東洋インキがリリースした『TUBUCOLOR™』は、身の回りにあふれている「色」を記録できるスマートフォンアプリです。冒頭写真のデスクの持ち主のように、よほど色にこだわりがないと活用できないかと思いきや、どうもそうでもありません。使ってみると、頭の中の「カタチにとらわれずに考える」部分を刺激するアプリでした。
■TUBUCOLORをライフログのツールとして使ってみたら記録した日々の行動を振り返り、これからの人生に生かす。いわゆる「ライフログ」がいま、広く活用されています。
例えば、毎日食べたものをあとで振り返られるようにしておけば食生活を見直すことができるし、睡眠サイクルを記録しておくことで快適な目覚めを得られるようになるともいわれています。自分の過去ツイートを見直して思わずニヤリとしたり恥ずかしくなったりしてしまうのも、ライフログとしての効用のひとつだといえるかもしれません。また、ライフログを残すためのツールもさまざま。リストバンドのように身につけるものもあれば、スマートフォンを活用することができるアプリも多数見つかります。
そこで、冒頭デスクの持ち主、ライフハッカー編集部長谷川がTUBUCOLORでのライフログを試みました。彼は、お察しの通り、度を超えたオレンジ好き。そもそも色に対しては大きなこだわりをもっていたのですが、使っているうちにたくさんの「気づき」に出合えたようです。記事は以下に続きます。
■まずは機能を簡単に説明します
編集部長谷川「オレンジって言っても、細かくみるとそれぞれ違うんですね」
使用に際しては、TUBUCOLOR専用のアカウントが必要です。アプリの主な特徴は、大きく分けて二つ。カメラで撮影したものの色をRGB3色で表現してくれる「カラースキャナー」機能と、TUBUCOLORのユーザー同士で共有する「つぶやき」機能です。
あらゆる対象をR(=レッド、赤)、G(=グリーン、緑)、B(=ブルー、青)の3色に分解して数値で表現してくれるので、ウェブデザイナーにとっては非常に重宝するツールだといえます。
色をスキャンする際は、いくつもの対象を連続してスキャンすることもできます。また、すでにスマートフォンで撮影しておいた写真から任意の色を抽出することも可能。RGBだけでなく、印刷物などに使用するCMYK4色の数値を出すこともできるようです。
カメラに写った対象の色をRGB3色の数値で表示してくれます。
記録した色は「おきにいり」に保存できます。色を抽出した元となる写真も表示してくれるので記録を振り返るのにも便利です。
他のTUBUCOLORユーザーの投稿した色を表示。皆がいま、どんな色に興味をもっているのかが一目瞭然です。
■日常を色で記録するライフログ
毎日色を記録した結果、やっぱりオレンジ色が出てくる編集部長谷川。
記録した色は、「つぶやく」ことで、他のユーザーと共有することができます。一度のつぶやきで選択できる全5色の組み合わせには、タイトルと一言コメントを付け加えることが可能です。つまり、自分のつぶやきだけを表示させれば、そのときどきに見たものをどう感じたのか、一覧で表示できるということ。りっぱなライフログになるのです。
他のユーザーのつぶやきを見ると、実に多彩な色が並びます。その日の気分だったり、目を引いた街の風景だったりするのでしょう。
全5色の組み合わせは、いかようにもアレンジできます。以下は、編集部長谷川の力作「BICのボールペン」、そしてFijiansさんの「日本」です。
例えば自分の好きな会社ロゴや花の色、気になる家具や洋服の色をログし続ければ、自分が本当に好きな色が何なのか分かるでしょう。街角のポスターや店先のタナを占拠している売れ筋商品の色を集めれば、最新の人気の傾向をつかむことができるかもしれません(東洋インキの公式サイト「1050+」では、オススメのTUBUCOLOR使い方を募集しているようです)。
■色にこだわる理由~あるヘッドフォンメーカーのこだわり
「色」は人の印象にすごく残るものだと思っています。
形などは「色」ほど印象に残るものではないと思います。
色にこだわったヘッドフォンを展開しているメーカーのひとつ、Zound Industories Japan。彼らは、アプリの開発元である東洋インキに対してこんなコメントを寄せていました。
なぜ、音を聴くものなのに「色」を打ち出すか? それは、私たちが感覚というものを大事にしているからです。例えば、ぱっと見たときの感覚ってスゴく印象に残りませんか? 私たちは、それが「色」にあると思っているわけです。
ヘッドフォンはどれもそんなに形が変わるものではないのが現状です。そこで私たちは「色」にこだわったのです。
さらに、TUBUCOLORの使い方についてもお聞きしました。
日常に言葉として出る「今日は天気が悪いし憂鬱だ」とか「よく晴れて気持ちいいね!」とか、そんなささいなひと言を、TUBUCOLORを使って「色」でつぶやいています。日々のコーディネートや毎日の食事を色でメモするのも面白いですよね。あとは、他の人がつぶやいた色の組み合わせを眺めたり、その組み合わせにつけられた名前を見ながらいろいろ考えたり...。
写真を使って交流する他のアプリと違い、色とコメントだけというのは想像が膨らむので、新鮮で面白いです。
現在、そのZound Industories Japanがプロデュースする店舗「YEADIO」(東京・渋谷、cocoti SHIBUYA 2階)では、Zound Industories Japanと東洋インキのコラボレーションスペースが展開されています。アプリの楽しさを体験することができるので、ぜひチェックしてみてください。
ちなみにTUBUCOLORはダウンロード無料、iPhoneのみの対応です。
(年吉聡太)