円高の影響もあり、海外旅行はますます人気を集めています。手軽なパッケージ旅行も良いですが、旅の醍醐味を味わえる個人旅行にもぜひ挑戦してみてはいかがでしょうか。ただ、個人旅行で心配なのは宿泊先を探すこと。私が今年の夏休みに旅行を計画したときも、宿泊先はなかなか決まりませんでした。そんな時に出会ったのが、全く新しい宿泊体験を提供するオンライン宿泊先検索サイト「Airbnb」。
先日、香港を訪れた際に使ってみたのですが、非常に素晴らしいサービスだと感じました。今回はこの経験をもとに、Airbnbが持つ3つの魅力とその可能性について紹介していきます。
Airbnbとは?
Airbnb(エアービーアンドビー)は自分の空いている部屋を有料で貸し借りできるウェブサービスです。2007年にサンフランシスコで始まって以来、世界192ヵ国に約200000件の登録物件があり、世界中で急速に人気を集めています。
仕組みはとてもシンプル。空いている部屋を貸したい人(ホスト)は部屋の情報・連絡先・プロフィールを登録し、Airbnbで借りたい人を募集します。旅行者(ゲスト)は気に入った物件を見つけたら、ホストとコンタクトを取り、現地での待ち合わせ方法などを決めます。
以下、実際にこのサービスを使ってみて気づいた魅力を3つ紹介します。
実際に利用してみて気づいた魅力
1. 滞在費用が安い今回は香港に滞在したのですが、ホテルよりずいぶん安い費用で泊まれると実感しました。場所は香港島の一等地で1泊5000円ほど。周辺のホテルは1泊10000円以上するようなので、ほぼ半額で泊まれたことになります。もちろんホテルのようなサービスは期待できないため単純な比較にはなりませんが、このようなロケーションに安く滞在できる選択肢があるのは素晴らしいことです。
2. 現地で生まれ育った人と交流できる海外で滞在する手段といえば「ホテル」や「ゲストハウス」が一般的ですが、どちらも現地人(その土地で生まれ育った人)と交流する機会は少ないでしょう。Airbnbでは現地で家(もしくはシェアハウス)を持っていて、その中の使っていない部屋を貸し出している人が多いようなので、現地人と交流できる可能性があります。
もし、言葉がわからなくても「現地人の暮らし」を垣間見るのは旅の醍醐味といえます。例えば、今回の香港滞在では、香港島のビジネス中心街にあるアパートにお邪魔したのですが、お昼頃になると近代的なビルから「いかにもできるビジネスマン」といった人たちがタクシーに乗り込んでランチへ行くのが見られて印象的でした。また、周辺の物価も上がっているようです。1杯300円で食べられるような麺類が1200円もして、同じ香港でも九龍半島側の庶民店とは雲泥の差があり、意外な発見ができました(もちろん、その麺はとてもおいしかったです!)。
場合によっては、ホストがオススメのお店や遊ぶところを紹介してくれることもありますが、ホストがどのくらい旅行者の相手をしてくれるかは完全にケースバイケース。レビューを参考にするなど、事前のリサーチをするよう心がけましょう。
3. プライバシーが確保できるゲストハウスは安価ですが、プライベートルームではない限り、プライバシーの確保はなかなか難しい場合が多いです。特に香港のように土地が狭い国では、限られた予算の中でプライベートな空間を得るのはさらに難しくなるでしょう。その点、プライバシーが確保しやすいのもAirbnbの特徴です。Airbnbでは個室を借りるのが基本なので、キッチンやシャワーが共用だったとしても、自分の寝室は確保できます。また、主人不在のままアパートを丸ごと貸し出しているケースもあるので、複数の友達と共同で借りたり、家族で借りたりするのに重宝するでしょう。
Airbnbは海外旅行をどう変えるか
これまでの海外旅行が「観光して、買い物して、いいホテルに泊まる」であったのなら、これからの海外旅行は「観光して、現地人と話して、現地人の家に泊まる」になるかもしれません。もちろんコストは安く、快適さは維持したままで。
Airbnbの価値は、これまで「ホテル」か「ゲストハウス」しか選択肢がなかったところに、ホテルのような快適さとゲストハウスのような手軽さを併せ持つ「第3の選択肢」を増やしたところだと思っています。
また、安さの秘密は「個人(ホスト)と個人(旅行者)が直接やり取りをしているから」であり、ビジネスの仕組みを変えたところがポイントです。空いている部屋さえあれば、誰でもすぐにAirbnbで部屋を貸し出せるということでもあります。最低限の掃除やベッドメイキング、英会話の能力は必要ですが、個人で簡単に始められるビジネスと呼べるでしょう。
個人的には、企業を通さない「個人が個人を相手にするビジネス」は、これからの時代に大きな意味を持つと予想しています。企業中心の経済がうまくいっていない現状や、インターネットの著しい発展を見ると、近い将来このように収入を得るのはそれほど珍しいことではなくなるかも? とさえ思ってしまいます。
皆さんはどう思われますか。ご意見やご感想があれば、コメント欄またはFacebookページにてお待ちしています。
(大嶋拓人)