわります。腕立て伏せをする時のように、両手を体の両脇に置きます。
- 両脚とお腹は床につけたままで、両腕を押すようにして上を向き、肩を起こしていきます。手は、体の真下に置くよりスムーズに動かせるのなら、肩の前方に置いても良いでしょう。
- 背中の力を抜き、みぞおちのあたりを床に近づけましょう。前述の牛のポーズの時と同じ感じです。
- このポーズを決めたら、再び上半身を床につけます。このストレッチをすぐに繰り返してもいいですし、子どものポーズと交互にやってみるのもいいでしょう(その際、前述したサイドストレッチは、やってもやらなくてもかまいません)。