この1年、インフレを痛感した人も多かったでしょう。

そんな情勢のなかでは、「自分のお金の使い方や貯め方は問題ないの?」という漠然とした不安を感じるかもしれません。

お金の不安を短期間で完全に払拭することは難しいものですが、お金に関する解像度を少しずつ上げていくことで、自分の不安の正体も少しずつわかってきます

ということで、この記事では、いま押さえておきたい2024年のお金に関するトピックと、それを踏まえて2025年はどんな行動をしていけると安心か?についてまとめました。

年末に押さえておきたいお金のトピック3つ

1. 老後資金2000万、もっと増える可能性も

さっそく不安になるトピックです。かつては「老後2000万が必要」と言われていましたが、昨今の物価上昇を考えると、老後資金も変動していく覚悟が必要でしょう。

ファイナンシャルプランナーの山崎俊輔さんによると、主な対策は以下の4つ。

対策1. 国の年金をたくさんもらう工夫をする

└ 共働きで働き続ける

└ 繰り下げで年金を遅くもらいはじめる

対策2. 会社の退職金・企業年金を多くもらう

対策3. 無理ない範囲で楽しく、長く働く

対策4. iDeCoやNISAで積み立てする

そして、老後4000万円にできる対策をあと1つ挙げるとすれば、それは「老後の生活をシンプルにすること」と山崎さんは指摘しています。

実のところ、「老後に300万円」で足りる人もいれば「老後に5000万円」で足らない人もいます。その差は「生活水準」に尽きます。

つまり、漠然と4000万円を目標に掲げるのではなく、自分の生活水準ではどの程度の老後資金を持つといいのか、その解像度を上げていくのが不安を解消するカギになるのです。

▼さらに詳しくチェック

「老後資金は2,000万」…いや、4,000万円必要です。FP山崎俊輔さんが5つの対策を伝授 | ライフハッカー・ジャパン

「老後資金は2,000万」…いや、4,000万円必要です。FP山崎俊輔さんが5つの対策を伝授 | ライフハッカー・ジャパン

2. 新NISAやらないともったいないは本当?

2024年1月からはじまった新NISA制度。「興味はあるけどまだ動けていない」「正直よくわからない」という人も多いでしょう。

まず、あなたが少しでも「投資をしてみたい」と考えているなら、NISA口座をつくらない手はありません

ライフハック視点で紹介しておきたいのは、「NISA口座はとりあえずつくって、入金(投資の実行)はもうちょい先」でもアリだということ。つまり、心理的にめんどうな口座開設手続きを先にやっちゃってもいい、と考えるわけです。

(ただし、金融機関の変更は年単位でしかできないので、金融機関選びに悩んだ場合はNISA口座のシェアが高い、ネット証券上位2社のいずれかにしておくと無難でしょう)。

新NISAのメリットとして「非課税投資の上限額が1800万円まで(購入時の価格で)」や「最大で年360万円まで非課税投資が可能」とケタがやたらと大きい話が目につきますが、毎月数千円から数万円程度の積立で利用すればいいのです。

つまり、今までと同じ生活を送りつつ、できれば出費額を減らしてNISAで引き落としできるようなお金を確保する。そういうお金を積み立てる習慣こそが、NISA活用法の重要なカギだったりします。

▼さらに詳しくチェック

新NISAやらないともったいないは本当?証券口座、銘柄はどう選ぶの?【FPが伝授】 | ライフハッカー・ジャパン

新NISAやらないともったいないは本当?証券口座、銘柄はどう選ぶの?【FPが伝授】 | ライフハッカー・ジャパン

3. iDeCo掛金枠が2024年12月から引き上げ

2024年12月から、iDeCoこと個人型確定拠出年金の掛金枠が「ちょっと」引き上げられました。

まず対象となるのは、確定給付企業年金や企業型の確定拠出年金がある会社員、公務員です(企業年金のない会社員、専業主婦、自営業者などは変わらず)。

これらの人たちは、毎月の掛金の上限が月12000円もしくは月20000円だったところから、月20000円に統一されることになり、多くの人たちが月8000円、年間で96000円の枠増額となります。

