Inc.:大勢の聴衆の前でスピーチやプレゼンをしなければならないときに、極度にあがってしまうという方へ。ふたつの事実をお伝えしましょう。
まずひとつ目は、それはあなただけが抱えている問題ではないということ。そしてふたつ目。その悩みは解決可能ということです。
ガンディーもトーマス・ジェファーソンもあがり症だった
1889年。駆け出しの若い弁護士だったマハトマ・ガンディーは、裁判官を前に緊張し過ぎてしまい、法廷から逃げ出してしまったといいます。ディナーパーティーや、地元のベジタリアン協会における会合においてでさえ、緊張のあまり人前で話すことができなかったと、米「The Atlantic」誌は書いています。
ガンディーだけではありません。アメリカ合衆国建国の父のひとりであるトーマス・ジェファーソン、共和制ローマ期の政治家キケロ、古代ギリシアの政治家デモステネスといった偉人たちもまた、スピーチの際に緊張してしまうことで悩んでいたといいます。
それでは、大事なスピーチの際に緊張を和らげるためにはどうすれば良いのでしょうか? 以下に3つのアドバイスをご紹介しましょう。このアドバイスを元にコーチングを受けたり、練習を重ねれば、スピーチの際に緊張しなくなるはずです!
1.ポジティブな視覚イメージを思い浮かべる
あなたの愛する人が同じ部屋に一緒にいると想像してみたり、愛するものの写真を演台の上に置いたり、ポケットの中に入れてみてください。スピーチの達人の中には、台詞補助器具のプロンプター上で常に自分の子どもの写真を見れるようにしている人もいるそうです。
2.「なぜその話を聴き手に伝えたいのか?」という理由を明確にする
好きな映画について3分間しゃべり続けることは簡単なのに、同僚を前にして話すときに緊張してしまうのはなぜでしょう? カラオケで持ち歌を唄うのは得意なのに、オーディションのような場では緊張するのはなぜでしょう?
もちろん、多くの聴き手がいるからという点も理由のひとつですが、それは理由のほんの一部に過ぎません。ハーバード・ビジネススクールの Alison Wood Brooks 教授の著書によると、もうひとつの大事な点は、話す内容について情熱を持っているかどうかだと言います。
Brooks教授は実際に、カラオケを使って実験を行いました。ジャーニーの人気ソング『Don't Stop Believing』 を課題曲に選び、複数の歌い手に対して、その曲を歌うことについて、わくわくするか、不安か、冷静かを歌う前に評価してもらいました。その結果、「わくわくする」と回答した歌い手が、もっとも上手くその曲を歌うという結果になりました。
あなたがスピーチをするときにも、そのテーマについて、もっともわくわくする点をひとつかふたつ、見つけてください。そして、スピーチの最中に緊張したときには、そのわくわくする点を考えるようにしてみましょう。
3.ミスをしても、何事もなかったかのように冷静に続ける
私が12歳のとき、何百人もの前で歌う機会を与えられ、そのためにコーチを受けたときのことです。私のコーチは、シンプルながらも実用的なアドバイスをくれました。「歌詞を間違えても、歌い続けること。ミスに気付く人なんていないのだから」と。コーチは、台本を持っているのは私だけなのだからと強調しました。今でも小説家として、大勢の聴き手の前で著作を読む機会がしばしばあります。私は内容をうっかり間違えてしまっても、そのまま読み続けるようにしています。私自身が「そのミスはたいした事ではない」という態度をとっていれば、聴き手も気にすることはないのです。
心理学者であり文筆家の Tamar Chansky も、この「ミスを冷静に乗り切る」ことについてハフィントンポストの記事で触れています。彼女は、ある小学校の音楽教師が生徒に伝えた言葉を引用しています。その内容はこうです。「もし公演の途中でミスをしても、飛び跳ねて自分が間違えたのだと手を挙げたり、『今のは自分だ!』と明らかに分かるような顔の表情や身振りをつくることさえしなければ、聴いてる人は誰もそのミスに気づきませんよ」
とはいえ、万が一聴衆がミスに気付いたら? それでも、世界が終わるわけではありません。ただ、そのまま続けましょう。そうすれば「聴き手はあなたが冷静で、柔軟な対応力の持ち主だと感じるでしょう」と彼女は書きます。「ほんの少しの言葉上の間違いが、あなたの大きな自尊心を傷つけることなどないのだと聴き手は捉えてくれるはずです」
3 Tips to Combat Anxiety Before a Presentation|Inc.
Ilan Mochari(訳:佐藤ゆき)
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