ライフハッカー編集部様

最近新しいカメラを購入したのですが、前のカメラに使っていたSDカードが使用できません。容量の大きいカードに変えようと以前から思っていたので、新しいカードを買う良い機会でもあるのですが、何で使えないのかが解せません。そして、最近はカードの種類が沢山あり、分かりづらいのです。各カメラに対応しているSDカードを調べる方法はあるのでしょうか? ただ単に容量が一番大きく、一番高いカードを購入すればいいのでしょうか?

Confused About SD(SDに困惑している)より

Photo by Othree

 Confused About SDさんへ

新しいカメラのご購入おめでとうございます! カメラトラブルでよくある問題はSDカード関連であり、新しくカメラを購入するユーザーに目立ちます。何年か前に購入した古いカメラに使っていた古いカードを新しいカメラに使用すると、写真は撮れるものの動画が撮れなかったり、動作がおかしくなったりするので、カメラの故障を疑いたくなりますが、大抵はSDカードの問題です。この原因は上記の質問にあった「どのカードを購入すれば良いのか?」という質問にも関わってくるので、一つずつ答えていきたいと思います。

■新しいカメラと古いSDカード

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古いSDカードが新しいカメラに使えない理由の一つとして、カードの処理速度が遅すぎ、新しいカメラの書き込みが効果的に行われていない、という可能性があります。しかし、実はトラブルが起こりやすいのは逆のケースの方が多いです。処理速度の速く、新しいSDカードを古いカメラに使用すると、よくトラブルが起きます。

古いカードを使った際に起きる問題は動画録画中に多く、特にHD録画機能を持っているカメラの場合、古いカードの処理速度の遅さから生じるカードトラブルが頻繁に発生します。データの書き込みが遅すぎて、カメラから送られるデータを処理できずに途切れたり、録画自体ができなかったりなど、大事なシャッターチャンスを逃す事になるのです。新しいSDカードを古いカメラに使用した場合、大抵は問題なく使用できるのですが、必要最低書き込み速度にカメラがついていけず、認識されないケースや使用できないケースがまれにあります

なぜこういう事が起きるのかを理解するには、SDカードのクラス(スピードクラス)とその速度について理解しないといけません。難解なトピックですが、デジカメユーザーやビデオカメラユーザーは知っておくべき重要な事であり、SDカードメーカーやカメラメーカーが詳しく説明しない部分でもあるので、こういった機器を使うにあたり、知っておくべき事の一つでしょう。

Photo by Ryosuke Sekido

■SDカードクラス、スピード、容量について

新しいカメラやビデオカメラを購入する際、製品情報を見て(できれば購入するまえにオンライン上でチェックしましょう)対応するSDカード及び必要なスピードを調べる事をオススメします。

説明書に動作確認済みのSDカードが記載されていれば、何を購入すればいいのかが分かり、それを購入すれば、問題なく使用できるはずです。残念な事に、カメラやビデオカメラメーカーの説明書に記載されていないケースや、「クラス」や「X倍速」のカード使用を勧めるだけなど、ユーザフレンドリーでないケースもあります。さらに、ほとんどの説明書はクラスや倍速の意味をきちんと説明していないので、この場を借りて説明しましょう。

クラス

SDカードには4つの「クラス」が存在します。「Class 2」「Class 4」 「Class 6」そして「Class 10」です。 SDカードにおけるクラスとは、一秒に何MBが書き込めるか、そしてその書き込み速度によって分けられています。

例えば、Class2のSDカードは最低2MBのデータを毎秒書き込みできる事を保証しており、Class4は最低4MB/秒と、クラスが上がると最低保証するデータ書き込み量も上がっていきます。パッケージやカード自体に表記されているので、分かりやすいはずです。

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新しいカメラに古いカードを使う場合は、そこまで問題になることはありません(動画などを撮らなければ)が、新しいカードを古い機器に使用する際には、問題になるケースがあります。もし、お使いのカメラが最低書き込み速度に対応していないほど遅く書きこむ場合には、データが保存できない事もあり得ます。

Photo by Cristiano Betta


X倍速

SDカードのクラスは最低書き込み速度を表しているのですが、「X倍速」はカードの最高書き込み速度を表しています。 昔のカードを新しいカメラに使う場合、このX倍速が問題になることがあります。

もし、昔のSDカードが13倍のカードで(13倍だと最高16MB/秒の書き込み速度)、お持ちのカメラが動作するにあたり、最低40倍(最高48MB/秒の書き込み速度)のカードを必要とする場合、カメラの書き込みにカードが対応しきれません。このWikipediaのページ(英文)にX倍速とクラスの関連性及び書き込み速度、読み込み速度が表記されているので、一度チェックしてみてください。

最近では、X倍速はマーケティング戦略に使われており、どれだけ速い速度で処理しているのかをアピールしているケースがほとんどなので、新しいカードを購入する際にはあまり気にしなくても良いはずです。

カメラメーカーが必要倍速を提示する場合がありますが、そのようなケースでは、カメラの動作環境に必要な倍数をユーザーに説明しているので、新しいカードを購入する時、もしくは古いカードを使う際には一度チェックし、使えるかどうか確認しましょう。デジタル一眼レフや動画を沢山撮る場合には、多少高くてもメーカーの推奨する最低レベルのクラスや、X倍速より上の物を購入した方が良いかもしれません。


容量

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ほとんどの人は、SDカードを購入する際にスピードより容量を気にすると思います。お持ちのカメラがコンパクトカメラで、たまにしか写真を取らず、写真の保存フォーマットがJPEGであれば、容量の小さい4~8GBのSDカードで十分に何千枚もの写真が撮れるはずです。

画質にこだわるユーザーで、RAWフォーマットで保存しているのであれば(同じコンパクトカメラと想定)、16GBのカードにアップグレードしたほうが良いかもしれません。コンパクトカメラを使い、動画をほとんど撮らない場合には、値段の張る32GBのカードをわざわざ購入する必要はないと思います。

逆に、動画を撮ったり、デジタル一眼レフカメラを使う場合には、もう少し大容量のカードを購入することをオススメします。高画質の動画録画や写真のフォーマットを全てRAWにした場合、最低16GBのカード、もしくは32GBのカードを購入し、容量に余裕を持つと良いでしょう。SDアソシエーションのページでは、カードの容量別にどれだけのデータが保存できるか掲載されているので、一度ご覧になってみてはいかがでしょうか?

Photo by Jasleen Kaur


■最後に

新しいカメラには、Class 6カードを選べば、ほとんどのカメラに使えるはずです。後は財布と相談しながら、必要に応じて容量を選択してください。

「大は小を兼ねるという」と言うように、前もって高容量のカードを購入してもいいのですが、コンパクトカメラを使い、動画も撮らない、JPEGで保存するといった人には、お金と容量の無駄かもしれません。同様に、Class2のカードをデジタル一眼レフカメラに使おうとすると、遅すぎて写真や動画を保存しきれないと思いますので、アップグレードしてください。

購入したカメラ(もしくは購入予定のカメラ)の説明書に推奨カードタイプは載っているはずですが、もし載っていない場合には、無難にClass 6のカードを購入すれば問題ないはずです(後は必要な容量を選んでください)。

お役に立てれば幸いです。後は楽しく撮ってください!

ライフハッカーより愛をこめて

まだ理解できない部分や、付け加えるべきアドバイスなどはありますか? SDカードの複雑な部分を理解するのにオススメの小ワザやアドバイスがありましたら、下記のコメントにお願いします。

Alan Henry(原文/訳:JD)