新年度のチーム再編成や異動、転職などで、これまでとは違った環境で新たに部下を迎える人も多いでしょう。社会人2年目にとっては初めて「上司・先輩」になりますね。
今回ご紹介するのは、上司としてのあり方や部下の動かし方を説いた『部下に「困ったら何でも言ってね」はNGです』(日本実業出版社)。
上司としての意外な「NG行為」とはどのようなものかを紐解きます。
若手の3割が早期離職する時代、どう接していくべきか
厚生労働省による2021年の調査では、若手社員の3人に1人が3年以内に会社を辞めてしまう「早期離職」が企業や社会の課題になっています。
「絶対的な権力を持つ上司」「チームを引っ張っていく上司」を良しとした時代はとうに終わりを告げ、「部下の話に耳を傾ける上司」「上からでもなく前に立つのでもなく、後ろからサポートする上司」が求められているということは、ライフハッカーでもたびたび紹介しています。
それでも「上司たち」が悩むのは「最近の若手社員のことがよくわからない」「どう接すればいいかわからない」というもの。本書の著者である若手社員育成専門コンサルタント・伊藤誠一郎さんが開催するセミナーでも、このような声が多く寄せられるそうです。
本書の冒頭で、伊藤さんが紹介するのは若手社員にやってはいけないアプローチ。それどころか、むしろ「やってはいけない行為」。以下の6つは一例ですが、いくつあてはまりますか?
□臆病で心配な部下を「大丈夫!」と勇気づけている
□「困ったときは何でも言ってね」と言っている
□若手社員が成果をあげたとき、「素晴らしい!」と大きな声でほめている
□日頃から「どうすれば若手社員に火がつくか」と考えている
□最近の若手は「自分から動こうとしない」と思っている
□「一人前に成長するには厳しさが必要だ」と思っている
(『部下に「困ったら何でも言ってね」はNGです』はじめに)
どうでしょう、ひと昔前なら「熱心で部下思いな上司」と評価されそうなことばかりですが…。本書から若手社員の傾向の一部をピックアップしてみると…たしかに合わないだろうなと容易に察することができます。
- 不燃性のため、火をつけようという考え自体が間違い
- やる気を表面に出すのは苦手だが、社会人として一人前になりたいという思いは静かに燃やしている
- 最近の若手社員は「動かない」のではなく「動けない」
- こちらが支援する気持ちで歩み寄ると、素直さをもって耳を傾けてくる
- 「出世する欲」はないが、「貢献欲」は強い
では今の時代において、「若手社員のやる気を引き出し、能力を伸ばす上司」は、部下にどのような声かけをしているのでしょうか。