新しい「技術」を学ぶ時にはフィードバックが重要です。自転車から落ちてしまうような場合には、また落ちないように修正する必要があります。
しかし、新しい「習慣」を身につける場合には、習慣が身についていないというフィードバックを、完全なる失敗だと解釈しがちです。鍛練が足りない証拠だと思うのです。
しかし実際は、そういうことではありません。その失敗の意味は、「技術」を学ぶ時と同様に、技術をもっと磨き修正する必要があるというだけのことです。
習慣を身につけるということは、実際には学び取って練習によって習得できる技術のひとつであるということは、一般的に認識されていません。筆者の新刊では、人々ができていないことに気づいていない、習慣を身につけるための秘密の技術を4つ紹介しています。
1.実際に行動を起こす
多くの人が「語学を学ばなければ」あるいは「そろそろ運動を始めたい」と思いながら、実際には行動を起こしません。それは、「行動を起こす」ということに本気で取り組んでいないからです。頭の中では、常にやろうとしているにも関わらずです。
習慣を身につけるにあたって習得するべきは、きちんと取り組む技術です。すなわち、行動を起こさないでおこうとするあなたの心の抵抗に打ち勝ち、「今やろう。全力で取り組もう。今日始めよう」と口にすることを意味します。そして、動き出すのです。
このようなことが苦手なら、すぐに練習を始めてください。1秒も無駄にせず、小さな習慣を変えることから取り組みましょう。
2.始めが肝心
身につけたい習慣を選び、始める準備ができたら、今度は実際に習慣を実行することに重点を置くべきです。新しい習慣を始めると、何度も困難に直面し、始めるのを先延ばしにしようとし、他のことに気を取られ、それを正当化しようとします。習得すべきは、始める技術です。
いきなり30分も運動する必要はなく、まずは始めることが必要です。ほとんどの人が始めることを苦手としています。そして、それは意志の力が弱いからだと考えますが、そうではありません。この「始める」という技術を練習しておらず、習得していないだけです。
3.正当化に気付く
私たちの心は、習慣を行うことに抵抗し、実にさまざまな正当化を思いつきます。これは大変すぎる、こんなつらいことを経験する必要はない、後でやればいい、休憩を取ってもいいだろう、1回だけならサボっても問題ない、というような正当化です。誰もがこのような正当化を何度も経験していることでしょう。
習得すべきは、このような正当化のプロセスの発生を認識する技術です。意識してみてください。正当化のプロセスを注意により白日のもとに晒すのです。そして、1つ1つの正当化に対して反論を試みましょう。
4.常に再調整する
これは、あらゆる技術の中で最も重要な部類の技術ですが、なかなかできないものです。人は、「習慣とはどのようなものか」ということについて確固たるイメージを持ち、計画通りに行かない場合は、すべてが失敗したかのように感じるものです。罪悪感を感じ、自分は失敗者だと思います。しかし、これは違います。再調整をして、柔軟な心を持てばいいのです。
これは非常に重要なことなのですが、実行する人はほとんどいません。習慣を実行するのを忘れてしまう? 大丈夫です! リマインダーの活用によって調整しましょう。ついFacebookに夢中になって先延ばししてしまう? 大丈夫です! 午後5時までFacebookを開かないように調整してください。再調整の技術があれば、問題がないことのほうが問題です。
習慣を身につけるのが下手なのであれば、これら4つの秘密の技術を練習する必要があります。失敗してももっと練習をするようにしてください。どんなことであっても、初めてで2、3回試みただけでマスターできる人はいないのです。どんなことでも上達するには時間がかかるものです。
しかし、もしこの技術に習熟すれば、素晴らしい成果をあげることができるようになるでしょう。だからこそ練習する価値があるのです。
Mastering Habit Skills|Sea Change Program
The Four Hidden Habit Skills|zen habits
Leo Babauta(訳:Conyac)
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