NISAの「つみたて投資枠、月10万円」のような枠の大きさと比べて、「月8000円増」は小さく見えます。しかし、この8000円の枠をきちっと増額積立しておいた場合とそうでない場合、将来の受取額はずいぶん違ってくることになります。

以下の記事では、試算とともに詳しく解説しています。

▼詳しくはこちらをチェック

iDeCo掛金枠が2024年12月から引き上げ。増額はちょっとだけでも資産はこんなに変わります! | ライフハッカー・ジャパン

iDeCo掛金枠が2024年12月から引き上げ。増額はちょっとだけでも資産はこんなに変わります! | ライフハッカー・ジャパン

余裕につながる!押さえておきたい「貯蓄」のこと2つ

1. お金に対する考え方を固める

貯蓄の目標を決めることも、それを実行していくことも、コツを掴むまでは難しいものです。

そこでおすすめしたいのが、「お金に対する考え方」を振り返ってみること。目標設定をしてもなかなか実現できていない場合は、自分の価値観に合っていない目標設定になっている可能性が高いからです。

また、数値的な目標だけに集中するのは短期的には有効かもしれないですが、深い理解が欠けていれば、息切れする可能性が高いのです。

以下のステップを踏んで「お金に対する考え方」整理しましょう。

  • 自分の支出を記録し、習慣や信念、お金の行き先を明らかにする。
  • 信頼できる友人、パートナー、メンターと、お金に関する自分の気持ちを率直に話し合う
  • お金に関する感情や態度について、日記を書く
  • 人生でお金にまつわる、主な思い出や経験を振り返る。
  • 価値観に基づいたお金の決断をしたことがあるかを確認する。
  • 急にお金が増えた、あるいは減った場合のお金の使い方を考える。

上記を経ることで、自分のお金に関する価値観を理解・整理することができ、それが無理なく続けられる家計管理につながります。

▼詳しくはこちらをチェック

支出を減らす、貯蓄を増やす…新年のお金の抱負は、まず「お金に対する考え方」を固めてみて! | ライフハッカー・ジャパン

支出を減らす、貯蓄を増やす…新年のお金の抱負は、まず「お金に対する考え方」を固めてみて! | ライフハッカー・ジャパン

2. 毎月の家計管理をする

先述した「お金に対する考え方」を整理できたら、貯蓄するうえでもっとも重要といって過言ではない家計管理をはじめましょう。

ポイントはごくシンプルで、以下のたったの3つ。つまり、お金の流れを把握する習慣をつくり、きちんと振り返って、無理のない計画に調整していくことです。

  1. 数字を把握する習慣をつくる
  2. 月の予算を計画し、毎月振り返りを行なう
  3. 振り返ったうえで、来月の予算を調整する

なお、考えなくてもお金が貯まるように、自動入金の設定をするのはかなりおすすめ!

給料が入ったら即、給与口座から貯蓄口座(長期貯蓄や退職金、新NISAなどの投資も含む)への自動振替を設定しておけば、つい使ってしまった…なんてことがありません。

経済状況によりますが、毎月または四半期ごとに、この金額を徐々に増やしていくのが理想的でしょう

▼詳しくはこちらをチェック

家計管理に「毎月のリセット」が必要なワケ | ライフハッカー・ジャパン

家計管理に「毎月のリセット」が必要なワケ | ライフハッカー・ジャパン


余裕があるうちに2024年のお金のトピックや、自分のお金の使い方や貯蓄法を振り返っておくことで、おおまかな今年の評価と、来年にむけて精度の高い目標が設定できますよ。

忙しくなる前に今年の振り返りを!来年に備え、いま整理したい「仕事」や「お金」のこと4つ | ライフハッカー・ジャパン

忙しくなる前に今年の振り返りを!来年に備え、いま整理したい「仕事」や「お金」のこと4つ | ライフハッカー・ジャパン

ライフハッカー・ジャパンの書評家が選ぶ、2024年の名著10選 | ライフハッカー・ジャパン

ライフハッカー・ジャパンの書評家が選ぶ、2024年の名著10選 | ライフハッカー・ジャパン

いまビジネスリーダーたちが注目している、2025年の「4つのトレンド」#TrendBuzz | ライフハッカー・ジャパン

いまビジネスリーダーたちが注目している、2025年の「4つのトレンド」#TrendBuzz | ライフハッカー・ジャパン