データサイエンティストのように「データの可視化が日常」という仕事をしていない限り、情報を表現するための手段を選ぶのはなかなか難しいものがあります。
しかし、Excelのようなソフトを使えば、あらゆる種類のグラフをつくることができます。
ではいったい、あなたが伝えたいストーリーを示すには、どのグラフがベストなのでしょうか。
データを表現する時によく使われるのが、棒グラフと円グラフ。どちらを使っても問題ないケースは多々あるものの、いつでもどちらでもいいというわけではありません。
そこで、棒グラフと円グラフの選び方をお教えします。
棒グラフが適切な場合
棒グラフには、2つの軸があります。カテゴリー軸(たとえば年月)と、数値軸(たとえば国立公園の訪問者数)です。
たとえば、1月の訪問者数をほかの月と比べたり、あるいは1年の中でもっとも訪問者が多い月を把握したりすることができます。
棒グラフは、横向き、縦向きのどちらでも構いません。
棒グラフは、データセットを組み合わせたり、サブカテゴリーを比較したりする時にも使えます。選挙を例にとると、棒グラフを使えば、各候補者への得票数や得票率を投票者の年齢層別に表示することもできます。
円グラフが適切な場合
一方で、円グラフは全体に対する各カテゴリーの割合を示すのに適しています。円全体が合計、つまり100%です。各スライスの幅は合計に対するそのカテゴリーの割合を意味し、ほかのスライスと比較することができます。
上と同様、選挙を例に説明すると、円グラフでは、各候補者の得票数を全投票者の合計投票数で割った得票率を示すことができます。
円グラフよりも棒グラフを使うべきシーン
意味のある全体のうちの一部を示すデータであっても、円グラフが適さないシナリオがいくつかあります。
カテゴリーが多すぎる
円グラフのスライスの幅が狭すぎると、相対的な大きさが判別できません。さらに、図がごちゃごちゃしてしまい、ラベルや注釈が読みづらくなります。
スライスの大きさがほぼ同じ
カテゴリーどうしの割合が同じではないが近い場合、相対的なサイズの違いが判別しにくくなります。そのような場合、明確なラベルを付けない限り、各スライスの正確な割合を一目で判断することはできません。
データセットが複数ある
円グラフでは、足し合わせると全体になる1つのデータセットしか表現できません。たとえば、職種別の給料を比較しつつ、さらに男女別に分類するといったことはできません。
円グラフは全体に対する割合を示すのに最適ですが、棒グラフだって絶対数ではなく割合を示すのに適している場合があります。それは、上限が決まっている場合や、カテゴリーの重複がある場合などです。
たとえば、1つの質問で複数の回答またはカテゴリーの選択を可能としているアンケートなどがこれにあたります。
大まかには、カテゴリー間の比較には棒グラフを、全体と部分の比較には円グラフを使うといいでしょう。
とはいえ、カテゴリーが6つ以上ある場合や、スライスの割合が判別しにくい場合などでは、全体に対する部分の可視化であっても棒グラフのほうが向いています。
ちなみに、逆はできません。つまり、全体に意味がない時のカテゴリー間の比較には、円グラフの使用は適しません。まとめると、棒グラフのほうが円グラフよりも多用途であることを覚えておくといいでしょう。
Source: CHARTIO